大学院進学のために渡米し、就職でベイエリアにきたというソフトウェアエンジニアの高山和幸さん。ベイエリアは挑戦と成長の場所だと話す高山さんに、ここでの暮らしについてお話を伺った。

ベイエリアに住むことに
なったきっかけ
ソフトウェアエンジニアとしてキャリアアップしたいと思い、2022年にカーネギーメロン大学(CMU)の大学院に社会人を辞めて入学、そこからピッツバーグで1年半過ごした後に就職し、2023年にベイエリアに来ました。
ベイエリアに最初にきた時の印象
ピッツバーグとはまた違う空気で、カラッとしていて、どこかのんびりとした印象の場所だと感じました。
ベイエリアの今の印象
最初に来たときの印象とあまり変わりません。ベイエリアという名前なだけあって海に近い場所が多く、海を見つつ優雅な気分で過ごせる場所が多いです。
あなたにとってベイエリアはどんな場所?
挑戦と成長の場所です。自分の技術やキャリアだけでなく、家族との時間や異文化での暮らしを通じて、自分自身を広げられる場所だと思っています。
どんなお仕事、活動をされていますか?
スマートグラス(サングラスの見た目で、カメラやマイクがついているデバイス)のテストをするためのインフラを構築しています。
自分の専門分野について
コンピューターサイエンスの中でも、分散システムやコンピューターネットワーク、ソフトウェアエンジニアリングを専門にしています。
その道に進むことになった
きっかけ
子どもの頃からゲームが好きで、小学校の頃はゲームプログラマーになりたいと思っていました。中学、高校でもゲームやコンピュータばかりいじっていたので、大学でもコンピューターサイエンスを専攻しました。そこからずっと同じことをやっています。
英語を使って仕事をするということについて思うことは?
日本語と言語構造が真逆(日本語では言いたいことが後ろのほうにくることが多いが、英語は先に出る)なので、そこに苦労することがあります。
英語での成功体験、失敗体験
大学院で、後輩に向けての英語のプレゼンのボランティアを募集して思い切って志願したのですが、プレゼンがうまくいって後輩と交流できたときが初めての英語の成功体験でしょうか。失敗体験は、たくさんあるのですがマネージャーが「See you later」と言ったので「え、今日はもう会わないでしょ」と言ったらめちゃくちゃ笑われました。
あなたにとって仕事とは?
趣味の延長線上にあります。自分が楽しくないことをできない人なので。
子どもの頃になりたいと思っていた職業、理由も教えてください
ゲームのプログラマーかデザイナーになりたいと思ってました。ゲームばっかりやってる少年だったので。
もし、いまの仕事に就いていなかったら
あまり考えられないのですが、間違いなくゲームかパソコンに関連している仕事であることは間違いないと思います。ゲームのプランナーとかプロジェクトマネージャーとかですかね。
現在、どんなおうちに住んでいますか?
フォスターシティーの海沿いのアパートメントに家族で住んでいます。
休日はどんなふうに過ごしていますか
家族で近くの公園を巡ったり、いろんなトレーダージョーズに行って買い物しています。
ベイエリア、および近郊で好きな場所
海やビーチが望めてきれいなハーフムーンベイとモントレーが好きです。
お気に入りのレストラン
ヘイワードにあるBlack Bear Diner がお気に入りです。アメリカらしいボリュームなのですが、味がとてもおいしく、アメリカのB級グルメ感があって好きです。
よく利用する日本食レストラン
ラーメンが好きなので、サンマテオの「大勝軒」やサンフランシスコの「一風堂」によく行きます。
もし、100万ドル当たったとしたら
家の頭金として半分使い、家を買います。残りは投資にあてます。
日本に戻る頻度
夏と年末の年2回戻れたらいいなと思っています。
最近日本に戻ったときに
感じたこと
夏がめちゃくちゃ暑くて温暖化を切実に実感します。
日本へのお土産
アメリカでしか買えないジャンキーでめちゃくちゃ甘いお菓子が好きなのでよく買っていきます。ポップタルツなど(喜ばれているかは不明ですが)。
日本からベイエリアに
持ってくるもの
カップラーメンやラーメンの材料(日本でしか買えないラーメンの麺の小麦粉など)を持って帰ります。
現在のベイエリア生活で不安に感じること
住宅価格・教育費の高騰。子どもをもし中学、高校まで育てる場合、教育戦争が激しそうなのが不安です。
日本に郷愁を感じるとき
ラーメンと温泉が大好きなので、時々日本のそういった記事を読んだりすると無性に日本に帰りたくなります。
永住したい都市
ベイエリア(テック系以外の人がもう少しいれば本当に文句無し)、または日本の地方都市(例えば鎌倉)。自然と都市のバランスが取れている場所。
5年後の自分に期待すること
技術者としてだけでなく、人としても視野が広がっていてほしいです。家族と幸せに過ごしていること。
座右の書
『自分の中に毒を持て』(著・岡本太郎)。社会人になったばかりのときに読んで、リスクや危険な道を恐れずに飛び込む、という岡本太郎の姿勢に感激し、自分もなにかキャリアや人生の岐路に立ったときはこの書の言葉に従い「一番怖いと思う選択肢を選ぶ」ことを指針にしています。
これまで見た中で影響を受けた、または印象に残っている映画
『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』。子どもの頃に見たので話はぜんぜん理解できてなかったのですが、出てくるガジェットが全部クールでそういうものを作りたいと思っていました。
最近観て印象に残っている
映画
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』は、奇想天外な発想とシナリオに驚くとともに、米国移民としての苦悩や大変さに共感しました。
自分を動物にたとえると?
カメ。マイペースですが、しっかり一歩ずつ前に進むからです。
座右の銘
「なるようになるさ」。投げやりにも聞こえるかもしれないですが、ポジティブに捉えると、自分のコントロールできないことを心配するのはやめて自分のできることをやろう、というふうに捉えられるので好きな言葉です。
プロフィール
高山 和幸
/
Kazuyuki Takayama
日本でソフトウェアエンジニアとして10年ほど働いたのちに、カーネギーメロン大学大学院に入学し、渡米。その後、サンフランシスコ・ベイエリアのテック系企業にて1年半ほどソフトウェアエンジニアとして働いている。