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柳家東三楼の「Break a leg 落語の時間ですよ」Vol.45

2025.07.16

配信

最終回、RAKUGO Association of America

 ベイエリアの皆様、お久しぶりでございます。柳家東三楼です。日本に帰国してからとにかく忙しく、それでも自分で糠漬けをはじめたり、丁寧に生きることを心がけて毎日を過ごしております。ベイエリアのお弟子さんとのオンラインでの落語のクラスももちろん続けております。4年近くやっているお弟子さんは、小学生の小さかった頃の面影は残しつつ、もう立派に中学生で、演目もやっと寿限無が言えるくらいから、今では真打ちがやるのも苦労するくらいの難しい演目をしています。6月は「お菊の皿」をいくつかのパートに分けて私が見本をし、続いてお弟子さんがやってみる形式で、みんな全編一気に演じるまで稽古して、楽しかったです。

 ベイエリアはアメリカの中でも一番お弟子さんが多く、また熱心で、自主的な発表会も開かれています。

 西海岸では東海岸に比べて日本人の移住が苦労も多かった分しっかり根付いて、日本の文化を町全体で受け入れてくれています。今世界中で移民の問題が出て、排外的な考えが強くなって来ていますが、多様性という言葉は多くの民族が幸せに共生していくことと私は思いますので、ベイエリアの持つさまざまな文化を需要する姿は、日本人が多く住む地域として誇らしいです。

 私はこれまで日本の伝統文化である落語と、落語を通して日本語、日本の文化を伝えてきました。日本での季節感を大事にしつつ、ベイエリアでの移ろいも考慮して、節句や日本のお祭りの話も入れながら、食文化、着る物、住まいなど、日本人の精神性を落語という「笑いの芸」の中で、子どもや大人のお弟子さんと共有し、育んできました。

 私が一人で活動する中で多くの仲間が集まりました。日本が好きな人、笑いが好きな人、色々な方が私の応援をしてくださっています。私一人では活動に限界がありますので、9月から仲間とともに「ざぶとん落語スクール」として、落語を通して日本語や日本の文化を楽しく学べる完全オンラインの学校を作ることにしました。これまでの1000回を越えるお稽古のクラスで培ったノウハウで、テキストと指導法をブラッシュアップして組織化、明文化し、誰にでもわかりやすく、どのようなレベルの子でも楽しく落語で日本語、文化を学べるようにしています。

 日本の言葉や文化を落語を通して世界へ伝える、落語を世界標準のエンタメにする、新しいステップに入ります。今回でこのコラムはお休みになりますが、引き続き、私達「RAKUGO Association of America」を応援してください。


柳家東三楼(やなぎやとうざぶろう) 落語家歴26年。真打として日本全国で落語を披露する中で世界中の人に落語を知ってもらいたいと、2019年よりアメリカへ移住。現在はNYのブルックリンを拠点にアメリカにてすでに200回以上の公演を行う。50州すべての州にて落語公演を実施することを目標に、日々精力的に活動中。

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