過去最大のスタートアップカンファレンス
Global Startup EXPO 2025(GSE 2025)
進化する日本のスタートアップエコシステム
2025年9月17日から18日、 大阪・関西万博会場内においてGlobal Startup EXPO 2025(GSE 202)が開催された。GSEは「大阪・関西万博」との連携のもと、世界中の優れたディープテックスタートアップと投資家、大学・研究機関、企業のほか、それらを取り巻くスタートアップ支援機関が一堂に会し、世界規模の課題解決を模索する国際カンファレンス。経産省が中心となり、ジェトロやNEDOも運営をサポートした。
今回のカンファレンスのメインテーマは日本の得意分野であるディープテック。「健康と長寿」、「人口に頼らない社会」、「地球との共存」等のテーマを設定し、世界中のスタートアップエコシステム関係者が集い、世界規模の課題解決に挑んだ。

カンファレンスでは、37のセッションを実施。国内外のスタートアップ145社が出展、国内外のVCやCVC等の投資家は100名以上が参加、関係者を含めた来場者数は1万人を超える過去最大のスタートアップカンファレンスとなった。主な登壇者としては、東大の藤井総長、DeNAの南場会長、サカナAIのCEOデイビッド・ハ氏、アルムナイ・ベンチャーズのCEOマイケル・コリンズ氏、石破首相、赤沢スタートアップ担当大臣、岸田前首相、吉村大阪府知事など多数。また、この2日間のサイドイベントは50件以上開催された。

今回の会期中には、①アルムナイ・ベンチャーズが日本のスタートアップに150億円の投資を行うと表明、②米国VCが日系スタートアップへの4社目の投資を発表、③フランスVCが日本進出を表明、④バークレー・スカイデックと経産省、ジェトロが、スカイデックの日本への進出を含めた覚書(共同声明)を締結など、招へいしたグローバルVCが多くの日本へのコミットメントを発表した。

ここ数年、アルケミストやテックスターズ等の世界のトップアクセラレーターがジャパンファンドを設定し、日本においてアクセラレータープログラムを実施、国内外のスタートアップへの投資を進めている。多くのVCやCVCと会話する中で、着実に日本への進出や日本のスタートアップへの投資に関心が高まっていることを日々感じる。日本で実施されている国際的なイベントとしては、スシテック東京やIVS京都があり、海外からの多くのスタートアップエコシステム関係者が来訪している。来年度もGSEを開催するという噂も聞こえてきているが、今が絶好のタイミングだと感じる。日本のスタートアップの米国での成功はもちろん重要であるが、日本国内におけるスタートアップエコシステムを進化させ、より多くのスタートアップの創出や成功事例を創出することも日本の発展のためには重要である。
吉田 健(よしだ けん)
2000年ジェトロ入構後、機械、食品、伝統産品等の輸出支援、中国・アセアンへ日用品・生活雑貨の輸出支援などに従事。また、外務省への出向や外食、小売、理美容、教育等の海外への出店支援など、幅広い分野での業務に携わる。ジェトロ佐賀貿易情報センター所長を経て、2021年10月よりジェトロ・サンフランシスコで勤務。
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