ベイエリア生まれのリョーヴィン・アレックスさんは、若干12歳でアメリカ代表としてBMXの世界選手権に出場する若きレーサー。学校に行っている時以外はほとんど自転車に乗っているという彼に、BMXについて、またベイエリアでの暮らしについて話を伺った。
どんな活動をされていますか?
現在、中学生ですが、学校に行っている時以外はほとんどBMX(バイシクル・モトクロス)という自転車に乗っています。平日は、学校が終わったら宿題をまず終わらせて、BMXのトレーニングをします。週末は、ナパやサクラメントなどにあるレーストラックで試合に出ています。
普段のトレーニングでは、スピードを上げる練習だけでなく、ジャンプや、マニュアルといって前輪を浮かせるスキルなど、いろいろな技を身につけていくのが楽しいです。
僕は緊張するタイプですが、レースをするようになって少しは度胸がついてきたと思います。レースではスタートゲートに立つ時が一番ドキドキします。特に、自分よりも強そうな相手がいると意識してしまい、緊張がさらに高まりますが、そういう時は「これは自分へのチャレンジだ」と考え直すと緊張がやる気に変わります。
今年5月には、サウスカロライナ州で開催された世界選手権にアメリカ代表として出場しました。当日は大雨が降る難しいコンディションの中、対戦相手は世界中から集まった速い選手ばかり。会場に着いた時は緊張と不安でいっぱいでしたが、父が「これを経験したらもう怖いものはないよ」と言ってくれ、チャレンジ魂に火がつきました。結果は残念ながら予選敗退でしたが、最初から最後までワクワクしながら自分の走りができ、また、世界の速さというのを肌で感じられた最高の経験となりました。いろいろな国の代表選手と交流できたのも楽しかったです。
BMXについて詳しく教えてください
BMXレースは、ジャンプ台やコブなどがある400メートル程のコースを8人で一斉に走り、順位を争う自転車競技です。時には相手とぶつかることもあり、自転車の格闘技と言われるくらいの激しさがあります。乗っている人も見ている人も興奮する競技だと思います。
BMXをはじめたきっかけ
先にBMXレースをしていた友達が、僕が自転車に乗るのが好きなのを知って誘ってくれました。
あなたにとってBMXとは?
日々の練習や試合での悔しい思いなど、BMXのすべてが僕を強くしてくれます。
将来なりたい職業は?
エンジニア。驚くような、楽しいものを作れる仕事がしたいです。
日本語を使うことについて
家では両親とは日本語、妹とは英語を使います。日本が大好きなので、もっと漢字を覚えて日本語での読み書きが上手になりたいです。
ベイエリア、および近郊で好きな場所はどこですか?
ナパにあるノースベイBMXというレーストラックと、遊園地のグレートアメリカです。
お気に入りのレストランは
ファーストフードですが「Popyes」のチキンサンドイッチが好きです。
よく利用する日本食レストランはどこですか?
「ひのでや」ラーメンのあさりラーメンが好きです。
もし、100万ドルが当たったとしたら
家の近所にBMXのレーストラックを作ると思います。
日本に戻る頻度
年に2回、夏休みと冬休みに、母の実家がある北海道に行きます。
現在のベイエリア生活で、不便を感じるとき
日本と違って、街中など一人で行動できないところ。日本では一人でコンビニに買い物に行くのがいつも楽しみです。
5年後の自分に期待すること
世界選手権で表彰台に上がれるように頑張りたいです。
最近読んで印象に残っている本
『Ace of Spades』です。あまり仲良くなかった二人の人物が、同じようないじめにあうことで協力し合うようになるストーリーで、ドキドキしながら一気に読みました。
これまで見た中で影響を受けた、または印象に残っている映画
『Inside Out』です。『Inside Out 2』もこれから観るのが楽しみです。
最近観て印象に残っている映画
『Rad』というBMXレースの映画です。
自分を動物にたとえると?
ハムスターです。体は小さいけれど、高速で足を動かすところが似ていることから、レースに出る時のニックネームでもあります。
座右の銘
“You will face many defeats in life, but never let yourself be defeated.”(人生でたくさんの敗北に直面するでしょう。でもそれに負けてはいけません) というマヤ・アンジェロウの言葉です。
プロフィール
リョーヴィン・アレックス
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Alex Lyovin
ベイエリア生まれ、12歳のBMXレーサー。日本人の母と日米ハーフの父、妹の4人家族。8歳から始めたBMXレースにのめりこみ、今年5月にサウスカロライナ州で開催された世界選手権にアメリカ代表として出場。