〜岸田総理の米国訪問〜
4月の岸田総理訪米は日米関係上とても重要な訪問でしたので、夏に季節が変わる前に少し紹介します(詳しくは文末のリンクをクリックしていただければ)。
総理訪米のハイライトは、議会演説でした。ジョークは冴えわたり、「ヤバダバドゥー」と叫んだ時は大喝采で議員の心を鷲掴みにしました。これは米国ではとても大事ですね。一方で、総理がスピーチの中で、米国民の自己疑念、疲弊、孤独感を単刀直入に切り込まれたことには少し驚きましたが、外交官になってから米国を様々な角度から見てきた私にとって、日本は「外の世界に目を向け、強く、コミットした同盟国へと自らを変革してきました」とし、「米国は独りではありません。日本は米国と共にあります」と言い切った総理の発言は極めて感慨深く、時代がここまで来たとの感を強くします。
日米首脳会談後には共同声明等が発表されました。そこで言及されているジャパン・イノベーション・キャンパスの活動を含め、スタートアップ育成支援に総領事館として取り組んでいきたいと思います。「人的交流は、将来の日米関係を担う人材を育成する最も効果的な方法である」ともうたわれていますが、留学生やその他の交流、特に当地在留日本人研究者交流の増加にも力を注ぎたく、その文脈においても姉妹都市交流が大事です。また、当地学校における日本語クラスの縮小・閉鎖の動きには皆さんと協力して対応していきたいと思います。日系人の方々との交流の強化についても、日系人、在留邦人そして日本の友人がより「繋がる」ために総領事館が役割を果たしていくつもりです。
ワシントンでの岸田総理の午餐会では、ハリス副大統領が、日本人初のメジャー・リーガーの村上雅則氏に触れていました。村上氏は5月17日ジャイアンツの本拠地でのジャパン・ヘリテージ・ナイトに登場し、始球式で投げられました。
この機会に、さまざまな方が日米関係を支えてきてくれたことに感謝いたします。
在サンフランシスコ日本国総領事 大隅 洋(おおすみ・よう)
1966年生まれ。東京大学経済学部卒業後外務省入省。経済安全保障課課長、在英日本大使館公使、在イスラエル日本大使館次席公使などを歴任。COVID19期間中は東京にて大臣官房審議官等を務める。2023年9月、在サンフランシスコ日本国総領事として着任。茶道を嗜み、旅行、読書、マリンスポーツを愛好。著者に「日本人のためのイスラエル入門」(筑摩書房)。
領事館のホームページでは、
総領事の活動報告
「総領事便り」を掲載しています。
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