〜佐々木麟太郎選手に期待する〜
2月末、スタンフォード大学の野球場に佐々木麟太郎選手が出場する試合を家族で観に行きました。構内放送で「3番ファースト、リンタロウ・ササキ!」と場内アナウンスされると、少しレトロな日本語の歌謡曲がカリフォルニアの青空に響き渡ります。そして、豪快にバットを振る麟太郎選手は3打数2安打2四球の活躍でした。
麟太郎選手の出身校がある花巻には旅行で訪れたことがありますが、東北新幹線新花巻駅構内に菊池雄星選手と大谷翔平選手の展示コーナーがありびっくりしたこと、またその日の夜空が美しく、宮澤賢治童話村の遥か天空には「銀河鉄道の夜」の世界が広がっており、宇宙を旅するような不思議な気持ちになったことを覚えています。このような美しい日本の原風景を残す所から世界に雄飛する野球選手が彗星の如く出現したことに今でも感動します。
ワールドベースボールクラシックで日本チームを感動の優勝に導いた栗山英樹氏も試合を見に球場に来ており、「麟太郎は30年後の日本のスポーツを背負って立つ子なので色々と教えてあげてください」とおっしゃっていました。同じく試合を見に来ていた花巻東高校の佐々木監督もまた謙虚な方でしたが立派な教育哲学をお持ちでした。そして麟太郎選手には人が成長するのに重要な素直さと、視点の高さ、視野の広さを感じました。麟太郎選手の名前は幕末の偉人勝麟太郎(勝海舟)から取ったとのことでしたが、勝海舟は1860年に咸臨丸に乗船してサンフランシスコに来訪しています。私から麟太郎選手には、「将来のリーダーとして公のためにも貢献してほしい。この地で我々現代の日本人が不都合なく暮らせているのは先人のおかげであり、特に日系米国人が苦闘しつつ、その地位を築き上げたところに依るところ少なくない。麟太郎選手には当地の日系人のゆかりの地を訪ねてほしいし、それを積極的に発信して模範となってほしい」とお願いしました。麟太郎選手は快諾してくれました。
麟太郎選手を始め、当地には少なからずの日本から若者が留学しています。現役世代の責任として、次世代の成長を支援していくことの必要性については幅広い共感を感じます。皆さんと一緒にこのような次世代のリーダー達を支援していきたいと思います。
在サンフランシスコ日本国総領事 大隅 洋(おおすみ・よう)
1966年生まれ。東京大学経済学部卒業後外務省入省。経済安全保障課課長、在英日本大使館公使、在イスラエル日本大使館次席公使などを歴任。COVID19期間中は東京にて大臣官房審議官等を務める。2023年9月、在サンフランシスコ日本国総領事として着任。茶道を嗜み、旅行、読書、マリンスポーツを愛好。著者に「日本人のためのイスラエル入門」(筑摩書房)。
領事館のホームページでは、
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