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自覚症状が出る前に治療した方が良い理由 - 森田先生(歯科医)

2025.04.16

配信

自覚症状が出る前に虫歯治療した方が良い理由

 「歯が痛くなったら歯医者に行けばいい」と思っている方は多いかもしれません。しかし、実はその考え方は歯の健康を守るうえであまりお勧めできません。虫歯は、痛みやしみるといった症状が出る頃には、すでにかなり進行してしまっていることが多いからです。アメリカでは特に、定期的に歯科医院に通い、早期発見・早期治療を行うことが推奨されています。では、症状が出る前に治療をすることの重要性について詳しくお話ししたいと思います。

 

症状が出るということはどういうこと?
 歯に痛みや違和感を感じるということは、虫歯が歯の神経に近いところまで進行してしまっている状態を意味します。虫歯は最初、歯の表面から少しずつ進行し、時間をかけて大きくなっていきます。そして、虫歯が神経の近くまで達すると、冷たいものや熱いもの、甘いものがしみるようになったり、ズキズキとした痛みが現れたりします。さらに歯にヒビが入っていたり、割れていたりする場合も、同じように強い刺激に敏感になってしまうことがあります。

 

 大きな虫歯治療と普通の虫歯治療の相違点
 虫歯が小さい段階であれば、必要最低限の部分だけを削り、小さな詰め物をするだけで治療が完了します。しかし、虫歯が大きくなると歯の破損部分も広がってしまい、その範囲が大きいと詰め物では対応できなくなってしまいます。その場合は、セラミックなどでできた被せ物(クラウン)で歯全体を覆う治療が必要になることもあります。さらに虫歯が神経にまで達してしまうと、「神経治療(根管治療)」と呼ばれる処置が必要になります。これは、歯の内部にある神経や血管を取り除き、消毒を行った後に薬剤で埋め、最後に被せ物を装着するという治療法です。虫歯菌が神経まで到達してしまうと、この治療が避けられない場合が多いのですが、可能であれば神経は残しておくことが理想的です。

 

大きな虫歯治療のデメリット
 大きな虫歯治療には、時間や費用がかかるだけでなく、治療後もその歯は他の歯に比べて再びトラブルが起きやすくなる傾向があります。場合によっては、抜歯が必要になってしまうこともあります。もちろん、痛みや症状が出た場合は歯科医院を受診して適切な治療を受けることが大切です。しかし、痛みを我慢して放置してしまうと、症状はさらに悪化し、治療自体も難しくなってしまいます。だからこそ、できるだけ早い段階で歯科医院を受診し、問題を未然に防ぐことが重要なのです。


森田耕平(もりた・こうへい) D.D.S.

2005年のUC Berkeley大学卒業。2009年、ニューヨーク大学歯学部卒業。2010年からニューヨーク病院で研修を開始。口腔外科、審美歯科、小児歯科、インプラント治療について研究を重ねる。ICOI(International Congress of Oral Implantologists)、ITTI(International Team of Implantology)のメンバー。2012年クパチーノで開業。 

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