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アメリカで、人生を楽しむということを知った-瀧口 大輔

2021.06.18

配信

和食の職人として20年以上のキャリアを活かし、2016年からはナパのレストランKENZOにてシェフを務める瀧口さん。「今までは仕事に捕われていたが、アメリカで暮らし始めて人生を楽しむという事を知った」という彼に、ここでの暮らしについて伺いました。

ベイエリアに住むことになったきっかけ

2016年10月に渡米しました。私は和食の料理人です。渡米する前年まで日本でレストランを開業するために必死になっておりました。なかなか上手くいかず困っていた際に、現在の会社からカリフォルニアのナパへ出店するため行ってみないかと声がかかりました。大分悩みましたが、気持ちを切り替え渡米することにしました。

ベイエリアの印象

ベイエリアというかアメリカ本土は初めてなので全てが広く、大きく、とても空が高い。そして道路の車線が多いことに驚きました。アメリカの人々は自分の生活を一番に考えていて、ゆったりと生きているように見え、仕事が第一優先だった私には初め理解できませんでした。


自分の専門分野について

私は先に書きましたが、和食の職人を21年ほど続けております。高校卒業後、調理師専門学校を経て、そこから様々な料理技術を学ぶためホテル、懐石料理、宴会場、旅館、寿司、居酒屋等のレストランをわたり歩き、今に至ります。和食の職人と一口に言ってもどんな事をするのかわかりにくいと思います。私は懐石料理を中心に握り寿司、天ぷら、鰻、河豚、スッポン、様々な野菜の下処理、もちろん魚の捌き方の技術も持ち合わせています。しかし沢山の技術があるものの、器用貧乏に感じる半面もあります。


その道に進むことになったきっかけ

元々、手先が器用で物作りが好きだった事も関係しているとは思いますが、私は山形の田舎の出で、とにかく東京に住みたいという思いが強かったです。そのため、最初は何の仕事でもよく、一人で暮らすなら飲食がいいだろう、と。その考えを知った父が、飲食なら和食の道へ進め、和食ならば山形へ戻る時も楽だろう、と私の背中を押してくれました。そんな安易な考えですがこの道に入りました。仕事(修行時代)は大変なもので何度も辞めようと思いましたが、ある時からこの仕事で食べて行くしかないと心に決め、今に至ります。

英語で仕事をするということ

私の英語力はほとんどないに等しいのですが、料理を作るうえで問題がないので助かっています。こちらで仕事を始めた頃より、同僚のアメリカンとのコミュニケーションは大分理解できるようになりました。しかし、住んでいる地域や人によって話し方が全く違うので、カウンターでお客様とコミュニケーションをとる時は困ります。少しでも英語力を伸ばしていければと思います。

英語で失敗したエピソード

ほとんどが失敗しているようなものです。失敗というより恥ずかしかったエピソードでいうと、私がカウンターでとてもたどたどしく料理の説明をし終わった後で、実はお客様が日本人だと気づいた時は、恥ずかしくなりました。


英語が100%ネイティブだったらどんな仕事に?

どんな仕事に就きたいかは考えられませんが、近くにいるアメリカの同僚やこれから出会うであろう人々と心から理解しあいたいです。

あなたにとって仕事とは?

仕事とは生きていくうえで必要なもの、そして人生の半分以上の時間を占めるものです。私は20代、30代と仕事に捕らわれ過ぎていたと思います。アメリカで暮らし始めて人生を楽しむという事を知りました。これからの四十代、五十代は仕事と自分の楽しみを両立させて精一杯仕事をしたいです。

生まれて初めてなりたいと思った職業

大工です。物造りが好きだったこともありますが、近所に新しい家が建つ際に、何も無いところから土台ができ、骨組み、そして立派な家が建った時は感動したことを思い出します。

いまの仕事に就いていなかったら

もしかしたら、農家をしていたかもしれません。私の祖父は10年前に亡くなりましたが、サクランボやりんご、桃、ぶどう、田んぼ等の農家をしており、私が子どもの頃は、よく畑に一緒に行きました。農家は大変な仕事ですが、実りの喜びや田畑の美しさは掛け替えのないものだと感じたからです。


現在、住んでいる家

ナパの山の上に住んでいます。

乗っている車

Rav4に乗っています。一年前に妹家族が6年の駐在を終え、その時に安く譲って貰ったものです。派手さはありませんが、とてもよく走ってくれるのでありがたいです。

睡眠時間・起床時間・就寝時間

睡眠時間は7〜8時間で、しっかり睡眠だけはとるようにしています。睡眠時間が少ないと判断が鈍り仕事に支障をきたすためです。

起床は9時半から10時半の間で、就寝は午前1時半から2時半の間になります。飲食の仕事をしていると夜型になってしまうのは、日本もアメリカも一緒でした。


休日の過ごし方

アメリカへ来てから、休日に家で休むことは年に6日ほどしかありません。その他の時間を趣味のゴルフやボルダリング、スノーボード、ジェットスキー、釣りに費やし、空いている時間があれば友人と食事に出かけます。休日は家におらず外に出て、様々な人と交流を持つようにしています。おかげさまでほとんど日本人ですが沢山の方と知り合うことが出来ました。皆さん様々な考えを持って暮らしていることを聞き、それを参考に私も生活していこうと思います。


