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あなたの「今」が輝くために−其の百八

2021.06.21

配信

「写経の会」

「始めるのは大変だけど、続けるのはもっと大変」と聞きますが、まさにそうだなとしみじみ思います。

私がサンフランシスコで「写経の会」を始めようとした時、とても大変でした。筆や硯などの道具探しのドタバタの顛末は、何時間でも話せるほどのエピソードに溢れています。だって当時のベイエリアには日本の百均のお店がなく、筆一本、硯一つを買うのも大変だったんです。最初は、チャイナタウンに行けば簡単に見つかると思っていました。けれども実際には100ドルオーバーの工芸品か、お土産用のオモチャのような物ばかり。筆や硯、墨を求めてチャイナタウンだけでなく、サンフランシスコ中を探しまわった時の、アンナことや、コンナこと。今となっては笑い話になるようなことも、当時は大変なことでした。それだけでなく会場探しは困難を極めるなど、ほんと色々ありました。けれども多くの方たちに助けられ、カストロ地区にあった素敵なレストランを会場にして、「サンフランシスコ写経の会」を始めることができました。

その後、私が働いていたシビックセンター近くの語学学校に会場を移して続けていましたが、実家の寺の事情により、会を主催していた私が日本に帰ることに。嗚呼、写経の会よ、風前の灯火か…と思ったら! なんと、会に参加してくださっていた方たちが日本町で新しい会場を探して、続けてくださることに。ありがたい~。

それから11年。バークレーの浄土真宗センターさんを会場に、名前を「ベイエリア写経の会」と改めて、会は今も続いています。ほんと、びっくりです。コロナ禍といわれる状況で、しばらくお休みしていましたが、先日Zoomを使って久し振りに開催。懐かしい方、初めての方のお顔を見ながらお話をしていると、続けられたことのありがたさがしみじみと実感されました。

続けることが大変なのは、自分の努力だけではどうにもできないからです。色々な縁が整って続けることができる。だから、私が会を「続けられた」のではなく、多くの方々のお力によって「続けることができている」んです。そう、私が始めた会ですが、私がいただいた会に変えられたんですね。まるでギフトです。

皆さんも、自分自身と向き合う時間を一緒にすごしませんか?詳細はbayareashakyo@gmail.comまで。


写真:Noriko Shiota Slusser

英月(えいげつ) 真宗佛光寺派長谷山北之院大行寺住職。江戸時代から続く寺の長女として、京都に生まれる。同業者(僧侶)と見合いすること、35回。ストレスで一時的に聴力を失う。このままではイカン! と渡米。北米唯一の日本語ラジオ「サンフランシスコラジオ毎日」でパーソナリティーを勤める他、テレビ、ラジオCMに出演。帰国後、大行寺で始めた「写経の会」「法話会」に多くの参拝者が集まる。講演会、テレビ出演、執筆など活動は多岐にわたる。最新著書『あなたがあなたのままで輝くためのほんの少しの心がけ』(日経BP社)

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