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柳家東三楼の「Break a leg 落語の時間ですよ」Vol.40

2024.09.18

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こども落語全国大会

今年も宮崎県で「ひむかの国こども落語全国大会」が開催されました。去年はベイエリアから出場したざぶとん亭天助君が審査員特別賞を受賞しました。今年はベイエリアから、ざぶとん亭け魔りちゃん、て魔りちゃん姉妹、テキサス州オースティンからざぶとん亭煎餅君が出場し、け魔りちゃんが小学生の部で決勝に進出しました。この大会では決勝で優勝者が決まるだけですので、実質的に準優勝。師匠としましても、とてもうれしいです。  

1976年生まれの私にとりまして、小学生の少年時代は丸々1980年代におさまります。小学校に入ってすぐに任天堂のファミリーコンピューターが発売され、夏休みは暑いけれど30度を超える日は珍しく、毎朝6時のラジオ体操からはじまり、夕方町に帰宅を促す放送が流れるまで、とにかく遊びまくった「楽しい!」時間でした。落語の「ら」の字もない体を動かすだけ動かす、そんな生活でした。  

今振り返って、高校時代に落語を好きになった時「もっと子どもの頃に出会いたかった」、そう思ったものでした。それは、子どもの頃から落語をしてる人がいるというのを薄っすら知ったからでした。落語をやってみたい、でもそんな機会はない、人見知りで内気で、でも抜群に目立ちたがり屋という自分の不思議な性格が、落語という個人で人前で披露する芸に惹かれたんでしょう。  

「もしも子どもの頃に落語をプロに教わることができたら」、そういう思いで子ども達と落語をしています。大会に出る子は目を輝かせて稽古します。アメリカに住んでいながら日本の伝統芸能を好きになって、普段使わないような日本語も駆使して、観客を笑わせようと努力します。僕がもし小学生で落語に出会っていたら夢中になったんじゃないか、でもそうじゃなかった、そんな思いを胸に秘め、子どもと毎週オンラインのクラスで遊んでいます。  

今回の大会を通して出場した子達は日本の落語をする子達と交わり刺激しあい、一段と目の色が変わりました。お弟子さんの夏の思い出、そこに落語のページがあることに、僕の夏の記憶が少し美しく更新されるようなうれしさがあります。


柳家東三楼(やなぎやとうざぶろう) 落語家歴25年。真打として日本全国で落語を披露する中で世界中の人に落語を知ってもらいたいと、2019年よりアメリカへ移住。現在はNYのブルックリンを拠点にアメリカにてすでに200回以上の公演を行う。50州すべての州にて落語公演を実施することを目標に、日々精力的に活動中。

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