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2024.07.31

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米国各州との結びつきを強める
JETROのグラスルーツ活動

ジェトロ・サンフランシスコ事務所では、皆さまにお馴染みの中小企業をはじめとする日本企業の輸出・現地展開支援や日系スタートアップの支援、加えて対日直接投資の促進や海外ビジネス情報の調査等の事業を展開しておりますが、もう一つ大きな柱として取り組んでいることがあります。それは米国の知事や州政府高官等と密なコミュニケーションを深めて結びつきを高める「グラスルーツ活動」という事業です。米国の州・地方レベルのみならず連邦レベルでも日米関係の重要性に関する認識を深めるために、官民をあげて州・地方レベルにおけるコミュニケーションを強化する活動に取り組んでおります。その活動の一環として、当事務所では所管8州(アイダホ、アラスカ、オレゴン、カリフォルニア、ネバダ、モンタナ、ワイオミング、ワシントン)の州政府と綿密にコミュニケーションを取っております。  

具体的には日本企業による米国経済への貢献を発信したり、州政府と連携して対米投資を支援したりといった双方向の活動を行っております。特に多くの州において日本は米国外からの直接投資国(FDI)第1位になっており、米国の経済や雇用等について大きな貢献を行っている事実について丁寧に説明・発信をしております。  

そうした活動の一環として、今年6月初旬にカリフォルニア州オリンピックバレーで開催された西部知事会(WGA:Western Governors Association)、そして同月下旬にワシントンDC近郊で開催された米国商務省主催の全米の州が投資誘致をアピールする見本市SelectUSA Investment Summit 2024に参加しました。WGAは今年40周年を迎える節目の年にあたり、現職のワイオミング州ゴードン知事に加え、7名の元知事(ユタ州ハーバート元知事、ワイオミング州ミード元知事、アイダホ州オッター元知事、モンタナ州ブロック元知事、ハワイ州イゲ元知事、ネバダ州ミラー元知事・サンドバル元知事)が参加し、パネルディスカッションが開催され、大いに盛り上がりました。会期中WGAでは、RD(Republican and Democrat)というキーワードが度々用いられ、政治的分断が懸念されている米国において、今こそ民主党、共和党とも党派を超えた結束の必要性が再確認され、協力した活動の重要性が強調されました。  

一方、SelectUSA 2024でも全国各州から州知事が参加し、全世界から集まった参加者との商談会等のコミュニケーションの場が連日設けられ、大変な熱気に包まれていました。日本からは齋藤健経済産業大臣も来られ、ジェトロ主催のJapan Sessionというレセプションで各州高官らとのネットワーキングに参加しました。こちらのイベントにおいても、民主党、共和党がただ対立して混乱するのではなく、党派を超えた「超党派」の結束・協力の重要性について、さまざまな知事から発言がありました。  

今年は11月5日に米国大統領選が行われる、いわゆるElection Year。世界的にも大統領選に注目が集まっており、米国内でも議論が高まっています。一方、経済安全保障の面からも重要物資となる半導体やEVバッテリー等のイノベーションの分野において、日米サプライチェーンの協力強化がますます重要になっております。各州知事と面談をすると、日米連携の強化について、州レベルでもその重要性について再認識しているとの話をよく耳にします。  

ジェトロ・サンフランシスコ事務所では、引き続き日系企業のみなさまと連携し、各州とのコミュニケーションを強化してまいります。また、私どもが収集した各州の動向に関わる情報についても、積極的に発信してきたいと思います。

林 揚哲(はやし・ようてつ)
信託銀行、電力会社での新規事業立ち上げを経て2004年経済産業省入省。入省以来、金融、人材育成、モノづくり、小売流通、中小企業育成支援、通商などの政策分野に携わる。2022年10月よりジェトロ・サンフランシスコ事務所長

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