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多様な価値観に触れる 寛容さと自分らしさを得られる場所

2025.11.19

配信

2004年に仕事でベイエリアに移住した佐藤達也さん。半導体製造装置メーカーにいた佐藤さんは、当時装置群の導入が盛んだったことを背景にエンジニアとしてやってきたのだそう。ベイエリアには多様な価値観があり、横並びの感覚が破壊されると話す佐藤さんに、現在の生活や仕事について話を伺った。



ベイエリアに住むことに なったきっかけ

2004年に仕事がきっかけで渡米しました。2000年に外資系半導体製造装置メーカーに就職し、日本の客先の半導体工場に入りびたりで装置の現場サポートをしていました。当時は世界初の未成熟な装置群を大量に導入していた時期で、開発部門と相談しつつ現場で問題解決する業務が多く、それを足がかりに同部門のエンジニア職を得て移住してきました。ベイエリアは親戚が住んでいたり姉が留学で来ていたりで、私自身は知っている場所だったので精神的なハードルは高くありませんでした。

ベイエリアに最初にきた時の印象  


自然が混ざった街並みも気候も好みでしたし、仕事も顧客の現場で働くよりのんびりしており、とても気に入りました。ただしばらくして、リスクを取ってうまく成功した人たちを見聞きしているうち、自分の横並び感覚とは違う思想を持つ人々が集まっている地域なんだと感じました。

ベイエリアの今の印象  


生活でもビジネスでも競争が激化していて、自分の意思に関係なく大きな流れに漂わされる場所という印象です。特に物価については、穴のあいたバケツで生活しているような感覚ですね。日本で生活していた時の金銭感覚がいまだに残っているので、脳が焼けます(笑)。

 あなたにとって、ベイエリアはどんな場所?  


横並び感覚が破壊される場所ですね。人々の価値観の振れ幅が大きいから多様性を受け入れるようになるし、多様性が受け入れられるから自分の振れ幅も大きくなるような感じがします。

 どんなお仕事をされていますか?  


Applied Materials, Inc.という半導体製造装置メーカーでプロセスエンジニアとして勤務しています。トランジスタゲート周りに金属膜をつける装置群の開発業務を担当しています。先端半導体チップには微小なトランジスタが何十億個と集積されており、その個々がスイッチの役割を担い機能しています。良品のチップとして製品となるには、その金属膜は無数の制約条件を満たさないといけません。そのために膜の厚さ、組成、副生成物の影響などを高い精度で制御する製造技術が必要になりますが、そこがプロセスエンジニアが担当する業務です。電子や原子の挙動を、機械的、化学的、電子的、量子的な仮説をもとに実験で検証し、その成果を製品に反映させる仕事をします。チップ製造全体のうちの一部の工程の例を挙げましたが、全体では1500を超える工程を経て最終製品が出来上がるので、良品を製造する困難さが少しご想像いただけたかもしれません。

 その道に進むことになったきっかけ  


大学院での研究テーマは凍結の制御でしたが、正直なところ深い情熱は持てなかったので、就職を機にもともと興味があった産業用装置企業などを模索し、半導体業界の門戸をたたきました。

 英語を使って仕事をすることについて  


私の場合はやりやすかったと思います。論理とデータがあれば言葉を補うことができる職種でしたので、しばらくして英語の仕事環境にソフトランディングできました。

 英語での成功体験、失敗体験  


“Doubt”と“Suspect”の理解度が低かったために失敗したことがありました。ディスカッションでグループの意見が真っ二つに分かれていたとき、自分はこうだと思うと主張するのにDoubt(こうだと思わない)を連発して混乱を招きました。

 あなたにとって仕事とは  


新しい世界を見せてくれるライフワークです。

 もし、いまの仕事に就いていなかったら  


モノづくりの過程で“なぜこうなるのか”を突き詰めるのが好きなので、何らかの製造業で技術職をしていたと思います。

 現在、どんなおうちに 住んでいますか?  


10年ほど前に購入した4ベッドルームの一軒家に住んでいます。

 休日はどんなふうに 過ごしていますか  


たまにローカル・ブルワリーを訪れ、ゆっくりと過ごすのが夫婦の趣味です。麻雀の全自動卓を持っているので、定期的に知人と麻雀を打ったりします。

 ベイエリア、および近郊で好きな場所はどこですか?  


ロスガトス、サンタクルーズ、リバーモアなどが好きですね。 お気に入りのレストランは  夫婦ともにサワーエールが好きなので、サンタクルーズの「Sante Adairius Rustic Ales」に定期的に通っています。食事もビールもとてもおいしく、開放的な雰囲気も気に入っています。

 もし、100万ドル当たったとしたら  


もし100万ドル当たったら、住宅ローンの返済に半分、日本で不動産購入に残りの半分使いたいです。気軽に日本に行き来できるようにしてみたい。



 日本に戻る頻度  


毎年夏に3週間ほど帰省しています。互いの実家が兵庫県と青森県なので、Japan Rail Passで本州を縦断しつつ、ついでに日本各地を旅しています。

 最近日本に戻ったときに 感じたこと  


夏の間に数週間滞在すると、クラフトビール、ワイン、メキシカン、ベトナム料理、涼しい気候やコストコが恋しくなり、長いアメリカ暮らしで自分は変わったのだなと感じます。

 日本へ持っていくお土産  


カリフォルニアワインやトレーダージョーズの雑貨やナッツ類をよく持っていきます。ワインはとても喜ばれますね。


 日本からベイエリアに 持って帰ってくるもの  


帰省先や旅先で手に入れた地酒を好んでもって帰ります。

 ベイエリア生活で 不便を感じるとき  


特にありませんが、オンラインで用事が済ませられることが増えたり、100均、ユニクロ、食料品店、ZipAir就航など、不便は減って、むしろすごい便利になっていると感じています。

 ベイエリア生活で不安に感じること  


物価の上昇です。

 座右の書  


20代の頃に読んだ大前研一著『サラリーマン・サバイバル』です。ほかにも本は乱読しましたが、会社の同期と内容を議論して仕事のモチベーションにしていたので印象に残っています。

 最近読んで印象に残っている本


『嫌われる勇気』です。人間の悩みと幸せについて書かれたアドラー心理学の本、とインターネットの評判をみて買いましたが、10代の時に読みたかった本でした。あまりに思春期の息子に読ませたかったので英語版を与えたら、「すごい本で何周も読みまくった、ありがとう!」と感謝されました。

これまで見た中で影響を受けた映画  


『ニュー・シネマ・パラダイス』です。美しい映画で、いまだに引き合いに出される名作ですが、多感な10代の頃に見たので強く印象に残っています。

 最近観て印象に残っている映画  


ドラマシリーズですが、『ブレイキング・バッド』と『ベター・コール・ソウル』が好きです。

 座右の銘  


「Where there’s a will, there’s a way」意志あるところに道は通ずる。

プロフィール

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Tatsuya Sato

1975年生まれ、50歳。兵庫県神戸市出身、北海道大学で修士課程修了ののち、2000年にApplied Materials Japan, Inc.に就職。2004年から現在に至るまで本社勤務。在米22年目、5人家族(長男22、次男17、長女6)+猫1匹。サンノゼ在住。趣味は料理、ブルワリー巡りなど。

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