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偏食 -柏先生(小児科医)

2024.10.30

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偏食

 お子さんの健康診断の際、偏食を打ち明ける方はとても多いです。「ちゃんと栄養が取れているのか心配」、「限られた物しか食べないけど、かろうじて体重や身長が増えているから放っておいてもいいか」、「毎食子どもとバトルになるのは辛い」と、悩みはつきません。今回は、偏食に対してどのように向き合えばいいか考えていきたいと思います。

 まず、どの家庭でもできることは、モデリングです。親や周りの人が健康的な食卓を囲む日常を作ると良いという研究結果が出ています。親が食べず嫌いをせず、新しい食べ物にチャレンジする姿を見せると尚良いです。次に、食べる時間を決める。ごはんを食べずにダラダラとおやつを食べ続けないように気をつけましょう。食事タイムはテレビやスクリーンはオフにするのが理想的です。

 食べ物を拒まれても、気にせずにまた次の機会に勧めてみましょう。無理強いのバトルをする必要はありませんが、その食べ物の存在に慣れることが第一歩です。基本的に食卓には子どもが食べそうなものと、少量の嫌いなものを用意してみましょう。子どもが「これはやだ、あれ作って」と言ったからと新たに違うものを調理をすると、心理的に偏食の改善には逆効果だと言われています。「今日の食事を食べるか食べないか、どのくらい食べるか」を決めるのは子どもですが、「何を食べるか、いつ食べるか」を決めるのは大人であるべき、と考えられています。子どもと一緒に食品の買い物や調理、また、野菜を育てるのも良い経験になります。我が家では、息子が学校の調理実習で野菜ごろごろカレーを作り、それまで絶対に食べなかったナスをぺろりと平げた時は驚きました。

 栄養のバランスも気になりますね。アメリカではMyPlateという食べ物のバランスが推奨されています。炭水化物とタンパク質と野菜と果物、この4つの食品群を同じくらいの量食べるというものです。視覚的に子どもにもわかりやすいので食育にも便利です。野菜と果物の摂取量は、だいたい子どものにぎりこぶしくらいの大きさ5つ分の量が1日に必要だと言われています。こちらも視覚的にわかりやすいですね。タンパク質の摂取量は、だいたい子どものてのひらに乗るサイズを目安として、これを1日に2〜3回は食べられると良いですね。いきなりではなく、少しずつで良いのでこのバランスに近づけていけると良いと思います。

柏雪子(かしわ・ゆきこ)医師
アメリカ小児科学会認定医。茨木県出身。日本の高校卒業後渡米し、南カルフォルニアのロマリンダ大学医学部、同大学小児科の研修を修了する。ロングビーチ、サクラメントでホスピタリスト(病棟勤務医)の経験を経て、2015年3月より日本ベイクリニックに勤務。

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