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総領事だより

2024.07.31

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公邸での接宴① 「話題」と「セッティング」と「お土産」

総領事の重要な仕事の一つは、当地の人達を公邸にお迎えし、飲食を共にして人間関係を育てていくことです。ただし、人様の時間をいただくにふさわしい「一期一会」をどう演出するか。総領事公邸は当地の名士に来ていただくに申し分の無い立派な施設ですが、それにふさわしい「話題」と「セッティング」と「お土産」を考えるのが大事となります。  

6月には「宇宙」と「スタートアップ」に関する昼食会を催しましたが、集まった日米十人の関係者が互いに初対面の中で、日本から持ってきていた『地球の歩き方・宇宙兄弟編』を「話題」として緊張感を解きほぐし、皆さんに喋ってもらうことで、活発な意見交換と情報共有に持ち込むことができ、結果として次につながる食事会とすることができました。

また、アジア系の多い当地の状況に鑑み、5月のAAPI(アジア系米国人・太平洋諸島民ヘリテージ)月間に、アジアの各国総領事、市関係者、日系人、文化・ビジネス関係者を招待してレセプションを「セッティング」しました。当日は各国総領事が勢揃いし、女性達の多くが民族衣装で登場してくれました。香港からの移民の方が見たアジア系全体の地位向上に日系人コミュニティが果たした役割、日系人の苦難の歴史等も話してもらいました。ちなみにステージに上がったのが私を除き皆女性でしたので、妻に一言喋ってもらったところ、女性陣からは、「総領事夫人が挨拶をしているのを見たのは初めて。総領事の仕事はパートナーに支えられてのことで、このようなことはとても素晴らしい」と大好評でした。

さらに、新しい人間関係の構築、知見などは、総領事公邸に来訪された人達が持ち帰ってくれる「お土産」となります。私も現在当館として力を入れていること、例えば当地の公立学校における日本語教育クラスの縮小問題や、若手日系人と日本人の交流の拡大の課題について話すようにしています。結果として、一人でも多くの人に日本に対する良いイメージや敬意を持ってもらい、活動してもらいたいと切に願っています。 。

在サンフランシスコ日本国総領事 大隅 洋(おおすみ・よう)
1966年生まれ。東京大学経済学部卒業後外務省入省。経済安全保障課課長、在英日本大使館公使、在イスラエル日本大使館次席公使などを歴任。COVID19期間中は東京にて大臣官房審議官等を務める。2023年9月、在サンフランシスコ日本国総領事として着任。茶道を嗜み、旅行、読書、マリンスポーツを愛好。著者に「日本人のためのイスラエル入門」(筑摩書房)。


領事館のホームページでは、
総領事の活動報告 「総領事便り」を掲載しています。
コチラよりぜひご覧ください。

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