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互いに自分らしくいることを受け入れる 居心地の良い場所

2025.12.17

配信

2011年にはじめてベイエリアにやってきた宮部峰貴子さん。天候が良く自然が美しいベイエリアで、本格的な家庭菜園にハマっているという。慣れない異国での生活や子育て、そして現在の暮らしについて話を伺った。



ベイエリアに住むことに なったきっかけ

初渡米は2011年、夫の転勤でサンフランシスコ市内に一年駐在しました。帰国後、もう一度ベイエリアで勝負したいという夫を後押しする形で、2014に本格移住しました。今年で移住11年目となります。

 ベイエリアに最初にきた時の印象  


とにかく気候の良い美しい場所だと感じました。湿気のせいか、空の色が日本と違いますね。当たり前にリスやハチドリ、ペリカンがいることにも感激しました。

 ベイエリアの今の印象  



大規模な山火事があったり、少しの大雨で道路が冠水したり、日本と違うところに驚きはありましたが、それでもこの気候は素晴らしく、多くの人を惹きつける理由がわかります。 あなたにとってベイエリアは どんな場所ですか  周りを気にしすぎず、互いに自分らしくいることを受け入れ合える、居心地の良い場所です。

どんなお仕事、活動をされていますか  


専業主婦です。中高生男子が3人いるので、毎日食事のことで頭がいっぱい。買い出しも基本業務用サイズです。巨大なキロ単位の肉塊を捌くのは最初は手こずりましたが、最近は上達を実感できて楽しいです。お米は毎回5合炊きます。パンなどもパン屋さん気分で量産しています。すぐになくなりますが!

 専門分野について教えてください  


 趣味と節約を兼ねて、家庭菜園をがっつりやっています。なるべく自然に近い形で、鳥やてんとう虫に害虫を食べてもらったり、相性の良い野菜同士を一緒にそだてるなど、環境に負荷の少ない畑づくりを目指しています。土づくりからハマっており、物理、化学、生物、全てがバランスを探しながら土や生き物が育っていく過程が奥深く、面白いです。うまくいかないことも多いですが、どんな失敗からも必ず次につながる学びがあると実感しています。

また、お野菜自身の可能性を最大限に活かせるよう、環境を整え、手を出すタイミングを見守る作業は、子育てと似ているなとつくづく感じます。3年経ち、葉物野菜、トマトやパプリカ、にんじんジャガイモなどはほぼ畑で賄えるようになってきました。

 始めたきっかけ  


もともと自然や生き物が好きで、また自分で何かを作ってみることも好きでした。ハーブ研究家のベニシアさんのような、自然と調和の取れた暮らしにずっと憧れがありました。これまでもできる範囲でベランダハーブなどは育ててきましたが、家を買ったので、芝生を開墾しパティオをプランターで埋め尽くし、深みにハマり、今に至ります。

いつかこのノウハウを発信して、皆さんの暮らしに役立ててもらえるようにできたら素敵だなと思っています。

 英語を使うことについて  


主婦業や庭仕事の中で英語を使うチャンスはさほどないので、自分で作っていかないといけないですね。苦手意識はまだまだ根強いですが、意識して人と会ったり会話を自ら始めたり努力はしないと、と思っています。

また、英語が母国語ではない友人らと会話する時、互いにシンプルな言葉しか使えていないはずなのに、むしろ深く分かり合えてると感じることがあります。英語という言語が壁になったとしても、それ以外に通じ合える道はたくさんあるはずなので、そういったコミュニケーションも大切にしたいなと思います。

 英語での成功体験、失敗体験  


子どもらが小さかった頃、年齢制限のあるイベントに出かけました。5歳未満は入場禁止だったのですが、5歳の小柄な末っ子に対し、「2、3歳にしか見えない、私には孫が沢山いるからわかる、嘘をつくな」と、大変高圧的で差別的な態度を取られました。まだ幼い長男が怒り、嘘なんてついてない、弟は背は小さいけど、僕よりずっとしっかりしてるし頭がいいんだ! と反論すると、じゃあ出生証明書を見せろと。私はショックで全く英語が出てこず、悔しさに涙が溢れるだけという情けなさ。一緒にいた韓国人の友人がマネージャーを呼べと怒ってくれて、最終的には子ども達はイベントを楽しめたのですが、私は自分の弱さにただただ不甲斐なく悔しさと悲しさだけが残りました。異国で生きるということは、言葉は攻めにも守りにも必須である一方で、言葉以外の「強さ」も必要だと痛感した出来事でした。

 子どもの頃になりたいと 思っていた職業  


本が好きで、小説家になりたいと思っていました。

もし、今の生活を選んでいなかったとしたら  


モンテッソーリ園での教員を目指していたと思います。長男を授かる前、不育症の診断がおり、子どものいない人生もありえるという現実に直面しました。治療もしつつ、我が子でなくても子ども達と関わっていける仕事として、モンテッソーリ教育の資格取得を決めました。すると、申し込みの入金をしたところで長男を授かっていたことが発覚。妊婦&乳飲み子抱えての通学はなかなか大変でしたが、あの時の学びは子育てに存分に活かせました。

 現在の住まい  



小さいながらもお庭のある一軒家です。

 休日の過ごし方  


正直休日という概念がわからなくなっています…。週末も子ども達のイベントやハングアウトの送り迎え、運転の練習の付き添い。作り置き。庭仕事。旅行も結局5人家族ですと、ホテルよりもAirB&Bを借りた方が過ごしやすく、買い出し炊事洗濯を自分達でやることになります。たまに平日、送り迎えの合間に友人と会うのがよい息抜きになっています。

 ベイエリアおよび 近郊で好きな場所  


レイクタホ、マウントシャスタは子ども達が小さい頃毎年家族で行っていました。大好きな場所です。

 もし100万ドル 当たったとしたら  


万全の体制を整えて、保護犬をお迎えしたいです。鶏も飼いたいなと思っています。

 現在のベイエリア生活で 不便を感じるとき  


ベイエリアに限らないかもしれませんが、子どもが運転できるまでは、どこにでも親の送り迎えが必要なこと。また日本の家族に何があってもすぐに駆けつけられないもどかしさはあります。

 現在のベイエリア生活で 不安に感じること  


移民への風当たりが強くなっていることを感じます。アメリカの中ではかなり安全な方とはいえ、銃やドラックとの距離の近さなどの面で、治安は日本とは比較にならないです。これもベイエリアに限りませんが。

 日本に郷愁を感じるとき  


温泉に行きたい!美味しい海鮮をたらふく食べたい!とは常に思っています。

 おすすめの観光地  


ようやく今年の夏、初めてヨセミテに行ってきました!混んではいましたが素晴らしかったです!

 永住したい都市  


医療と物価さえなんとかなればベイエリアは最高です。しかしいつかは日本に戻るのかなと思っていますが、夏の暑さに耐えられるか不安です。



5年後の自分に期待すること  


移住当初は慣れないことばかり、言葉の壁もあり、ほぼワンオペで、孤独を感じることも多かったですが、たくさんの方に支えられてきて今があります。その恩返しというか、かつての私と同じように、慣れないこの地で今頑張ってる若い方々を、なんらかの形でサポートできるようになれたらなと考えています。

プロフィール

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Mikiko Miyabe

在ベイエリア11年目、男子3人の母。元経営コンサルタント、国際交流プログラムコーディネーター。第一子妊娠を機に専業主婦に。友人には「自給自足を目指してる系の人」と紹介されます。歌、絵、ミュージカル鑑賞が趣味。

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