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季節性うつ -寺尾先生-

2024.09.04

配信

季節性うつ

 毎年、秋になると気分が落ち込むという経験をされる方も多いかと思います。季節性うつ病(季節性感情障害)とは、季節の変わり目がきっかけではじまるうつです。

 個人差がありますが、多くの場合、秋・冬にはじまり、春頃まで続くこともあります。原因は、日照時間が減ることによって脳内の神経伝達物質の量に変化が起こり、気分に影響を与えることだといわれています。例えば、太陽を浴びる時間が減ると、ストレスに対して効果のあるセラトニンの量が減り、ふさぎこみやすくなります。また、睡眠を司るメラトニンの量も日照時間により変化します。

 ベイエリアでは季節の変化があまりないため、四季がはっきりしている地域よりも季節性うつの可能性は低い傾向にあります。それでも、短い日照時間や気候の変化などは私たちの気分に影響を与えがちです。

 季節性うつへの対処法は、通常うつの対処法に加え、意識的に外にでて太陽光を浴びるようにしましょう。ちなみに、通常うつの対処法とは、運動、セルフケア、規則正しい生活と栄養のある食事、趣味を生活に取り入れる、笑う、悲しい気持ちについて語れる理解者を見つけ話す、などです。

 秋や冬に極端に日が短くなる地域では、人工的な太陽光に似せた光を患者に浴びさせる療法(高照度光療法)を使う場合もあります。公共機関(大学や短大など)で、図書館やラウンジなどでそのような装置が設置されているところもあります。生徒の季節性うつを防ぐのが目的です。

 秋になると、ホリデーシーズンに関するストレスや心配で、鬱になる場合もあります。感謝祭やクリスマスなどは、自分の家族が恋しくなったり、人間関係について考える機会が増えることで、気分が落ち込む人は少なくありません。そのような場合は、秋が近づいた時点で、自分がうつになるかもしれないと想定し、予防に務めるのもいいですね。自分を大事にし肯定してセルフケアも行い、必要であれば専門家に早めにつながってください。


寺尾 明希子(てらお あきこ)心理療法士

カリフォルニア州公認心理療法士、臨床ソーシャルワーカー。サンフランシスコ大学で心理学の学士号、心理学の修士号、社会福祉保健学の修士号を取得。現在はサンフランシスコ、ベイエリアで、対面とオンラインの両方で心理セラピーとコンサルテーションを提供。専門は、うつ、不安、人間関係の問題、摂食障害。家族機能不全から発生するさまざまな症状を扱う。また、問題を抱える人の家族向けのコンサルテーションも行う。

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