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2024.01.03

配信

JETROサンフランシスコはこれまで以上に スタートアップ支援に取り組みます

新年あけましておめでとうございます。旧年中も皆様にジェトロの取組について多大なご理解とご協力を賜り、この場をお借りして多大な感謝を申し上げたいと思います。  

さて、辰年スタートの今回は、なぜ日本政府が、あるいはジェトロがこれほどまでにスタートアップ支援について強力に推し進めているのかについてお話をしたいと思います。  

大きな理由の一つに日本の国際競争力の低下が挙げられます。日本国内にいると、便利で親切なサービス、安心安全な社会環境を実感し、やっぱり日本が一番という気持ちになりますが、世界トップクラスのビジネススクールIMD「世界競争力年鑑」2023年版によれば、日本の競争力総合順位は35位と過去最低を更新しました。同調査によればバブル経済で賑わった1989年から1992年まで日本は1位を維持していましたが、その後は低下の一途をたどっています。 世界の企業時価総額ランキングを見ても、1989年の上位10社はほとんど日本企業で占められていましたが、2023年になると日本企業は見当たらなくなりました。  

また、日本の開業率は2020年で5・1%と、米国の9・2%や欧州主要国(英国11・9%、フランス12・1%、ドイツ9・1%)と比べ、低い水準で推移しております。 さらに 日本の廃業率も3・3%と米国の8・5%や欧州主要国(英国10・5%、フランス4・6%、ドイツ12・5%)と比べ、低い水準で推移しており、産業の新陳代謝が遅れ、新しい産業を生み出す力が衰退していると分析できます。  

そういった背景から、新しいアイデアを育み、それを事業に転換するチャレンジをサポートし産業へ成長させていくことが日本経済にとって大きな課題であるとこから、スタートアップ支援、アントレプレナーシップ教育が非常に重要な政策になったのです。  

当地ベイエリアは世界中の超一流タレント(人財)が集まる「起業の聖地」であります。ジェトロとしては、我が国の次世代による世界市場へのチャレンジをお手伝いするために、さまざまな支援メニューを用意しております。スタートアップ向けに法務、税務、販路開拓等のコンサルティング支援を行うGAH(グローバル・アクセラレーションハブ)サービスは世界中で年間1000を超える案件を受け付けておりますが、そのうち45%がサンフランシスコ事務所でサポートさせていただいております。  

同サンフランシスコ事務所ではGAHのコンサルティングサービスに加えて、スタートアップのアクセラレーションプログラムも7つ運営しており、年に100以上のスタートアップが日本から参加しております。昨年11月には世界最高峰のアクセラレーターの一つと言われているUCバークレー校のスカイデック との連携に関わるMOU(覚書)を経済産業大臣立ち合いの下締結しました。  

さらに日本政府も昨年11月、パルアルトの中心部にJapan Innovation Campusという日本のスタートアップを支援する施設を開所しました。グローバルに活躍する日本のスタートアップや海外進出の準備を進めている起業家や研究者、将来起業家となることを目指す学生等、高い志を持つ挑戦者が集まるコミュニティを形成するために設立されましたが、ジェトロ・サンフランシスコ事務所もこの施設と連携しながら、さらなるスタートアップ支援に取り組んでまいります。  

今年は辰年。コロナ禍を乗り越えて迎える2024年。辰年は陽の気が動いて万物が振動するので、活力旺盛になって大きく成長し、形が整う年だといわれています。新たな成功を目指して、何かにチャレンジするのに最適な甲辰です。世界情勢は依然厳しい状態ですが、今年もみなさまにとっても発展の年、繁栄の年でありますよう、心よりお祈り申し上げます。

林 揚哲(はやし・ようてつ)
信託銀行、電力会社での新規事業立ち上げを経て2004年経済産業省入省。入省以来、金融、人材育成、モノづくり、小売流通、中小企業育成支援、通商などの政策分野に携わる。2022年10月よりジェトロ・サンフランシスコ事務所長

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