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ビザの種類

2026.05.01

配信

通常、米国に入国するにはビザ免除プログラム(ESTA)を利用するか、またはそれぞれの目的にあったビザを取得する必要がある。ビザにはさまざまな種類があり、認可されている滞在期間を越えると将来の渡米に支障をきたすため、注意する必要がある。ここでは主な短期滞在のビザの種類を紹介する。

主な非移民(短期滞在)ビザ

■ A-1・A-2(外交・公用)ビザ

国の元首・大統領、外交官等が純粋に自国政府の公務遂行のために渡米する際、実際に遂行する任務、あるいは公務が政府本来の特性を備えている場合に利用できる。

■ B-1・B-2(短期商用・観光用)ビザ

米国を源泉とする給与や金銭の受領を伴わない商用または観光目的で渡米する場合に申請できる。詳細は米国国務省主催のホームページを参照のこと。B-1・B-2ビザで許可されている活動範囲はビザ免除プログラムと同様なため、滞在期間が90日以下の場合はビザ免除プログラムを利用できる。ただし、ビザ免除プログラムと違い、他のステータスへの変更申請をアメリカ国内で行うことができる。

■ C(通過)ビザ

米国を通過して第三国へ旅行するために利用する。ただし、90日未満の短期旅行であればビザ免除プログラムを利用できる。

■ D(クルー)ビザ

米国に入航・着陸する船舶、飛行機の乗務員、乗組員が利用するビザである。

■ E-1・E-2(条約加盟国貿易駐在員・投資駐在員)ビザ

米国と通商航海条約を締結している国籍所有者(日本を含む)が、米国との貿易や米国内での実質的な投資を行う場合、Eビザを米国大使館、あるいは米国移民局を通して申請できる。Eビザ取得を望む企業は、在日米国大使館にて会社がE企業登録をする必要がある。E企業登録申請を行う企業の50%以上の所有権は条約加盟国(日本)の国籍所有者でなければならず、Eビザ申請者も企業の所有者と同国籍でなければならない。Eビザ申請は企業の貿易事業、あるいは投資事業の内容が規定の条件を満たしている場合のみ可能である。また、初回のEビザ申請においては、企業が条約貿易企業または条約投資企業としての要件を満たしていることを証明するため、投資内容、貿易実態、事業の継続性および収益性、ならびに当該事業が実在し運営されていることを示す証拠が含まれ、事業の実在性や継続性などが審査される。Eビザの延長申請の回数については特に制限がない。

■ F-1・M(学生用)ビザ

米国の大学、高校、語学学校などで就学する場合にはF-1ビザを申請する。F-1ビザの申請には、SEVIS(Student and Exchange Visitor Information System)使用のI-20を発行できる政府公認の教育機関(studyinthestates.dhs.gov/school-search)からフルタイムの学生として受け入れられていることが前提となり、ビザ取得のためにI-20の提出が求められる。専門学校等のプログラムに参加するためには、Mビザを申請する。就学が終了すると新しいビザの申請手続きを行わない限り、卒業後あるいはOPT終了後60日間以内に米国を退去する必要がある。2016年以降、サイエンス、テクノロジー、エンジニアリング、数学(通称STEM:Science、Technology、Engineering、Math)の分野において学位を取得した卒業生には、OPTをさらに最長24カ月まで延長申請が可能になり、STEMの学位を持つF-1学生は合計36カ月のOPTが可能。

2008年度以降、学生ビザ保持者がOPTの労働許可証を保持している場合、10月1日就労開始のH-1Bビザへのステータス変更を期間内に申請した者の労働許可証については、一定の条件を満たす場合には自動的に延長される制度(いわゆるCap-Gap)が適用される。これにより、学生ビザ所持者がOPTステータスを取得していた場合、OPT期間終了後であっても、雇用主がH-1B申請を行い結果待ちの間は引き続き就労が認められる場合がある。

■ H-1B(特殊技能職/専門職)ビザ

米国移民局は、2021年度より新しいH-1Bキャップ手続きに対し「事前登録制度」を導入した。以前までは毎年4月1日にキャップシーズンが開始され、雇用主は管轄の米国移民局にその年の10月1日雇用開始のH-1B申請を、短い受付期間内に申請していた。現在、H-1Bビザは電子登録制度(事前登録制度)により抽選が行われている。


専門職従事者(プロフェッショナル)が米国で就労するためのビザである。職務内容と密接した分野の4年制大学の学位を取得していることが前提だが、十分な実務経験を積んでいれば学位と同様にみなされる場合がある。最初3年までのビザが下り、通常は最高6年まで延長可能である。6年を超える延長は、雇用ベースの永住権申請手続きが適切に開始されている場合に限り認められる。具体的には、PERM労働認定申請またはI-140移民請願が、H-1Bステータス6年目終了の365日前までに申請されており、かつ移民ビザの発給待ち等の理由により最終段階(I-485等)に進めない場合には、最長3年単位での延長が認められる場合がある。

