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パンデミックで浮き彫りになったこと

2021.06.21

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パンデミックで浮き彫りになったこと

アメリカではパンデミックが終わりかけている雰囲気が漂っています。先日、サンマテオ郡ではCOVIDの新しいケースが皆無だったとの嬉しいニュースを目にしました。パンデミックの間は、日常生活が突然奪われて心が追いついていかないという経験をされた方も多いかと思います。私たちの人間としての適応能力が今までにない形で試された気がします。

同時に、心の悩みや問題もさらに注目されるようになりました。私のところにも多くの方々からの相談が寄せられています。家族機能不全とそれにまつわる様々な症状や人間関係の問題が専門なので、自分の生まれ育った環境を見つめてみたいという方々からのご連絡も多いです。その中で感じるのは、パンデミックが問題を起こしたというよりも、パンデミックによって今までの問題が浮き彫りになって専門家を訪れる方が多いということです。

心の悩みや問題は、日本社会では長い間タブーとされてきました。それが今、少しずつ変わりつつあります。有名な方々が自分の症状などを語っていくのも、社会全体が「心の悩み、問題や病気はよくあること」と理解することに繋がります。統計を見ると、実に多くの方々がうつや不安や人間関係の問題などを抱えています。心の問題は、体の症状にも繋がりますし、人が幸せに生きていけるかいけないか、に大きく影響します。最重要項目の一つです。

心の問題は、うつ病や不安症やPTSDなど、いわゆる診断名がつく「病気」から、「自分らしく生きていない気がする」「生きづらい」「子どもに辛く当たってしまう」「夫や恋人を傷つける言動を取ってしまう」などの、人生の質を向上する目的のものまで様々です。今まで育った過去の家族や環境、今の家族を見つけることも大変役立ちます。完璧な人はいなく、完璧な家族もありません。いろんな環境の中で人は生きていきます。

自分自身を見つめ、これからの人生に投資する意味での心理セラピーも、今になって多くの日本人の方々が活用し始めているのは大きな進歩だと思います。多くの方が心について学ことで、偏見も少なくなっていきます。私も臨床活動に加え、情報提供を通して日本人社会に貢献することを努めています。


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