メディケアとは、65歳以上の高齢者や一定の障害を持つ人を対象に、米国連邦政府が提供する公的医療保険制度である。ここではメディケアの基本知識について解説する。
メディケアの受給資格
メディケアの受給資格は、65歳以上の米国市民とメディケア申請前の5年間を含め米国に5年以上合法的に居住している永住者などが該当する。主に高齢者の医療費負担を軽減することを目的としており、65歳未満でも一定の障害を持つ人や、末期腎不全(ESRD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を患う人も対象となる。
メディケアの種類
メディケアは大きく分けて、政府が提供するオリジナル・メディケア(パートA・B)と、民間保険会社が提供するパートC、パートD、メディギャップ(補足保険)で構成されている。
パートA:入院保険で、病院への入院費用、高度看護施設、ホスピスケアなどをカバーする。
パートB:医療保険で、医師の診察、外来治療、検査などの医療費をカバーする。
パートC:メディケア・アドバンテージと呼ばれ、パートAとBの両方に加入している人が購入できる。HMOやPPOなどのネットワークを通じて民間保険会社が医療サービスを提供するもので、多くのプランには処方薬保険(パートD)が含まれる。また、プランによってはビジョン、デンタル、補聴器、フィットネスジムなどの追加サービスが付く場合もある。
パートD:処方薬の費用を補助する保険で、民間保険会社が提供する。
メディギャップ:パートAとBで発生する自己負担(Deductible、Copay、Coinsurance)を補う保険で、こちらも民間保険会社が提供する。ただし、処方薬(パートD)やデンタル・ビジョンの保険は含まれない。
メディケアの保険料
パートA:パートA:10年以上働きメディケア税を納め、40クレジットを取得している人とその配偶者は無料で加入できる。条件を満たさない場合でも、保険料を支払うことで加入可能である。
パートB:収入に応じて異なるが、2026年は月額202.90ドルからとなっている。
パートC、パートD、メディギャップの保険料は、プランや加入年齢などによって異なる。
オリジナルメディケアの加入時期
65歳の誕生日月の3カ月前から3カ月後までの計7カ月(初期加入期間:IEP)に行うのが基本である。この期間にパートAとBをソーシャルセキュリティーオフィス(公式ホームページからも申請可能:SSA.gov)で申請する。すでにソーシャルセキュリティー年金を受給している人には、メディケアカードが自動的に郵送され、パートBの保険料は年金から差し引かれる。初期加入期間を逃した場合、1月1日から3月31日までの一般加入期間に申請することもできるが、ペナルティーが課される場合がある。また、65歳以降も勤務し会社のグループ保険があり一定の条件を満たしている場合は、退職後8カ月以内であればペナルティーなしで加入できる。
加入遅延ペナルティー
加入が遅れるとパートBは1年遅れるごとに10%、パートDは1カ月遅れるごとに基準保険料の1%が一生涯保険料に加算されるため注意が必要である。
メディケアプラン変更期間
毎年10月15日から12月7日までの年次登録期間(AEP)には、翌年のパートCやパートDのカバレッジ内容を見直し、プラン変更が可能となる。
メディケアは制度が複雑で、毎年内容も変更されるため、自身の健康状態やライフスタイルに合ったプランを選ぶことが重要である。必要に応じて専門家に相談し、適切な保険を選択することが望ましい。
情報提供:Rumiko Matsumoto & Copeland Group USA
rumiko.matsumoto88@gmail.com