● H-1Bポーティングに関する情報

H-1Bビザ保持者は、ポーティングとよばれる雇用主変更手続きができる。ポーティングの場合、枠の制限とは関係なく職場を移転することが可能。新しい雇用主よりH1-B申請が済めば、許可を待たずに雇用先を移すことが可能である。H1-B保持者は、最低限、以下の条件を満たしている必要がある。

(1)合法的に入国し、最後に入国してから不法労働の経験がない。

(2)申請に法的根拠が十分ある。

(3)現在のステータス期限以内に申請する。

■ H-2(一時的技能職・非技能職者)ビザ

一時的あるいは季節労働職のためのビザで、農業労働者(H-2A)用と、農業以外の技能職・非技能職(H-2B)用と分かれている。H-2Bビザは通常大学の学位を必要とする職種やハイテク関係の職種には該当しない。ビザを取得するためには、スポンサーとなる雇用主が必要である。これらのビザは通常1年下り、状況によって3年まで延長することが可能である。

■ H-3(訓練生用)ビザ

H-3ビザは母国にはなく、米国に存在する専門職者用訓練のプログラムために渡米する場合に利用され、状況によって2年まで延長することが可能である。

■ I(外国報道関係者用)ビザ

外国報道機関を代表する者のビザで、新聞社、TV局、ラジオ局等、外国籍の報道機関の社員、あるいは契約社員が申請できる。通常、1年毎しか下りないが、発給回数の上限はない。

■ J-1(交流訪問者用)ビザ

学校や企業、非営利団体が後援する公認の交流訪問プログラムに参加するために発給されるビザである。通常は、国務省に認証されたJスポンサー組織を通して申請するビザであり、それら組織はこちらを参照のこと。

■ K-1(米国市民のフィアンセ用)ビザ

米国籍を持つ人と婚約し、米国で結婚後、引き続き永住を希望する場合に申請できる。フィアンセは入国後90日以内に結婚し、永住権申請を行う必要がある。ビザの延長は認められない。

■ K-3・K-4(米国市民の配偶者とその子ども用)ビザ

米国市民の外国籍の配偶者とその21歳未満の子どもはそれぞれK-3・K-4ビザで渡米し、米国で永住権申請の手続きを行い、結果がでるまで米国の滞在が可能である。事実上、この種類のビザ申請の処理が移民局により大幅に遅れていることを理由に、永住権が認可されるまでの期間を米国内で待つためにこのビザを申請したとしても、永住権申請の処理が先に行われるため、このビザカテゴリーを申請する価値はない。時間と申請費用が無駄になるため、実務上、このビザカテゴリーはほとんど利用されておらず、承認される可能性も極めて低いため、申請は推奨されない。

■ L-1(企業内派遣者用)ビザ

L-1ビザは、多国籍企業の社員が米国内の親会社、支社、系列会社、子会社へ派遣される場合に発給されるビザである。派遣者は米国の法人または支社の従業員である必要があるが、海外から支払いを受けることは可能。ビザ申請者は、マネージャーまたは役員、もしくは特殊な知識の持ち主のいずれかで、過去3年のうち少なくとも1年以上、継続して米国外の姉妹会社で勤務した経験を持っていなければならない。更に、派遣者が米国滞在している期間、米国外で運営されている会社が存続していなければならない。

■ O(卓越技能者用)ビザ

Oビザは、科学、芸術、教育、事業、スポーツの分野において卓越した能力を持つ場合に利用されるビザである。このビザ・カテゴリーは、移民局の基準が非常に高いため、取得が最も難しい。このビザを申請するには、適切な請願書を提出するために多くの証明資料、および作業と時間がかかる。

■ P(運動選手、芸術家、芸能人用)ビザ

Pビザは、国際的に業績を認められている個人の運動選手やチーム、文化的に珍しい芸能を披露するために芸能人、芸術家に利用されるビザである。

■ Q(国際文化交流用)ビザ

国際的文化交流のための実用訓練や雇用、または母国の歴史・文化・伝統芸能等を広める目的で利用されるビザである。育児係り(オペア)や交換留学プログラムの参加者として渡航する場合は、通常QビザかJビザが利用される。

■ R(宗教家用)ビザ

過去2年間以上の経歴のある宗教家が、米国の提携する宗教団体をスポンサーとして、米国での宗教分野における短期雇用を行うときに利用されるビザである。ビザは長くて5年間下りる。

