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アメリカでの医者のかかり方 -紀平先生-

2025.07.30

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アメリカでの医者のかかり方 -紀平先生

 当院も毎日日本から来たばかりの方々の来院で混み合っています。今回の関税の波紋がベイエリアでは果たしてどのような形で届くのか。いずれにしても、このリビングコストの高いところでも、アメリカと日本との関係は密であることを実感させられます。アメリカでの医者のかかり方としては、① かかりつけの医者-家庭医(小児科を含む)を決める② 予約をする③ 家庭医で診断・治療できなければ、専門医の紹介を受ける、です。

① 何か健康上の問題が起こった時、また職場、学校で健康に関する証明書が必要な時など、医療面でのサポートをするのが家庭医です。まずかかりつけの医者ー家庭医(ホームドクター)を決め、かかることです。多くの疾患はたいてい家庭医が診て、診断治療できます。日本では耳や鼻の病気といえばすぐ耳鼻科にかかるところですが、簡単な副鼻腔炎や中耳炎なら家庭医が診ます。日本では内科小児科にかかってもまず耳を見られることはなかったと思いますが、アメリカの家庭医は風邪のときでも当然のように耳を見ます。皮膚の問題でもしかりです。

② 電話で予約をしましょう。アメリカでは大部分のクリニックが予約制を取っています。いきなりクリニックへ受診しても(Walk-in)予約の患者の合間に空きが無い場合、診てもらえないことになります。少し待てばいいという問題ではないのです。だって次の予約の患者さんが来ますから。COVID-19の影響で、最近ではテレメディシンー遠隔医療が多くのクリニックで導入されています。その範囲で診療可能だと考えられるケースでは、有効な手段となっています。先に写真を撮って送る皮膚の相談とか、携帯でご自分の車の運転席やら、屋外から携帯で受診される方も結構あります。それに関してもお電話で問い合わせください。

③「皮膚科を紹介してください」「耳鼻科を紹介してください」というような電話が結構かかります。どうして紹介がいるのかもわからない頭ごなしの電話も時々あります。まずはいったん家庭医に相談されることをお勧めいたします。多くの場合、専門医にかかるのは手術、手技が必要な例か難治例です。アメリカの専門医制度は日本に比べるとかなり専門化され、専門医の数も制限があります。逆にいえば、家庭医の守備範囲はかなり広いのです。当然、専門科に予約受診するには、その費用と受診までの日数が格段にかかることになります。

 以上を理解していただければ憂いなしです。

紀平 昌保(きひら・まさやす)
医学博士。名古屋市出身。名古屋大学医学部卒業。旧日本整形外科認定医。日本での医師歴7年。1992年よりアメリカで診察。アメリカ家庭科学科学会認定医。ホームドクターとして全科(内科、小児科、外科、婦人科、整形外科、皮膚科、耳鼻科、眼科、泌尿器科、精神科)、健康診断・人間ドック、理学療法担当。


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