2014年に駐在員として渡米した新井仁さん。ベイエリアに来たばかりの時はこれからの生活にワクワクしたという。それから10年以上経った今の生活や仕事について、お話を伺った。

ベイエリアに住むことに
なったきっかけ
2014年4月に当時勤めていた日本企業の米国事業の立ち上げで駐在したのがきっかけです。大変なこともありましたが、何もかもが気に入り、息子に将来日本に住むか米国に住むかを自分で選べるようにしてあげたいという思いから、2018年にグリーンカードを取得しました。その後、米国内で転職し今に至ります。
ベイエリアに最初にきた時の印象
渡米間もなくのある日の夕方、101号線のバーリンゲームーサンマテオ間あたりをクルマで走っているときに、これからの生活にすごくワクワクしたのを覚えています。ロサンゼルスやニューヨークとも違う、適度に田舎、穏やか、それでも世界の変化の中心地である、という環境に楽しみしか感じていませんでした。

ベイエリアの今の印象
移住した10年前はイノベーションの中心地という言われ方でしたが、10年経っても引き続きAIによる世界の革新を起こす中心地のひとつとして、その存在感を維持し続けているのはすごいことだな、と思いますね。特に最近は私が日本で過ごす時間も増えているので、ある程度客観的にも見られていると思いますが、その印象は変わりません。世界中から優秀な人材が集まり、お互い切磋琢磨している場所、という印象です。
あなたにとってベイエリアはどんな場所ですか?
最近日本で時間を長く過ごしてこちらに戻ると「帰ってきたな」と思えますし、引き続き関わり続けていきたいと思える場所です。ベイエリアは「人を惹きつける土地」だと思っていて、過去に生活してきた街にそういう場所がなかったので、とても新鮮です。横浜で生まれ育ち東京で仕事をしていたので、日本ではそもそも人が集まる都会にしかいたことがなかったから気が付かなかっただけかもしれませんが。
どんなお仕事をされていますか?
現在は「未来の住生活を創造する」というミッションを掲げるHOMMA Groupで、住体験を構想し、エンジニアやデザイナー、建築士とともにそれを現実に作り出す仕事をしています。
その道に進むことになったきっかけ
「楽しい」と思えることをそれぞれ突き詰めていった結果です。自分にとってあまりに自然な流れだったので「きっかけ」といえるようなものはなかったですね。
英語を使って仕事をするということについて思うことは?
自分の限界というか境界を越えて仕事ができるようになると感じています。自分とは異なる国、文化、背景、ライフスタイルの人たちと働いていると、今まで自分に見えていなかった領域、感じることができなかった印象を得ることができ、より幅広い視野で物事を捉えられるようになったと思います。
英語での成功体験、失敗体験があれば教えてください
笑い話ですが、私がフルマラソンを走る前に当時の英語しか話さない上司に「Break your leg!」と言われた際に意味が分からず「どういう意味? 怪我しちゃえ、ってこと?」と真面目に聞き返して爆笑されたことがあります(実際にはGood luck! 的な意味合いで応援してくれていました)。
あなたにとって仕事とは?
仕事=商売=自分の価値の認識手段、ですね。小売業をして思うのは「お金を頂く=価値を提供する」ということ。相手が喜んでくれたり幸せを感じてくれたりすれば対価=お金をいただける。給与は会社からもらうものですが、会社は給与の原資をお客様から得ています。最終的には、お客様がいかに幸せになるかで自分がどれだけ対価を得られるかが決まるので、周りの人を幸せにしつつ自分が対価を得られるようになりたいなぁ、と思っています。
子どもの頃になりたかった職業
パイロットに憧れていました。父が航空関連の仕事をしていた関係で小さいころから飛行機によく乗っていたこともあり、空を飛んで世界中を飛び回る仕事に憧れがあったのかもしれません。

休日はどんなふうに
過ごしていますか
ランニングやマラソンが趣味なので、長めの距離、時間で走りに出ることが多いです。またラーメンが好きなので、ベイエリアに新しいラーメン屋さんがオープンすると試しに行きます。
ベイエリア、および
近郊で好きな場所
SFO|バーリンゲームーフォスターシティー|レッドウッドショアズと、ずっと続くインナーベイ側のベイトレイルはお気に入りのランニングコースになっています。それと頻繁にはいけませんが、ゴールデンゲート・ブリッジ北側のマリン・ヘッドランズは大好きですね。晴れた日に行くと、とてもサンフランシスコらしい景色が見られます。
お気に入りのレストランは
ラーメンならRamen Hajime、ステーキならAlexander by the Sea、ハンバーガーならIn-n-Out(息子はThe Habitが好きなのでどちらに行くかよく論争になります)、和食ならKemuri。
日本へのお土産は
何を持っていきますか?
最近喜ばれたのはタコス用の小さめのソフトトルティーヤです。日本ではまず手に入らず、でもタコスの具材は日本でも調理できるので、それを使ってタコスパーティをしたらとても喜んでもらえました。次回もまた買ってきて、と友人からお願いされています。
日本から持って帰ってくるもの
コンビニのもの、特に甘い菓子パンなどですね。空港で買いこんで、つぶれないように工夫してスーツケースに入れて運びます。
現在のベイエリア生活で不便を感じるとき
あまり感じないですね。昔はインターネットが切れたり、ちょっとした雨ですぐ停電したりなどありましたが、最近はインフラも強くなりましたし、通勤しなくなった(現在の会社はオフィスレス)ので通勤渋滞も経験していないですし。良いところばかり目立っています。

現在のベイエリア生活で不安に感じること
東京で過ごす時間が増えていて感じるのは、やはり治安です。むしろ東京のほうが例外的に異常に安全なのだと思いますが、サンマテオでも銃関連の報道を聞くことがあります。ただ、全米の視点で見たらベイエリアも(一部を除き)とても安全な方なのだろう、とも思います。
永住したい都市
ベイエリアは候補の上位に来ますね。特にサンマテオ近郊はサンフランシスコほど寒くなく、サンノゼほど暑くなく、治安も良いし、ベイエリアの中でも特に穏やかです。あと、日本では博多に住んでみたいと思っています。食事も美味しいしアジアの文化も流れてきていますし、適度に都会かつ穏やかです。
5年後の自分に期待すること
5年後だと50代に入っていますが、現役バリバリで仕事をしていたいと思います!
プロフィール
新井 仁
/
Jin Mario Arai
Head of Product, HOMMA Group, Inc.
ソフトウェアエンジニア、ITコンサルタント、新規事業開発、小売業のDX担当や米国法人の立ち上げ、および経営を経て現職。テクノロジーによる人の幸せの実装、がライフワーク。