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船の現場からシリコンバレーへ 挑戦の熱に満ちた場所

2026.03.04

配信

海運会社で働く大西馨子さんは、2024年にCVCへの出向という形でアメリカ生活をスタートした。生まれ育った東京と違い、最初は娯楽の少なさに戸惑ったというが、今ではその「何もなさ」が心地良いという。そんな大西さんに、ベイエリアでの暮らしについて話を伺った。



ベイエリアに住むことに なったきっかけ

会社のCVC(コーポレート・ベンチャーキャピタル)に出向する形でスタートアップへの投資業務・新規事業開発・R&D活動をミッションに、2024年10月からベイエリアに駐在しています。海運会社×シリコンバレーという、やや不思議な組み合わせの最前線にいます。

 ベイエリアに最初にきた時の印象  


娯楽が少な過ぎてびっくりしました。「週末、みんな何してるの…?」と本気で思いました。

 ベイエリアの今の印象  


その“何もなさ”が、今ではむしろ心地よくなっています。娯楽が少ない分、この地で働く人たちは技術開発や起業を通じて、常に新しいアイデアを考え、形にしようと挑戦しています。そのエネルギーを仕事を通して間近に感じられることが、日々の大きな刺激になっています。私自身も娯楽の誘惑が少ない分、自分にとって本当に大切なものや仕事で成し遂げたいこと、時間の使い方を選べるようになった気がします。とは言いつつつ、東京に帰ると、ものやコンテンツ量に圧倒され、アメリカで眠らせていた消費欲が一気に目を覚まし、気づけばしっかり爆買いしています。

 あなたにとってベイエリアはどんな場所ですか  


一見、キラキラしていて競争も激しくドライな世界という印象はありますが、学歴やスキルはもちろん、何より人脈や人としての信頼、意志をいつも問われるウェットで泥臭い世界だなと感じます。日本では、会社で与えられた業務を淡々とこなしていた自分にとっては、あなたは何がしたいのか、できるのかを常に問われる修行の場です。


 


 どんなお仕事をされていますか  


主にクリーン・テック分野のスタートアップへの投資業務や、新規事業開発、舶用技術やAI/ロボティクスに関する技術調査、およびオープンイノベーション活動を行っています。海外駐在は希望していましたが、今の部署への異動は希望していたわけではなく、最初に打診された際はびっくりしました。日本にいたときは全く想像も付かなかった仕事で、今でも日々勉強中です。

 専門分野について  


大学では機械工学を専攻し、会社では船の設計・建造・品質管理・DX化に関する業務を行っていました。今治での造船所駐在や2カ月の乗船も経験しました。今でもきれいな会議室よりも、少し汗臭く汚い現場のほうが落ち着きます。

 その道に進むことになった きっかけ  


小さいころから飛行機やスペースシャトルなど、とにかく大きな機械が好きでした。進学した大学の研究室で船に関する研究を行い、船というモビリティーとビジネスとしてのスケールの大きさに魅了されて海運会社を就職先を選びました。

 英語を使って仕事をすること  


日本語が文章でのやり取りや記録を重視するのと異なり、英語圏の口頭でディスカッションや情報交換を重視する文化に慣れるのが未だに大変だと感じます。伝えたかったニュアンスを瞬発的に言えずに反省する日々です…。この仕事の仕方にもなるべく適応できるように頑張りつつ、自分が得意なやり方にどう持ち込むかを模索中です。

 英語での成功体験、失敗体験  


「Kaoruko」という名前は、音節が多すぎるという問題に直面しました。ニックネームを検討した時期もありますが、意外と皆さん頑張って発音してくれると気づき、最近はそのまま呼んでもらうようにしています。自分の名前をちゃんと呼んでもらうのは、小さな成功体験です。

 あなたにとって仕事とは  


世界との接点であり、社会の中で自分の輪郭を確かめる営みです。

 子どもの頃になりたかった職業  


宇宙飛行士になりたいと思っていました。アポロ13という映画が大好きで、絶体絶命の緊迫したトラブルの中、全関係者が無事に帰還するという一つのミッションに向かって全力を尽くす場面の一人になりたいと思っていました。10代になって真空空間は怖いという意識が芽生え、地球で働くことに方向転換しました。

 もし、いまの仕事に就いて いなかったら  


海外小説を読むのが好きなので、翻訳家になりたいです。 休日の過ごし方  長期休みは北米・南米を中心に旅行に出かけますが、土日休みのうち最低1日は家で一人ゆっくりします。本を読んだり、YouTubeやバスケ中継を見たりして(主にBリーグですが)エネルギーを充電しています。

 ベイエリア、および近郊で 好きな場所  


スタンフォード大学を散歩するのが好きです。広い空の下で気持ちも良く、ちょっと賢くなった気分になれます。


 


 もし、100万ドル 当たったとしたら  


世界一周旅行に行きたいです。南極に行くのが夢です。 日本に戻る頻度  1年に1回から2回くらいです。

 最近日本に戻ったときに 思ったこと  


サービスやモノのクオリティーの高さに驚きました。丁寧さや細やかさが当たり前に提供されていることに、日本のすごさを感じます。一方で、アメリカのややおおらかな(?)サービスやモノに慣れて期待値の下がった自分にとっては、そこまで頑張らなくてもいいのに…、と思ってしまいました。

 日本からベイエリアに 持って帰ってくるもの  


コンビニのお菓子とカップ麺、そして入浴剤をたくさん買って持って帰ります。

 ベイエリア生活で 不便を感じるとき  


車でないといけない場所があるとき。駐車場がなかなか見つからないとき。

 日本に郷愁を感じるとき  


家に食材がないときに歩いて行けるコンビニに無性に行きたくなります。今治の美しい瀬戸内海と美味しい海鮮もとても恋しくなります。

 座右の書  


星野道夫著『旅をする木』。アラスカでの生活を綴ったエッセイです。アラスカという、人間がどうやってもかなわない大自然の中での生活や旅、作者が感じたことが描かれています。自分が他人や自然とどうやってちょうど良い距離感を持って関わっていくのか、そしてその関係性や景色の変化をどう感じながら暮らしていくのか、私にとって1つの指針を示してくれる、何度も読み直す本です。

 最近読んで印象に残っている本  


ヤア・ジャシ著『奇跡の大地』。アフリカ奴隷貿易時代から現代まで、約300年間何代にもわたり命を繋げてきた黒人家族の物語で、丁寧にそして時に残酷に描かれています。一人ひとりの人生を読み終わった後に長い人類の物語だったことにはっと驚かされます。また、最後に描かれる現代の若者はスタンフォード大学に通っているという設定で、シリコンバレーという自分と同じ場所での描写が、他人事ではない個人的なつながりを感じたもの印象に残っています。

 5年後の自分に期待すること  


世の中の価値観が大きく変わる場面をしっかり自分の目で見ながら、自分の大切なことや視点を持ち続けられる人になりたいです。仕事では、変化に慎重な組織の中で、新しい技術や考え方を取り入れるための橋渡しができる存在になりたいです。

プロフィール

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Kaoruko Onishi

1994年生まれ。東京育ち。大学で機械工学を学んだ後、海運会社に就職。主に船の設計や建造に関わり2024年10月より米国赴任。スタートアップ投資業務や新規事業・R&D活動を行っている。旅行とバスケ観戦が好き。

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