医学留学の帯同家族としてベイエリアにやってきた杉尾千沙さん。渡米後にコーチングの資格を取得、アメリカの大学進学カウンセリングについて体系的に学びながら、3姉妹の子育てをする杉尾さんに、ベイエリアでの暮らしについて話を聞いた。

ベイエリアに住むことに
なったきっかけ
夫のスタンフォード大学への医学研究留学に帯同する形で、2021年に渡米しました。
ベイエリアに最初にきた時の印象
まず物価の高さに驚きました。また渡米直後に第3子を出産したこともあり、しばらくはアメリカ生活を楽しむ余裕もなく、全く新しい環境で頑張っている子どもたちの精神面や学校生活を安定させるのに必死でした。
ベイエリアの今の印象
ベイエリアの魅力は、多様な人との出会いを通して視野を広げられることです。日系企業やIT企業、スタートアップが数多く集まる地域なので、人とのネットワークが広がりやすく、さまざまな分野の方々と交流する機会があります。子どもたちの学校においても多様な人種や文化的背景を持つ方々が多く、教育への関心も非常に高いため、さまざまな教育観や価値観に触れられることも魅力だと感じています。子育てが少し落ち着いてきたこともあり、最近は積極的にネットワークイベントへ参加し、この環境ならではの学びを実感しています。
あなたにとって、ベイエリアはどんな場所ですか
私にとってベイエリアは、挑戦する勇気を与えてくれる場所です。新しいことに挑戦するマインドを持つ人が多く、その姿勢に日々刺激を受けています。「自分も一歩踏み出してみよう」と前向きな気持ちになれ、自分自身も成長し続けたいと思える環境です
どんなお仕事、活動をされていますか?
現在は、UCバークレー・エクステンションでアメリカの大学進学カウンセリングについて体系的に学んでいます。これまで客室乗務員や大学生の進路サポート、またキャリアコーチとして、人の成長やキャリアを支援する仕事に携わってきました。その経験を生かしながら、現在はアメリカの大学進学支援を専門的に学び、生徒一人ひとりに合った進路選択をサポートできるカウンセラーを目指しています。

専門分野について教えてください
私の専門分野は、大学進学・キャリア支援です。現在はアメリカの大学進学カウンセリングを体系的に学びながら、自己理解を土台とした進路支援を専門としています。私が大切にしているのは、どの大学に進学するかではなく、「どんな人生を送りたいのか」という視点から進路を考えることです。そのため、コーチングを用いて一人ひとりの強みや価値観、興味・関心を丁寧に整理し、その人らしい進路やキャリアを主体的に選択できるようサポートしています。また、アメリカで生活し、現地の教育制度や大学進学について学んでいる経験を生かし、日本とアメリカ双方の教育観や進学事情を踏まえた支援ができることも私の強みです。大学進学をゴールではなく、その先の人生やキャリアまで見据え、一人ひとりが自分らしく活躍できる未来を一緒に考えることを大切にしています。
英語での成功体験、失敗体験
失敗体験の方が圧倒的に多いです。相手に伝えたいことがうまく伝わらなかったり、以前は英語のテストで思うようにスコアが伸びなかったりするたびに落ち込んでいました。しかし、コーチングを学んだことをきっかけに、結果や外的評価ではなく自分でコントロールできる行動に意識を向けるようになりました。現在も英語学習へのモチベーションを維持できているのもコーチングのおかげだと思っています。
あなたにとって仕事とは
私にとって仕事とは、自分の人生のハンドルを自分で握り、その力を社会への貢献につなげることです。自分の情熱や信念を大切にしながら、自分らしく働くことが、誰かの役に立ち、社会に価値を生み出すことにつながると考えています。だからこそ私は、一人ひとりが自分らしい進路や仕事を見つけられるよう支援したいと思っています。その人が自分の人生を主体的に選び、一歩踏み出すきっかけをつくることが、私にとって仕事のやりがいであり、社会への貢献だと考えています。

現在、どんなおうちに住んでいますか?
ロスアルトスにあるアパートに住んでいます。徒歩圏内にホールフーズやトレーダー・ジョーズがあり、日常の買い物にもとても便利な環境です。治安が良く、公園や学校も充実しているため、子育て世代の日本人にも人気のエリアだと感じています。
休日はどんなふうに過ごしていますか
休日は子どもたちの習い事の送迎をしたり、一緒に公園で遊んだりして過ごしています。また、私も夫もコーヒーが好きなので、リフレッシュしたいときは近所のカフェやサンフランシスコまで足を延ばし、カフェ巡りを楽しむこともあります。平日は忙しく過ごしているので休日は家族でゆったりとした時間を過ごすことが多いです。
ベイエリア、および近郊で好きな場所
夫がスタンフォード大学で働いていることもあり、家族でキャンパスを訪れる機会が多く、子どもたちと遊んだり散歩をしたりするうちに、私にとって最も居心地の良い場所の一つになりました。広大な自然と、落ち着いた学術的な雰囲気が共存しており、訪れるたびに刺激を受けています。また、現在は大学進学カウンセラーについて学んでいることもあり、時間があると近隣の大学のキャンパスを実際に訪れています。学生の雰囲気やキャンパスカルチャーを肌で感じながら、それぞれの大学の特徴や魅力を自分なりに整理することを心がけています。
日本に戻る頻度
一年に一度、子どもたちの夏休みに一時帰国しています。
最近日本に戻ったときに感じたこと
最近日本へ一時帰国した際、高校無償化について保護者の方々から話を聞く機会がありました。授業料の負担軽減を歓迎する一方で、「制服代や教材費など授業料以外の教育費の負担は依然として大きい」という声が印象に残りました。一方、アメリカでは大学の学費が年々高騰しており、進学先を選ぶ際に費用は重要な判断材料となっています。日本でも制度が変化する中で、保護者が教育費のどのような点に不安や負担を感じ、それが進路選択にどのような影響を与えているのかを、今後さらにヒアリングを重ねながら理解を深めていきたいと考えています。
日本へのお土産
カリフォルニアワイン、トレーダー・ジョーズのエコバッグやシーズキャンディーやギラデリのチョコレートをお土産として持参することが多いです。
5年後の自分に期待すること
アメリカの高校や大学でカウンセラーとして働き、現地の中高生が自分らしい進路を見つけられるようサポートしていたいと思っています。また、アメリカ進学を考えている日本人のご家庭に対しても、現地で生活し、子育てをしながら教育を学んできた経験を活かし、進学制度や大学選び、キャリア形成について、安心して相談できる存在になりたいです。一人でも多くの子どもたちやご家族が、自分の人生の舵をとって自分らしい未来を描けるよう伴走していきたいと考えています。
プロフィール
杉尾 千沙
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Sugio Chisa
元国際線客室乗務員・キャリアコーチ。3姉妹の母。夫の研究帯同で渡米後、コーチングの資格を取得。現在はアメリカの大学進学制度を学びながら、日本の中高生と保護者に向けて、一人ひとりの個性を生かした進路・キャリア支援を行っている。