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総領事だより

2024.10.02

配信

公邸での設宴② 〜「食」と「お酒」と〜

今回は公邸で出す「食」と「お酒」について。井川宗隆公邸料理人は香川県出身でパリで数年間武者修行した職人。物価の高い当地で工夫しながら料理に和洋の意匠を凝らし、季節感や五感に訴える料理を作ってくれます。特に主菜の肉の扱いは素晴らしく、その「食感」は唸らせます。デザートの頃に挨拶に来てもらうとお客様から拍手が湧き、「おもてなし」にはおいしい食事に勝るものはないと感じる瞬間です。

そして、食事を引き立て会話を滑らかにするためにお酒は欠かせません。日本のお酒の輸出振興は国の政策で、私としても気を振るうところです。日本酒は杜氏等造り手とその地方の文化があるので、お客様のその地方の「ご縁」を大切にしています。例えばJETプログラムを角館市で経験した女性政治家には秋田のお酒を、日系米国人には祖先の「故郷」の広島等のお酒を出しています。また、気泡性の酒ということで、ビールに加えスパークリング・サケにも力を入れ公邸でお出ししますが、反応はとても良く大きなポテンシャルがあると感じています。

なお日本のウィスキーの誉は高く大変喜ばれます(焼酎・泡盛は売り込みの「成功の方程式」を模索している段階でアドバイスを歓迎します)。井川シェフの料理に合わせワインをお出しする際には、公邸という性格に鑑み、カリフォルニア・ワインでも日本と何らかの関係があるものを中心に使っています。また日本産のワインについては、日本酒の杜氏のあの職人気質が同じように宿っているとすれば、日本の新世代のワインの造り手が世界に名を馳せる日も遠くないとの期待を込めて米国人相手にお出しし評判は上々です。「おいしさは国境を越えます。

しかし、そもそも飲む価値を感じてもらうにはそこに“フィロソフィー”つまり、一貫した語れるものがないといけない」私は47都道府県全てを訪れましたが、日本の地方には良質のストーリー、良質のフィロソフィーが詰まっており、その魅力は世界的な価値を持っていると思います。世界からの訪問客が全国に遍き、それにより新しい交易が拡がり日本の経済がスケールアップしていく、そのようなことに繋がっていけばと考えている次第です。詳細はQRコードを開けてみてくださいね!

在サンフランシスコ日本国総領事 大隅 洋(おおすみ・よう)
1966年生まれ。東京大学経済学部卒業後外務省入省。経済安全保障課課長、在英日本大使館公使、在イスラエル日本大使館次席公使などを歴任。COVID19期間中は東京にて大臣官房審議官等を務める。2023年9月、在サンフランシスコ日本国総領事として着任。茶道を嗜み、旅行、読書、マリンスポーツを愛好。著者に「日本人のためのイスラエル入門」(筑摩書房)。


領事館のホームページでは、
総領事の活動報告 「総領事便り」を掲載しています。
コチラよりぜひご覧ください。

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