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総領事だより

2025.06.04

配信

〜ゼロイチ〜

私がコロナ禍の前にいたイスラエルでは、「ゼロからイチを生み出す。人と違うことをやる」という文化がありました。その後東京に戻り「大臣官房サイバーセキュリティ・情報化担当参事官」となったのを何かの縁と思い、コロナ禍初期の夏、「外務省DXをやろう」と決めました。暗中模索でしたが、今や外務省全体を巻き込む奔流となったのは感慨深いです。当地でも2023年秋に着任以来、総領事館なりに世の中の役に立つ新しいことを模索し取り組んできました。  

その一つが、当地の大学等において一つの研究を主宰することができる日本人等のPI(Principal Investigator)のネットワークを作るPIマップの作成です。優秀な人材の留学受入れ支援、日米間の科学技術交流の架け橋としてのPIのリスト化という長年の課題に関係者と取り組み、今回34名の大学教授らを網羅した海外PIマップを作成し、今般総領事館HPで公開したところです。  

第二に多くの学校で実施されている日本語教育の維持・拡大のため、日本語教師等関係者とラウンドテーブルを発足させました。子ども達に現時点で「日本」に触れ、将来のキャリアの可能性を示すとの重点目標を掲げ、当館スタッフによる学校訪問、日本企業関係者による学校訪問のアレンジ、日本語学習のための総合ページの刷新など行っています。若者が日本語履修だけでなく、JETプログラム(外国青年を招致して地方自治体等で任用し、外国語教育の充実と地域の国際交流の推進を図る事業)に参加し、姉妹都市活動に積極的に関与し、日系人社会と繋がるという、菱形の連関を具現してくれるよう、当館としても付加価値をつけたいと考えています。  

第三に、3月に初のデュアルユーステック・セミナーを開催しました。元々シリコンバレーは防衛技術研究が民間に転用され発展しましたが、近年は逆に民間技術の方が進んでいます。国際情勢が厳しい中で日本の安全確保のためにはこの分野への取り組みは焦眉の急で、先進技術を持つ当地の米国企業の知見利用が必要です。まだ第一歩ですが、今後継続的に力を入れていきたいと思います。  

当館は近代日本国家が開いた最初の在外公館であり、当地は日本の近代史の中で「世界への玄関」の役割を果たしてきました。Open AIが市内に本拠を構えるなど、デジタル・AI時代でも「世界への玄関」の役割を果たしています。時代の流れに沿い一つ一つ、日本のために新しい地平線を切り開くような付加価値を提供していければと考えています。

在サンフランシスコ日本国総領事 大隅 洋(おおすみ・よう)
1966年生まれ。東京大学経済学部卒業後外務省入省。経済安全保障課課長、在英日本大使館公使、在イスラエル日本大使館次席公使などを歴任。COVID19期間中は東京にて大臣官房審議官等を務める。2023年9月、在サンフランシスコ日本国総領事として着任。茶道を嗜み、旅行、読書、マリンスポーツを愛好。著者に「日本人のためのイスラエル入門」(筑摩書房)。


領事館のホームページでは、
総領事の活動報告 「総領事便り」を掲載しています。
コチラよりぜひご覧ください。

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