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日本とアメリカの遺産相続について

2026.05.01

配信

日本とアメリカの双方に財産を持つ場合、相続対策には慎重な整理が求められる。日米それぞれで作成される遺言関連書類は、扱い方を誤ると、本来の意思とは異なる結果を招きかねない。ここでは、国をまたぐ相続を考えるうえで押さえておくべき視点を整理する。

日本における遺言書の作成

アメリカに居住し、日本とアメリカの双方に財産を有する場合、遺言書をどこで作成すべきか迷うことが多い。この点は法律的には複雑な問題を含んでいるが、基本的にはアメリカにある財産についてはアメリカでリビングトラストやウィル(遺言書)を作成し、日本にある財産については日本で公正証書遺言を作成するのが適切とされる。

リビングトラストと公正証書遺言の食い違いがある場合

アメリカで作成されたリビングトラストと、日本で作成された公正証書遺言はいずれも有効であるため、両者の内容に食い違いが生じる可能性がある。この場合、時間的に後から作成されたものが有効となり、先に作成されたものの内容は無効となる。意図しない無効化を避けるため、両者の内容に矛盾が生じないよう十分な注意が必要。

日本で公正証書遺言を作成する方法

日本で公正証書遺言を作成する場合、遺言者本人が日本の公証役場に出向く必要がある。オンラインによる本人確認のみでは不十分なため、帰国の機会を利用して作成するのが現実的。作成にあたっては、事前に日本の弁護士と遺言内容を確定させたうえで、公証人との日程調整を行う必要がある。

公正証書遺言やリビングトラストは書き換えができるか

公正証書遺言およびリビングトラストはいずれも、必要に応じて何度でも書き換えができる。書き換えが行われた場合、後から作成された内容のみが有効となり、古いものは無効となる。

公正証書遺言の有無はどのように確認できるのか

公正証書遺言を作成した場合、あらかじめその事実を親族(法定相続人)に伝えておくことが重要。本人の死亡後は、親族が公証役場に問い合わせることで、公正証書遺言の有無や内容を確認できる。公証役場は全国で情報が共有されているため、遺言書を作成した公証役場でなくても確認が可能である。全国いずれかで作成された公正証書遺言についても検索できる。

日本で公正証書遺言がない場合

日本において公正証書遺言がない場合、日本にある財産は、法定相続分に基づいて分配されるか、アメリカのリビングトラストの内容に従って分配される。アメリカのリビングトラストは日本でも有効であるが、日本での執行方法については別途検討が必要。不動産の名義変更や銀行預金の解約手続きなど、実務上の対応が必要となる。これらの手続きには専門的な判断を要するため、国際相続・国際家事を扱う弁護士へ相談するとよい。

リビングトラストの内容を再度確認しよう

アメリカで作成されるリビングトラストやウィルは英語による長文となるため、その内容や法的意味を十分に理解しないまま保有しているケースも少なくない。実際の案件では、全世界の財産が親族以外の第三者に遺贈される内容となっており、親族と受益者との間でリビングトラストの有効性が争われた例もある。リビングトラストの内容については、専門家による確認が重要。自身の意思が正確に反映されているか、定期的な見直しをおすすめする。

情報提供:代表弁護士 栗林 勉 Kuribayashi Sogo Law Office
www.kslaw.jp

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