〜AIセミナーと防災フォーラムと〜
総領事館としての日本のビジネスへの貢献の「秋の陣」第一弾として、AIと防災のイベントを開催したので報告します。
10月21日、「AIの力:未来を切り開く日本のスタートアップと大企業」を共催しました。今年3月に訪日され、また日本カリフォルニア議員フォーラムの設立レセプションにも参加されたジョシュ・ベッカー州上院議員から州議会でのAI立法の状況を説明してもらい、その後は日本の大企業、スタートアップなど計10組が登壇し、事業や研究を紹介しました。登壇した多士済々な方々に感謝いたします。その中でも若手研究者の田中秀宣さんが、ターミネーターと鉄腕アトム、ドラえもんを対比し、西洋と違い日本には肯定的なAI観があるが、それが現実となるためにはAIが安全で倫理的な存在として進化することが必要で、AIの物理学、神経科学、心理学といったAIにおける新しい学問分野の創設が必要だと熱弁していました。その意欲に日本の明るい未来を感じましたし、その日本人離れしたゼロイチ発想で印象的でした。
2日後の23日には防災フォーラムを共催しました。最近訪日した州下院災害対策委員会のホアキン・アランブラ州下院議員の報告で始まり、州政府、SF市消防局(SFFD)、UCバークレー、大林組、ジオサーチ、Airbnb.org、米国務省外国公館オフィスと当地の9つの総領事館の代表がプレゼンをし、日本語補習校等のコミュニティの方々も参加しました。SFFDからはコミッショナーを務めるスティーブ・ナカジョウさんが参加してくれました。ジオサーチ(株)の冨田洋会長は、約30年前にカンボジアでの地雷除去のボランティアをし、そこから始まった技術を発展させ、地表から見えない配管や空洞などを可視化する技術を確立して会社を立ち上げたとのことですが、その技術を今度は米国で広めようしているヒューマンストーリーは米国人も聴き入る話だと思いました。
なお、カンボジアは今では自身が地雷・不発弾対策を教える立場になり、今夏にはウクライナ非常事態庁の職員がカンボジアの地雷センターで研修を受けています。その旨をレセプションの場で紹介したところ大きな拍手でした。今後ともそのようなヒューマンストーリーも追求しながら、日本のビジネス関係を更に盛り上げていきたいと思います。
在サンフランシスコ日本国総領事 大隅 洋(おおすみ・よう)
1966年生まれ。東京大学経済学部卒業後外務省入省。経済安全保障課課長、在英日本大使館公使、在イスラエル日本大使館次席公使などを歴任。COVID19期間中は東京にて大臣官房審議官等を務める。2023年9月、在サンフランシスコ日本国総領事として着任。茶道を嗜み、旅行、読書、マリンスポーツを愛好。著者に「日本人のためのイスラエル入門」(筑摩書房)。
領事館のホームページでは、
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