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柳家東三楼の「Break a leg 落語の時間ですよ」Vol.34

2024.01.17

配信

日本とは違う景色の落語を

 ベイスポ読者の皆さま、あけましておめでとうございます。昨年はベイエリアに3カ月以上滞在し、15公演以上の落語会をさせていただきました。ニューヨークでは1、2回しかしていませんし、テキサス州も10回くらいですので、ベイエリアは年間公演数第一位になります。2カ月滞在した日本よりも多いと思います。

 年末に2カ所で「芝浜の会」をしました。サニーベールのレストランSetoさんと、サンフランシスコの桑港寺さんです。4年前のマンハッタン公演以来の芝浜でしたが、セリフが熟成され、自分なりに満足のいく出来でした。落語はワインのように、噺家の中で良い時期があるのです。ベイエリアは子どものお弟子さんが客席やゲストでいますので、しっかり稽古をして高座にかけているのが良いのでしょう。

 暮れに桑港寺での会が終わったあと、友人と食事をし、その後友人の取ったホテルの部屋でジャパンタウンを見下ろしながら、二次会のような喋り場を楽しみました。暮れに芝浜をやり、サンフランシスコの街を眺めるというのは、自分が入門した20代の頃からは想像のつかないことでした。師匠の芝浜に心を打たれて噺家になり、このようなカタチで自分の芝浜の世界を演じるようになるとは。しかし、それが僕の人生でそう望んでなったという意味で、僕は想像以上の幸せを掴んでいるように感じました。

 ホテルでは友人とワインやチャミスルを飲みながら新年の抱負を語りました。僕は目標を数値化し、一年の目標にしました。友人は当地の大きなIT企業に勤めていて、話の内容、目標が非常に明確で、こりゃあ日本と全く違う考え方で生きているんだなと、アメリカ移住に慣れたと思い込んでいた自分の襟を正しました。

 これまでどれくらい落語をしたかわかりません。芝浜も10回以上はやっているでしょう。それでも僕に芽生えた感慨のような変化は、芸にも語りかけ、体の内側から僕の落語の組成を変えてしまったように思います。

 春に見たサンフランシスコの夜の霧、暮れの静かさの中の都会、それはニューヨーク、マンハッタンで得る肌触りとはまるで違いました。

 アメリカの様々な場所でゆっくり落語会をしていきたい。街の中に僕の落語がスウっと入って、ザラっと言葉が生まれてきたら、日本でやるいつもの落語とは違う響きの芸ができるかもしれない。今年の暮れもベイエリアで芝浜をして、友人と語った目標の答え合わせをしたい、そんな風に新年を迎えた2024年です。

 今年もよろしくお願い申し上げます。



柳家東三楼(やなぎやとうざぶろう) 落語家歴25年。真打として日本全国で落語を披露する中で世界中の人に落語を知ってもらいたいと、2019年よりアメリカへ移住。現在はNYのブルックリンを拠点にアメリカにてすでに200回以上の公演を行う。50州すべての州にて落語公演を実施することを目標に、日々精力的に活動中。

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