強迫性障害(OCD)
今年も終わりに近づきました。今年一年を振り返っている方も、ホリデーを楽しく過ごしている方も、また少し寂しく思っている方もいると思います。ホリデーがどのような気持ちを沸き起こすかは、人それぞれです。いつもと同じように、他人に思いやりをもって接することを心がけています。
今回は、脅迫性障害についてです。英語ではObsessive Compulsive Disorder(OCD)。強迫観念(Obsession)があり、それをぬぐうために強迫行為(Compulsion)を繰り返し、日常生活に支障が出る状態を指します。
強迫観念とは、恐怖や不安が関わる過度な心配で、止まりません。例えば、自分や持ち物が汚れること(例:病気、体液、細菌、よごれ)に対する恐怖感。自分が誰かを傷つけてしまう(コントロール喪失)という恐怖。誰かに侵害される(泥棒や家事)という恐怖が代表的なものです。
強迫行為は、強迫観念をぬぐうために繰り返される行為。手を洗い続けたり、家の掃除を繰り返したり、ガスの元栓や戸締りを何度もしないと家から出られなかったり、整理整頓を繰り返したり、ものを順番どおりに並べ直したりします。当事者は、自分の心配もそれに対する行動も、つじつまがあわないと気づいています。それでも止めることができない状態にいるのです。
原因はまだはっきりとわかっていませんが、三つの要素が関わっているとされています。その三つとは、遺伝、脳機能、そして環境(ストレスやトラウマ)です。
治療法は、投薬(抗うつ剤や抗不安剤)と心理セラピー(認知行動療法、サイコダイナミックセラピー)が効果的とされています。家族にOCDで悩んでいる方がいる場合、強迫行為をやめなさいというアドバイスは逆効果なことが多いのでやめた方がよいでしょう。本人が困っていてなんとかしたいと思う場合は、専門家につながることをおすすめします。
寺尾 明希子(てらお あきこ)心理療法士
カリフォルニア州公認心理療法士、臨床ソーシャルワーカー。サンフランシスコ大学で心理学の学士号、心理学の修士号、社会福祉保健学の修士号を取得。現在はサンフランシスコ、ベイエリアで、対面とオンラインの両方で心理セラピーとコンサルテーションを提供。専門は、うつ、不安、人間関係の問題、摂食障害。家族機能不全から発生するさまざまな症状を扱う。また、問題を抱える人の家族向けのコンサルテーションも行う。