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アメリカの法律 In-and-Out Vol.05

2024.06.19

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Vol.05 : ハミコ、逮捕される! の巻

前日の晩は、ベイエリアの起業家が集まる飲み会でした。久々のお酒でかなり酔っぱらってしまったハミコ、そのまま車で帰路につき、途中でパトカーで静止させられました。日本にいたときは飲酒運転なんて無縁だったのに…。車から降ろされて色々と質問を受け、片足で立ったり、目を閉じて10秒を数えたり。アルコールの呼気検査もされた後、気が付いたら手錠を掛けられ、パトカーでJail(拘置所)に連行されてしまいました。血液検査も行い、全ての検査でBAC(血中アルコール濃度)が0.10%程度だったようです。  

BAC 0.08%以上の状態での運転は、Driving Under Influence(通称DUI)という犯罪です。警察に見つかれば逮捕されますが、多くの方はBail Bond(保釈金)を支払うことで、翌日には保釈を認めてもらえます。現金で支払うのが難しい場合には、Bondsman(保釈保証業者)を利用することもできます。  

身柄はすぐに解放されても、飲酒運転をしてしまった代償は小さくありません。まず頭に浮かぶのは刑事裁判でしょう。BAC検査を覆して無罪を主張するのはなかなか難しく、有罪を覚悟する必要があります。法定刑は禁錮と罰金ですが、多くの場合は、司法取引で日数と金額を決め、かつ、禁錮の代替措置として社会奉仕活動(ハイウェイの脇でオレンジ色のジャケットを着た方が清掃をしているのをご覧になったことはあるでしょうか)で消化ができるように調整します。  

一方、DMVでも行政手続きが進み、まずは30日の免許停止となります。その期間はHard Suspensionと呼ばれて絶対に運転ができませんが、その後は更生プログラムの受講等一定の条件を満たすことで制限付きライセンスを受けることが可能になります。  

ビザ保有者は、逮捕(有罪判決ではありません)によってビザ取消しとなり、ビザ再申請の際には医師による所定書式を提出することが必要になります(アルコール依存症等が疑われるため)。  

業者を使って逮捕翌朝には保釈されたハミコでしたが、Jailの中はまるで映画の中。生きた心地がしなかったようです。検察官との司法取引によって社会奉仕4日間と罰金等2000ドルで案件終了となりましたが、「前科持ち」になってしまいました。飲んだら乗らない、乗るなら飲まない。皆さまくれぐれもお気を付けください。

 

戸木 亮輔(とぎ・りょうすけ)弁護士 
日本(第一東京弁護士会)、カリフォルニア州、ニューヨーク州弁護士。東京都内で弁護士として約8年間法律事務所に勤務した後、ニューヨーク州のコーネル大学ロースクールに留学。サンフランシスコで勤務弁護士の経験を経て、2024年1月よりKaname Partners US, P.C.を設立、開業。

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