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エコノミークラス症候群

2021.07.09

配信

エコノミークラス症候群

エコノミークラス症候群という言葉を聞かれたことがあると思います。これは何も飛行機の座席の狭いエコノミークラス席で発症するという病気ではなく、ファーストクラスやビジネスクラス、さらに列車やバス、普通の車などでも発症する可能性があります。長時間同じ体勢で狭いところにいることが原因となります。

エコノミークラス症候群の本質

深部静脈血栓症(DVT: Deep Vein Thrombosis)で、体の深部にある静脈(大腿静脈・膝窩静脈など)に血栓(血のかたまり)が出来る病気です。

その原因としては長時間同じ姿勢で居続けることや、心不全、下肢静脈瘤、血液凝固の亢進(血が固まりやすくなること、余談ですが、コロナの感染症で静脈だけでなく動脈にも血栓ができ、比較的若い人にも脳梗塞をおこすことがあるということも知られています)脱水、癌、手術、避妊ピルなどのようなエストロゲン製剤の使用などが挙げられます。

深部の太い静脈に血栓ができるということは、急に血の返りが悪くなったことを意味します。しびれや皮膚の変色、浮腫などといった症状がでることもありますが、無症状のこともあります。

この血栓が血流に乗って心臓を介して肺へ流れ肺動脈が詰まると、肺塞栓症となります。肺動脈が詰まるとその先の肺胞の機能が止まり、酸素と二酸化炭素の交換ができなくなり、その範囲によっては呼吸困難をきたし、最悪の場合死に至ります。

予防には 

長時間にわたって同じ姿勢をとらないこと、時々下肢を動かすことです。飛行機内では、着席中に足を少しでも動かしたりすることが大事で、足の指を動かすだけでも下肢のポンプが働き血流を促します。また、周りの人に迷惑をかけない程度に貧乏ゆすりをするのも予防としてはいいのかもしれません。

脱水を起こさないよう、適量の水分を摂るのが大事ですが、利尿作用のあるアルコールやカフェインを含むお茶、紅茶、コーヒーなどは、かえって脱水を引き起こす恐れがあるので、水分補給目的としては避けたほうが良いでしょう。また、アスピリンには血小板の凝固を防ぐ効果がありますので、手軽に手に入る予防薬として役に立ちます。

アメリカではコロナが収束する「雰囲気」があります。急にリオープンになり今までのうっ憤を晴らすかのごとく人々が旅行をするようになりました。読者の方もこの予防法を守って安全で楽しい旅をご享受ください。



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