新年を迎えて
新年あけましておめでとうございます。旧年中も、皆様には、ジェトロの取組みに多大なるご理解とご協力を賜り、この場をお借りし、御礼を申し上げます。
昨年7月に、当地に赴任して以来、初めての寄稿となります。今後、皆様ともさまざまな機会でお目にかかることがあるかと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
さて、私共、ジェトロサンフランシスコ事務所は、米国50州のうち8州(カリフォルニア州北部、オレゴン州、ワシントン州、モンタナ州、アイダホ州、アラスカ州、ネバダ州北部、ワイオミング州)を所掌し、日本と米国の間の貿易投資の促進のため、約20名のスタッフで日々業務に取り組んでおります。年初となる今回は、それぞれの事業について、私共の活動と、直近の動向をお伝えできればと思います。
スタートアップ支援
まずは、スタートアップ支援です。日本政府は、2022年に、日本経済の成長を牽引するスタートアップの創出を図るため「スタートアップ育成5カ年計画」を策定し、我が国を世界有数のスタートアップの集積地とすることを目標として掲げ、政府一体となって施策を展開しています。私共ジェトロでも、この政府目標の達成に貢献すべく、近年、スタートアップの海外展開のサポート体制を強化しています。
具体的には、スタートアップの事業展開に必要な専門家のメンタリングサービスを提供するGAH(グローバル・アクセラレーション・ハブ)、当地のVCやアクセラレーターと連携したアクセラレーションプログラムの提供、経済産業省が23年に開設したJIC(ジャパン・イノベーション・キャンパス)でのセミナーやネットワークイベントの開催などを通じ、当地におけるスタートアップの事業活動の支援を行っています。
昨年9月には、大阪・関西万博会場において、過去最大となるスタートアップカンファレンスであるGlobal Startup EXPO 2025(GSE 2025)が開催され、その場で、米国や欧州のVCが相次いで日本進出を公表するといった動きもありました。26年も引き続き、日本のスタートアップの海外展開のサポートを行うとともに、国内のスタートアップエコシステムの形成にも貢献すべく、当地のアクセラレーターやVCの日本進出や、エコシステム形成において重要なプレイヤーとなる大学の日米間連携を、強力に後押ししていきたいと思います。
海外輸出支援
日本の中小企業などの商品の海外輸出支援も引き続き重要な柱です。日本には、食品に加えて、雑貨・日用品など、グローバル市場でも十分に通用する魅力ある商品が多く存在します。ジェトロでは、中堅・中小企業向けの専門家や各産業におけるアドバイザーによるコンサルティングサービスを提供するプラットフォーム事業や、JAPAN MALLやJapan Streetといったデジタルプラットフォームを通じた海外バイヤーの日本商品の購入支援などを通じて、日本の商品の輸出拡大を支援しています。また、当地、サンフランシスコ事務所では、北米事務所で唯一となる雑貨・日用品のサンプルショールームを設置し、選定された商品の販売支援や展示会でのブース出展なども行っているところです。
より一層、魅力ある日本の商品が、米国市場で流通することを目指し、今年は、非日系の商流の開拓・連携にも力を入れていきたいと思います。
対日投資と日米協業支援
スタートアップの海外展開支援や商品の海外輸出支援といったアウトバウンドの支援と同時に、力を入れているのが、米国企業の日本進出支援と、日米両国の企業による協業の支援です。
昨今、さまざまな要因からグローバル市場におけるビジネス環境の不確実性が高まる中で、改めて、長期的かつ安定的な協力関係を構築する戦略的パートナーとして、日本への関心が急速に高まっています。我が国は、安定した社会基盤と法制度を有し、世界有数の市場規模、研究開発力を有します。実際に、AIなどの先端分野で、安定的なビジネス環境を理由として、日本を創業の地として選択する海外の起業家も現れ始めています。
ジェトロとしても、外国企業の日本進出をワンストップで支援する「対日投資プログラム」や、日本企業との協業や連携を希望する海外企業向けのビジネスプラットフォームである「J-Bridge」を通して、両国企業のビジネスマッチングやクロスボーダーでのオープンイノベーションを一層加速していきたいと思います。
また、米国企業との協業や米国内で事業展開を進める上で、州政府の理解や支援は非常に重要です。日本企業の米国経済への貢献を丁寧に州政府に説明していくことによって、日本企業の皆様のビジネス環境を整えていくことにも尽力してまいりたいと思います。
今年は午年です。本年が皆様にとって、「午」のように、力強く、軽やかに、目標に向かって突き進む一年となりますよう、心より祈念しております。
渡邊 佳奈子(わたなべ かなこ)
1998年、経済産業省入省。入省後、産業組織法制(LLP法制定)、APEC、東南アジア諸国との二国間関係、コンテンツ産業振興政策、知的財産政策等に携わった後、2025年7月より、ジェトロサンフランシスコ事務所所長。
JETROメルマガ:
メールマガジン登録 [JETRO サンフランシスコニュースレター]
LinkedIn:www.linkedin.com/company/jetro