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総領事だより

2024.02.28

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〜スーパーボウルで想ったこと〜

今年のスーパーボウルは地元49ersが出場し、私達家族も子どもの友人宅で手に汗握って観戦。勝負の無情に一同声が出ませんでしたが、翌日オフィスに出ると熱狂的ファンの同僚は肩を落としながらも、「ありがとう、よくやってくれた」と街全体を代表するがごとくに語ってくれました。  

ところで皆さん、歴史の教科書に出てくるジョン万次郎も49ers(ゴールドラッシュの時に一攫千金を狙ってカルフォルニアに集まってきた人々)の一人だったとご存知でしたか? 万次郎は1841年、14歳の時に高知沖で遭難、無人島で生き延び助けられ渡米し、勉学に励み、船乗りとして世界を回りました。その後、望郷の念から、金鉱で働いて得た資金で帰国しました。鎖国下で入牢した万次郎ですが、ペリー来航で運命が変転し、1860年には咸臨丸に乗り込み太平洋を横断、当地ピア9辺りに再臨しています。ゴールドラッシュから咸臨丸の当地到着まで約10年、それから10年後の1870年には、近代日本初の在外公館として当館が開館しています。  

さて、アメリカのスポーツのエンタメとしての「完成度」の高さには感心するところがあります。総領事館は昨年から「ジャパニーズ・ヘリテージナイト」をNBAゴールデンステート・ウォーリアーズと始めました。第1回目となった昨年2月には、ロックギタリストのMIYABIさんがよさこい踊りのグループ「渦丸」とともに参加しました。第2回目の12月16日は、日系人団体の皆さん、日本商工会、ジャパンソサエティと協力し、私も選手入場の鐘をつかせていただきましたが、ビジネスをしつつも客を存分に楽しませる、アメリカなりの陽気な文化の発露を感じました。日本にも参考になれば良いと思います。日本人合唱団「コラール・メイ」による国歌斉唱や、「渦丸」もハーフタイムに出場し、元気あふれる踊りを披露してくれました。  

私も当地に着任して約5カ月になろうとしています。「How have you found San Francisco?」と聞かれてきましたが、スーパーボウルの体験を経て、「This is our home」と言うようになったことを報告させていただきます。

在サンフランシスコ日本国総領事 大隅 洋(おおすみ・よう)
1966年生まれ。東京大学経済学部卒業後外務省入省。経済安全保障課課長、在英日本大使館公使、在イスラエル日本大使館次席公使などを歴任。COVID19期間中は東京にて大臣官房審議官等を務める。2023年9月、在サンフランシスコ日本国総領事として着任。茶道を嗜み、旅行、読書、マリンスポーツを愛好。著者に「日本人のためのイスラエル入門」(筑摩書房)。


領事館のホームページでは、
総領事の活動報告 「総領事便り」を掲載しています。
コチラよりぜひご覧ください。

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