虫よけスプレー
外遊びやキャンプなどに最適なベイエリアの夏ですが、蚊やダニなどの虫刺されは痒みだけでなく、ライム病やウエストナイル熱などの重篤な病気の原因にもなりますので、虫よけに留意して夏を満喫してほしいものです。虫よけによく使われるDEETを含む商品は、スティックタイプやローション、非圧縮スプレーがあって便利です。効果もありますが正しく使わないといけないので、以下に注意点をまとめてみました。
・使用方法を必ず読むこと
・加圧式スプレーは子供が吸い込んだり目に入ったりする事故が起こりやすいので使わない
・小さい子どもには親の手で塗布し、大きい子が使う時も見てあげる
・十分な量を使うが、不必要に多く塗らない
・目や口に入れてしまうから子供の手には塗布しない
・子どもが吸い込まないように広い所、屋外で使用する
・傷口や湿疹のある場所は避ける
・日焼け止めはより頻回に塗らないといけないため、日焼け止めを含むものは使わない
・屋内に戻ったら虫よけスプレーを使った所は石鹸で良く洗い、着ていた服も洗う
・子どもの手の届かない場所に保管する
・顔に塗る場合は直接でなく、少量を手にとってから塗る
・目の周りや口の周りは避ける
・外に出ている部分のみに使用、服の下には塗る必要なし
DEETの濃度が高いほど効果は長持ちします。10%なら2時間、30%なら5時間有効ですが、高濃度のものは皮膚を荒らしやすいので低濃度のものを選びましょう。
虫よけスプレーは虫を殺すのではなく、虫を寄せつけないために使います。また、蚊、ダニ、ツツガムシには有効ですが蜂には効きません。虫よけネットをカーシートやストローラーにかけるのも効果的です。もし皮膚がかぶれたら石けんでよく洗い流し、医療機関を受診するか、Poison Control に連絡して下さい。
矢野文子(やの・あやこ)医師
東邦大学医学部卒業。日米小児科学会会員。米小児科認定医。旧日本小児科学会認定医。東邦大学第二小児科学教室に所属して東邦大学付属大橋・大森病院や国立精神・神経センター武蔵病院勤務等を経て、ニューヨークのコロンビア大学医学部に研究留学のため渡米。数々の試験や研修の後、2003年にベイエリアに移住し日本ベイクリニックに小児科医として勤務。医学博士号取得。NY州とCA州の医師免許あり。