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エンジニア X 製麺屋 仕事も趣味も人生そのもの

2025.04.30

配信

組み込みエンジニアとして活躍する傍ら、製麺所も経営している打田昇太郎さん。スティーブ・ジョブズに憧れ、強い希望を持ってベイエリアに移住してきた打田さんに、現在の暮らしや仕事などについてお話を伺った。



ベイエリアに住むことに なったきっかけ

初めて住み始めたのは2014年、スティーブ・ジョブズに傾倒し、シリコンバレーに行きたいとしぶとく周囲に漏らしていたところ、友人に声をかけてもらい、ベイエリアのスタートアップ企業にエンジニアとして参加したのがきっかけでした。その約2年後にビザの関係で一度日本に帰ることになり、2018年に改めてベイエリアに戻ってきてからはずっと住んでいます。 

 ベイエリアに最初にきた時の印象  

移住するまでずっと東京や神奈川の都市部に住んでいたので、広くて天気が良く、ほぼ毎日を車で移動するような生活が新鮮でした。 

 ベイエリアの今の印象  

ずいぶんと全体的に人口も増えて物価や家の値段も上がったなという印象です。特にサウスベイは10年前と比べると、やや住みにくくなってきたなと。数年前にノースベイに引っ越したきっかけの一つでもあります。

 あなたにとってベイエリアはどんな場所?  

コンピューターの歴史上のレジェンド的な存在の人達と普通に一緒に働ける場所。 

 どんなお仕事をされていますか?  

今はプロの音楽アーティスト向けの録音機材を作る会社に、ソフトウェアエンジニアとして勤めています。メインの仕事としてソフトウェアエンジニアを続ける傍ら、サイドの活動としてラーメンの麺をレストランの代わりに作る小さな製麺所をしています。 

 専門分野について教えてください  

ソフトウェアの中でも組み込みソフトウェアという分野で、半導体と隣り合わせのソフトウェアを書いています。かつてはシリコンバレーという名前の通り、この地でとても身近であった分野ですが、今となっては人口が少なくなったなと感じます。 

 その道に進むことになった きっかけ 

 『Quake』というゲームに衝撃を受け、そのメインプログラマーだったジョン・D・カーマックに憧れて小学生の頃からゲームプログラマーを目指して勉強していました。しかし、中学卒業後に進んだ高等専門学校(高専)で電子回路や半導体などに触れ、目の前の物理的な物が自分の書いたコードで動くことということに夢を感じるようになり、それ以来、組み込み一筋になりました。

 英語を使って仕事を することについて  

プロとしてのキャリアの大半を英語を使って仕事をしていたため、今となっては日本語を使って仕事をする自信がないです。つい最近久しぶりに日本語を使って仕事をする経験をしましたが、日々コミュニケーションに悩んでいました。日本語はウェットなコミュニケーションを要求されることが多いのかなと感じ、その点英語、特にアメリカにおけるビジネスのカルチャーのほうが良い意味でドライで仕事がしやすいと感じました。 

 英語での成功体験、失敗体験  

子どもの頃、なぜかパソコンしか買い与えられず、ゲーム機を所持していなかったので、ある種仕方なく英語を使うようになり(当時のパソコンのゲームは英語ばかりでした)、その後のプログラミングの勉強でも英語がほぼメインでした。その延長で英語教室にも通ったりしたおかげで、日本に住んでいた時から英語に対しての不安は全くありませんでしたが、初めて実際にアメリカに住んで、毎日のように同僚と会話をするようになった時、日本では決して感じなかった、英語が自分の一部になっていく感覚がありました。アメリカに移住しなければ決して今のレベルには上達できなかったと感じてます。  

失敗体験というのはあまり思い浮かばないですが、いまだにアメリカンジョークをさらっと言えるようにはなかなかなれないなと思っています。 

 あなたにとって仕事とは?  

仕事は常に戦い。ですが同時に、仕事でも趣味でも、自分の生み出したものはアート作品のようなものだと思っています。なので、人生そのものです。 

 子どもの頃になりたいと思っていた職業、理由も教えてください  

ゲームプログラマーです。小学校2年生のときには既にそれを目指して勉強していたと思います。理由は今も昔も変わらずゲームが大好きだからです。ただ、さらに幼い頃は料理人になりたいと思っていたようです。 

 もし、いまの仕事に就いていなかったら  

たぶん料理を本業にしていたかなと思います。 どんなおうちに住んでいますか?  数年前までサウスベイの小さな一軒家に住んでいましたが、数年前にサスーン・シティーという場所に引っ越し、少し大きめの一軒家に住んでいます。ここは広義にはベイエリアに含まれるのですが、サウスベイから車で1時間半はかかる場所で、経済圏としてはどちらかといえばサクラメントに属しているかなと思います。家がちょうど沼地の畔に建っていて、桟橋から船を出せるようになっています。とても静かで人口も少なくて落ち着いた場所です。

 休日はどんなふうに 過ごしていますか  

ラーメンを作ったりBBQをしたりして、たまに友人を沢山家に招いてパーティーをしたりしています。 


 よく利用する 日本食レストランはどこですか?  

パロアルトを通ることがあれば高確率でラーメン凪に行きます。 

 もし、100万ドル 当たったとしたら  

ジョシュアツリー国立公園の近くに別荘を買います。 

 日本に戻る頻度  

1〜2年に1回程度です。 

 最近日本に戻ったときに 感じたこと  

10年前からあまり物価が変わっていないことに驚きました。円安も相まって日本が悪い意味でリーズナブルな国になってしまったなと感じました。ようやく少し値段が上がったとはいえ、あの値段であのクオリティーのラーメンを提供し続けられていること(その裏でどれだけの労働力がかかっているか多少分かるがゆえに)に考えさせられてしまいます。

 日本へのお土産  

ワインが一番喜ばれるかなと思っていつも持って行きます。 

 日本からベイエリアに持って帰ってくるもの  

大量のコンビニのお菓子とカップ麺、1年分の乾物。 

 現在のベイエリア生活で、 不便を感じるとき  

おいしいうどん屋がほとんど無いこと。また、ノースベイに引っ越したのでアジア系(特に日系の)スーパーがやや遠くなってしまったのは若干の不便を感じます。 

 日本に郷愁を感じるとき  

2018年にベイエリアに戻って以来、日本で正月を過ごしたことがないので、年末年始になると懐かしく感じます。

 おすすめの観光地  

少し遠いですが、ジョシュアツリー国立公園ほど素晴らしい場所はないです。 

 永住したい都市  

いつかサンディエゴに永住したいです。 

 5年後の自分に期待すること  

もう少し痩せていてほしい。

プロフィール

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Shotaro Uchida

昭和64年東京生まれ。組み込みエンジニア兼パートタイム製麺屋。東京高専卒業後、大学へ進学することなくスタートアップ企業に就職。その後、別のスタートアップ企業に転職するタイミングで渡米。一度は日本に帰国となってしまうが、その後運良く再度渡米し今に至る。

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