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歯科医療の未来に影響を与えているAI - 森田先生(歯科医)

2025.10.15

配信

歯科医療の未来に影響を与えているAI

 人工知能(AI)はもはや未来の話ではなく、すでに歯科医療の現場で現実的な変化をもたらしています。診断支援から業務効率化まで、AIは歯科医の仕事をより正確に、効率的に、そして患者主体の手助けをしています。


より正確な診断
 現在、AIが最も大きな影響を与えている分野の一つが診断画像の解析です。Overjet やPearl のようなFDA(米国食品医薬品局)承認のAIツールは、すでに多くの歯科医院で使われており、X線画像から虫歯、骨の損失、その他の異常を高い精度で検出します。これにより、歯科医師はより早く、かつ一貫した診断が可能となり、患者は適切なタイミングで治療を受けられるようになります。

患者様へのサービスを個別化
 AIは予防歯科の分野でも活用が進んでいます。患者のデータを解析し、虫歯や歯周病などのリスクを予測することが可能です。たとえば、スマート歯ブラシと連携したAIアプリは、日々のブラッシング習慣を記録・分析し、個別にアドバイスを提供します。さらに、一部の歯科ソフトウェアでは、過去の診療履歴などからリスクの高い患者様を自動的に特定できます。 

矯正・インプラント治療計画の支援
 矯正歯科では、インビザライン(Invisalign) を提供する Align Technology などが、AIを使って歯の移動をより正確にシミュレーションしています。これにより、治療期間の短縮や精度の向上が期待できます。インプラント治療でも、CTスキャンや骨密度データをもとに、最適なインプラント位置をAIが提案するソフトウェアが活躍しています。 

ワークフローと患者体験の向上
 AIは、診療以外の業務にも貢献しています。たとえば、Dental Monitoring のようなシステムでは、患者様が自宅で撮影した口腔内画像をAIが解析し、通院する必要なく矯正の進捗確認が可能になります。また、AIチャットボットが予約対応、治療後のフォローアップ、保険手続きなどを自動で行い、スタッフの負担を軽減すると同時に、患者様への対応スピードも向上します。


 AIはすでに歯科医療の現場で活躍しており、もはや「未来の技術」ではありません。診断の精度向上、治療計画の最適化、個別対応の予防ケア、業務の効率化など、多方面で歯科医療の質を高めています。今後AIを積極的に導入する歯科医院ほど、より迅速でスマート、そして患者に寄り添った医療を提供できるようになるでしょう。


森田耕平(もりた・こうへい) D.D.S.

2005年のUC Berkeley大学卒業。2009年、ニューヨーク大学歯学部卒業。2010年からニューヨーク病院で研修を開始。口腔外科、審美歯科、小児歯科、インプラント治療について研究を重ねる。ICOI(International Congress of Oral Implantologists)、ITTI(International Team of Implantology)のメンバー。2012年クパチーノで開業。 

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