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自分だけの一杯で人を喜ばせたい 世界に挑戦するラーメン職人

2026.04.15

配信

「自分の力を世界で試したい」という思いから渡米したラーメン職人の佐々木大夢さん。日本の超有名店で腕を磨いた佐々木さんは、休日でもラーメンの研究を怠らない情熱を持ち続けている。そんな佐々木さんに、ベイエリアのラーメン業界や現在の暮らしについて話を伺った。



ベイエリアに住むことに なったきっかけ

日本でラーメンの技術を磨く中で、海外でも自分の力を試したいという思いが強くなり、アメリカでの挑戦を決めました。ラーメンは世界で評価される料理だと感じており、その中で自分の技術がどこまで通用するのか確かめたいという思いがありました。また、自分の味を通して国籍を問わず多くの人に価値を届けたいと考えたことも理由の一つです。

 ベイエリアに最初に来た時の印象  


最初は多様な文化や価値観が混ざり合っていることに驚きました。食に対する考え方も非常に自由で、日本とは違う部分が多いと感じましたが、本当に良いものはしっかり評価される環境だとも感じました。技術や品質に対する反応がダイレクトに返ってくる点も印象的でした。

 ベイエリアの今の印象  


挑戦する人にとって非常にチャンスの多い場所だと感じています。競争は激しいですが、その分、実力や継続的な品質が結果に繋がりやすい環境です。日本で培った技術をベースに、現地に合わせた形で提供できる点に大きな可能性を感じています。

ベイエリアに来て変わったこと  


日本ではラーメンの技術を磨くことに集中した生活を送っていました。長時間の仕込みや営業の中で、基礎や再現性、スピードを徹底的に身につけてきました。ベイエリアに来てからは、技術そのものに加え、それを文化や価値観の異なる環境の中でどう再現し、伝えていくかという視点が大きく変わったと感じています。

 あなたにとって、 ベイエリアはどんな場所ですか  


自分の可能性を広げられる場所だと考えています。簡単な環境ではありませんが、その分、挑戦する価値があり、自分の技術や経験をより高いレベルで試すことができる環境だと感じています。結果が正当に評価される環境だからこそ、常に成長を求められる場所でもあると思っています。


 どんなお仕事をされていますか  


現在、ベイエリアのラーメン店にてマネージャー兼キッチン責任者として勤務しています。日々のオペレーション管理、スタッフ教育、品質管理および衛生管理を担い、味・スピード・再現性のすべてにおいて高い水準を維持することを役割としています。加えて、チーム全体のパフォーマンス向上にも取り組み、安定した店舗運営と継続的な品質向上を支えています。

日本での経験  


日本では複数の評価の高いラーメン店で経験を積んできました。高校卒業後、TRYラーメン大賞3年連続受賞や食べログ百名店に選出されるなど、高い評価を受けていた「麺処ほん田」のラーメンを食べ、これまでにない衝撃的なおいしさに出会いました。この味を自分でも再現できるようになりたいと強く思い、どうしてもほん田で働きたいという思いから、朝から晩まで店舗の前に立ち続け、何度もお願いを重ねた末、入社の機会をいただきました。基礎から応用まで徹底的に学び、その後、さらなる創造性を求めて、TRYラーメン大賞汁なし部門1位や食べログ百名店に選出されている「ハンディクラフトワークス」へ移り、店舗統括マネージャーとして店舗運営、人材育成、マーケティングに携わりました。



また、催事出店やめざましテレビなどのメディア対応にも関わり、対外的な発信にも関与してきました。繁盛店における再現性やスピード、現場対応力を実践の中で磨き、新店舗の立ち上げにも関わることで、料理人としての技術だけではなく、マネジメントおよび事業運営の視点も身につきました。

 ラーメン職人を 目指したきっかけ  


福島県出身ということもあり、喜多方ラーメンや白河ラーメンなど、幼い頃からラーメンが身近な存在でした。ラーメンの道を志したきっかけは、小学校の頃に地元で見たラーメン職人の湯切り姿でした。その光景を「かっこいい」と直観的に感じたことが、この仕事を目指す原点になっています。  

ラーメンの世界に飛び込んでからは、高い基準を求められる環境の中で、スピード、正確性、そして創造性を同時に求められたことが最も苦労した点です。しかし、その経験を通して、どのような状況でも安定して高いパフォーマンスを発揮できる力を身につけたと思います。そんな中で、「自分にしか作れない一杯で人を喜ばせたい」と考えるようになりました。ラーメンはシンプルに見えて、技術・経験・思想がすべて反映される料理です。その奥深さに魅力を感じ、この道を続けています。  

アメリカのラーメンを どう思いますか  


アメリカのラーメン業界は年々レベルが向上しており、多様性のある非常に成長性のある市場だと感じています。一方で、日本の味をそのまま提供するだけではなく、現地のお客様にどのように価値として伝えるかが重要だと考えています。その中で、自分の技術や経験を通じて日本のラーメン文化を広げていくこと、さらに新しいジャンルや表現を生み出していくことに大きな意義を感じています。

 ラーメン職人として 大切にしていること


 「当たり前のことを当たり前にやり続けること」です。仕込み、清掃、チームワークといった基本を徹底することが、最終的に一杯のクオリティーと店舗の信頼につながると考えています。

あなたにとって仕事とは?  


自分の生きがいであり、専門性を高め続け、その価値を証明していく場だと考えています。同時に、チームやお客様に良い影響を与えるための手段でもあります。

 子供の頃なりたかった職業  


幼い頃から料理や物づくりに興味があり、自分が作ったもので人に喜んでもらえる仕事に就きたいと考えていました。その延長線上に現在の仕事があります。

 もし、いまの仕事に就いて いなかったら  


大工や建築関係の仕事に就いていた可能性があります。東日本大震災を経験し、人の役に立てる仕事に携わりたいと強く感じたためです。

 休日はどんなふうに 過ごしていますか  


妻とショッピングをしたり、外食をして他店のラーメンや料理を研究することが多いです。味だけでなく、オペレーションや提供スピードなども含めて学ぶようにしています。また、自分の課題を整理する時間にもしています。

 ベイエリア、および 近郊で好きな場所  


自然と都市のバランスが取れているところが好きで、スタンフォードやパロアルト、サンタクララ、海や公園など、リフレッシュできる場所によく行きます。短時間でも環境を変えることで、仕事の集中力を維持するようにしています。



 もし、100万ドル 当たったとしたら  


まずは、自分の技術や知識をさらに高めるために投資したいと考えます。環境を整えることや、より高いレベルの経験を積むことに使い、長期的に価値を生み出せる形にしたいです。また、その一部は日本の小児医療への支援に充てたいと考えています。

 日本に戻る頻度  


仕事の状況にもよりますが、可能なタイミングで1、2年に一度帰国し、技術やトレンドのアップデートと、心身リフレッシュを意識しています。

 日本に郷愁を感じるとき  


日本の食文化に触れたときや、細かい気配りやサービスを感じた時に強く感じます。特に、当たり前のように高い基準が保たれている環境に触れると、日本で積み重ねてきた経験の大きさを改めて実感します。

 5年後の自分に期待すること  


自分の技術や経験をさらに高いレベルに引き上げ、どの環境でも安定して価値を提供できる存在になっていることを期待しています。

プロフィール

/

Hiromu Sasaki

福島県生まれ。日本で本格的なラーメン技術を磨き、修行と店舗立ち上げを経験。仕込み・製麺・スープに加え、スタッフ育成や店舗運営にも携わる。現在はベイエリアで日本のラーメン文化を現地に伝え、品質管理と現場オペレーションの中核を担っている。

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