好きな場所

ベイエリアのゴルフ場はすべて素晴らしいです。ナパの近くにあるレイクベリエッサもとても綺麗で好きですが、どこにいても仲の良い友人や知り合い、先輩方といる場所が最高の場所かと思います。


最もお気に入りのレストラン

レストランではないのですが、サンフランシスコに行くと必ず立ち寄るのは、Berry Good Café & Crepes です。この店の店長はゴルフの先輩でいつも優しく声を掛けてもらっています。彼は強面ですがそれに似つかわしくないとても可愛いクレープを作るので、そのギャップが好きです。


よく利用する日本食レストラン

喜楽さん、そばいちさん、Wakoさん、Fish & Birdさん、Shige Sushiさん、モリモトナパさん、Hanaさんなど。レストランによって個性があり楽しませていただきました。これから行く予定のレストランはSushi Anさん、Sakanaさん、Uzenさん、Halyamasitaさん、Getaさん、Sozaiさん、Kusakabeさん。勉強させていただこうかと思っています。

日本に持って行くお土産

もちろん、ナパのワインです。10本ほど持ち帰りお世話になった方や両親に渡し、あとは色々な日本の友達と飲みます。かさのない物だと、トレーダージョーズのエコバックでミステリーパックをお土産にした事もあります。

日本からベイエリアに持って帰ってくるもの

皆さん日本から持ち帰る物は食料品が多いと思います。私もそうですが、前回の帰国の際は、お世話になった和食の親方の店へご挨拶に伺ったときに、各親方から様々な名高い日本酒をお土産にいただきました。

現在のベイエリア生活で、不便を感じるとき

ナパで生活していると、アジアンストアがないので食生活に不便を感じます。

現在のベイエリア生活で不安に感じること

一番の不安は毎年起こる山火事です。2017年に起きた山火事では、幸い住んでいる住居は焼けはしなかったものの、夜中に避難しなければいけませんでした。2キロほど手前に迫った炎を見たときはあまりの大きさと火の勢いに恐怖で声が出ませんでした。また大気汚染も酷いものです。

8月から10月にかけてはナパの最高の観光シーズンですが、ここ何年か山火事によって打撃を受けています。大きい山火事が起きないことを祈ります。


日本に郷愁を感じるとき

一番はやはり離れて暮らす家族を思う時です。次は渡米する前まで通っていた茶道のお稽古です。茶室での、わびさびが広がる空間で、先生や兄弟子たちと炉を囲んでたわいもない話をしたことや、お稽古の静寂の中でコポコポと奏でる御釜の音を聞きながら御抹茶をたて集中力を研ぎ澄ますことが懐かしく感じます。アメリカにも茶道教室はありますが、私が習っていた藪ノ内流は日本にしかなく、先生も気さくな方でアットホームな雰囲気が好きでした。日本へ帰った際はご挨拶に行く予定です。


お勧めの観光地

もちろん、ナパをお勧めします。ワイナリーやブドウ畑は素晴らしく開放感に溢れ、Yountvilleも素敵なレストランが沢山あります。ナパのダウンタウンは年々発展し、続々と新しいホテルやレストランが建てられ観光客でにぎわいを見せています。そんなナパへ皆さん遊びにお越しください。お待ちしております。

永住したい都市

今はナパという素晴らしい街に住んでいるのでここに永住したいと思いますが、住めば都というように、その場所の良いところを好きになり、どこであっても永住したいと思います。

5年後の自分に期待すること

大きなことは望んでいませんが、仕事とプライベートを精一杯充実させ、しっかりと自分と向き合っていることを期待します。

最も印象に残っている本

日本で仕事をしている時に電車通勤だったので、様々な本を読みました。東野圭吾の推理物や、大沢在昌の刑事物、司馬遼太郎のいくつかのシリーズ、思い出せばきりがないですが、一番印象に残っているのは京極夏彦の百鬼夜行シリーズです。一つひとつのストーリーが長すぎていつも途中で挫折しそうになりながら読んでいました。

座右の銘は?

「急がば回れ」祖母から私が小さい頃に教わった言葉です。私はせっかちなのですぐに近道を見つけようとしますが、そんな道はないのだといつも痛感させられます。


プロフィール

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Daisuke Takiguchi

1981年生まれ山形育ち。高校卒業後、東京の調理師専門学校へ入学し、そこから和食の道に入る。ホテル、懐石料理屋、宴会場、寿司屋等様々な業態のレストランにて技術を磨く。2012年KENZO ESTATE JAPAN入社、2016年に渡米し、レストランKENZOで働く。

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