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カップルセラピーとコミュニケーション -寺尾先生-

2024.07.03

配信

カップルセラピーとコミュニケーション

 心理療法は症状がある時だけでなく、生活や人生を向上したい場合や自分について理解を深めたいときに使われます。例えば、過去の経験を通して培った考え方や行動パターンが今の自分をしばっていると感じる。子どもや親との関係がうまくいっていない。イライラするとつい相手に向かって怒ってしまうなど、さまざまな理由を抱えた人が、個人情報守秘を徹底しているライセンスを持った心理療法士に相談にきます。

 心理療法士は、相談者が安全に話せる場をつくり、今まで本人が気づかなかったことまで話せるように導き、気づきを促して変化をもたらせる手伝いをするのが仕事です。実際に変化を起こすには、本人の努力も不可欠です。そこまで辿り着くために、言葉で刺激するのも、見解を述べるのも、聴くことに徹底するのも、それは心理療法士の力量とスタイルによります。

 恋人や夫婦がセラピーにくると、カップルセラピーとなります。カップルとしてどうなりたいかを聴き出し、そこに焦点をあててワークをしていきます。カップルセラピーを受ける理由はさまざま。けんかが多いという夫婦、結婚する前に相性を確認したいという未婚のカップル。または相手に傷つけられて、そのことに関する意見を二人で出し合って理解を深めたい、または子育ての方針が噛み合わず、話し合って統一したいなど。当人同志では話し合いがうまくできない、または難しくて尻込みするという状態で来るので、悩みの奥の問題を浮き彫りにするのと同時に、安全なコミュニケーションができる場をつくり、効率的な話し方を練習していきます。

 一緒に行動していても、相手ときちんと向き合う時間はどのくらいあるでしょうか。ある研究では、接してる時間のうち10%以下という結果がでています。だとすると、その他90%は誤解が起こるリスクがある。また、けんかがなくなるということはありません。相手からの言葉に自分が反応したとき、自分の気持ちと考えを相手に伝え、ニーズを伝え、相手もそれを聴くことが大切です。けんかも対処次第で、二人の関係が深まるきっかけにもなり得ます。また、自分たちがもともと持っていた良いところを思い出して、ポジティブに考えていくことも大事です。


寺尾 明希子(てらお あきこ)心理療法士

カリフォルニア州公認心理療法士、臨床ソーシャルワーカー。サンフランシスコ大学で心理学の学士号、心理学の修士号、社会福祉保健学の修士号を取得。現在はサンフランシスコ、ベイエリアで、対面とオンラインの両方で心理セラピーとコンサルテーションを提供。専門は、うつ、不安、人間関係の問題、摂食障害。家族機能不全から発生するさまざまな症状を扱う。また、問題を抱える人の家族向けのコンサルテーションも行う。

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