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アルコール依存症 -寺尾先生-

2025.08.13

配信

アルコール依存症

 8月に入り、新学期がはじまる季節です。サンフランシスコベイエリアの夏は、今のところ例年より涼しいと感じます。暑さが苦手なわたしにはちょうどいいですが、プールや海が好きな子どもたちにとっては物足りないものだったかもしれません。

 今回は、アルコール依存症についてです。物質嗜癖(アディクション)のなかでも最も昔から知られているアルコール依存症は、まさに、アルコールを摂取しないと問題がでてくる状態を指します。はじめは楽しんで飲んでいても、からだに耐性がついてお酒の量や頻度が増す。飲まないと体調を崩したり、イライラしたりするようになり、もっと飲むようになり、飲むこと自体が解決策になって抜け出せない悪循環です。

 酔っ払って怒鳴る、記憶が飛ぶ、動けなくなるなどで、人間関係に支障がでる。家族や友人や職場に迷惑をかけてもやめられないという、まさにアルコールに支配されるかたちになります。

 また、イネイブラー(enabler)と呼ばれる、世話を焼いてくれる人が近くにいることも多いです。イネイブラーとは、問題を持った人と一緒にいることで自分の価値を見出す人のことを指します。妻や夫、またはパートナーの場合が多く、そのような人の近くにいることで、自分が飲酒を続けやすい環境に身をおくことになります。

 飲酒をコントロールできないと本人が認めてギブアップしたところで、治療に繋がるケースが多々あります。治療先は、同様の問題を抱える人たちと助け合う自助グループ、または医療機関が主です。1930年代、12ステッププログラムに代表される自助グループの先駆けになったのもアルコール中毒の人たちでした。自助グループは、さまざまな依存症の治療法として使われています。

 飲酒を自分でコントロールできないという無力状態を認め、自分の行動や考えを洗い出して振り返り、先ゆく人たちから学び、お互いに助け合うという状態から治療が始まります。依存している理由を見つめ、環境や考え方を改善したり、他の対処法に移行することでお酒をやめることが可能となります。


寺尾 明希子(てらお あきこ)心理療法士

カリフォルニア州公認心理療法士、臨床ソーシャルワーカー。サンフランシスコ大学で心理学の学士号、心理学の修士号、社会福祉保健学の修士号を取得。現在はサンフランシスコ、ベイエリアで、対面とオンラインの両方で心理セラピーとコンサルテーションを提供。専門は、うつ、不安、人間関係の問題、摂食障害。家族機能不全から発生するさまざまな症状を扱う。また、問題を抱える人の家族向けのコンサルテーションも行う。

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