雇用ベースの永住権の申請

永住権申請中、Form I-485(永住者への変更手続き)、またはForm
DS-230/DS-260(米国大使館を通して永住権申請手続き)の申請
を予定している、あるいは既に提出した人は、米国から出国する前に
移民弁護士と確認を取るべき。ただし、有効なHまたはLビザの滞在資
格を保持している人は、該当しない。I-485の提出後にアメリカを出入
国するには、米国移民局が発行する仮出入国許可証(Advance
Parole Travel Document)を取得していなければならない。仮出
入局許可証を取得せずに出国してしまうと、永住権申請の取消原因と
なるだけではなく、米国に戻ってくることが難しくなる可能性がある。


■ EB-1(第一優先)プライオリティー・ワーカー

*いずれも労働許可証は不要。

(1)「卓越した能力の持ち主」:芸術、科学、教育、ビジネス、スポーツの分野で国際的賞賛に値する卓越した能力の持ち主。

(2)「優秀な大学教授・研究者」:特定の学術分野で国際的賞賛に値する場合。

(3)「米国赴任する多国籍企業の管理職またはマネージャー」:米国外で過去3年間のうち最低1年間は、その企業の管理職またはマネージャーとして雇用され、同企業の米国支店、提携企業または子会社で、同様な職務の雇用を約束されている場合。

■ EB-2(第二優先)高等な学位を持つ専門職従事者、あるいは秀でた能力の持ち主

(1)「高等な学位を持つ専門職」:大学院での修士号、博士号などの学位やロー・スクール、メディカル・スクール等、大学卒業後に高等学位を取得した者。または、最低5年間の専門職の実務経験の持ち主。一部のケースではPERM労働認定申請が必要となる。

(2)「芸術、科学、ビジネスの分野で秀でた能力の持ち主」:芸術と科学、ビジネスの特定の専門分野で国内での賞賛に値する場合。

■ EB-3(第三優先)専門職従事者、熟練・非熟練労働者

労働資格認定申請(PERM)は、雇用主がまず米国の労働市場にて比較的同等な経験を持つ人材がいないか募集活動をし、スポンサーしたい従業員に提供したい「空席」のポジションを米国人労働者により埋める機会を作るために必要。そのため、このプロセスで指定される規則を違反したり、米国人労働者がそのポジションを埋めたりすると、米国労働省がPERMを認めないこともある。そうなると、スポンサーしたい従業員の雇用につながらないリスクがあり、費用と時間がかかるプロセスになる。

(1)「専門職従事者」(高等な学位は必要ない):大学または専

門学校での学位を保持し、実務経験も5年以内の場合を対象。

(2)「熟練労働者(技能者)」:通常、大学の学位は必要ないが、少なくとも2年の研修あるいは実務経験が必要な職種。

(3)「非熟練労働者」:上記の(1)、(2)のカテゴリーに属さないような職業で、一般に2年以内の研修期間を必要とする場合を対象。

■ EB-4(第四優先)特別移民

(1)著名な宗教団体に属する労働者

(2)外国免許を持つ医師・看護師で、米国の長期滞在者

(3)長期間米国政府の職員であった外国人労働者

(4)国際団体の元役員や元職員で一定期間以上の米国滞在者

■ EB-5(第五優先)投資家

通常、米国で新規の事業に105万ドル以上の投資を行い、最低10人の米国労働者に雇用機会を与える必要がある。投資場所が過疎地の場合、また市街地でも失業率が全国平均の150%を超える場合は、80万ドルでも認められることもある。

*この他に米国市民の最近親者、米国市民や永住権保持者の優先家族として、あるいは移民多様化ビザ抽選プログラムを通して永住権の申請をすることもできる。

永住権の保持

永住権を取得するということは、米国を永住地と見なすことを意味する。従って、永住権保持者が米国を働きながら住み続ける永住地と見なしていないと米国移民局が判断した場合、永住権を失う可能性がある。通常、永住権保持者が米国を1年以上離れると、永住権放棄と見なされる可能性が高くなる。また、毎年便宜的に一時滞在するだけでは永住権を保持することはできない。永住権を保持し続けるには、米国で永住する「意志(Intent)」の表明が必要となる。米国の納税申告書の提出など、租税条約の恩恵を受けるために「非居住者」として米国の納税申告書を提出した場合、それは米国の永住権を放棄したことを示す兆候となる。その証明のために米国の住所の保持、米国の税金申告書等の証拠の提示を求められる。米国を1年以上離れる必要がある場合は、出国前に移民局にI-131の申請をする必要がある(www.uscis.gov/i-131)。永住権(グリーンカード)は、実際には日本に住んでいる人のため旅行ビザではない。当事者が実際は日本に住んでいることが判明した場合、移民局は永住権を取り消したり、没収したりするため、要注意。

*この記事は、一般のビザ取得の内容を説明するために提供されたものであり、個々の件に対する法的アドバイスではない。特定の状況における問題は、専門の弁護士に相談されることをおすすめする。

情報提供:翠(みどり)法律事務所
www.midorilaw.com



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