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フラッシュバック -寺尾先生-

2026.04.15

配信

フラッシュバック

 先日、ジャーナリストの伊藤詩織さんがベイエリアに来られたので会いに行ってきました。日本で性暴力の被害をうけ、被害届けを出しても受理してもらえないところから、裁判をつらぬいて勝訴した大変な勇気がある方です。ジャーナリストとして本とドキュメンタリーを出し、今回はそのドキュメンタリーの上映とQ&Aでした。ものすごい逆境が続くなか、貫いて頑張り続けて自分の被害を認められ、そのことについて話している。そんな方に実際に会える貴重な機会でした。

 ドキュメンタリー映画を作るプロセスについて、様々な意見や批判もあると認識しています。それをふまえても、彼女は自分で多大な犠牲を払い、日本でのMeToo運動の先駆けとなりました。日本で性被害を訴えられるという空気を初めて作った方です。

 その中で、伊藤さんが被害後PTSDを患い、その症状についての記述がありました。例えば、被害から長い時間が経ってから、加害者の顔の一部の写真(加害者の写真が掲載されているウェブサイトを上からスクロールしていて、おでこと髪の毛が見えたとき)を目にして、ものすごいパニックに陥る。または、被害にあったのが桜の季節で、その後桜を見ると非常に気分が悪くなり、数年桜は避けていた、など。

 このようなフラッシュバックはPTSDの典型的な症状の一つです。その症状は、自動的に出るのです。その状況や光景にであうと、間一髪あけずに体が反応することが多い。例えば、自分が大変苦しんだ時期の自分の筆跡や写真を見ると、自動的に涙が滝のように流れる。息が苦しくなって、そこにひきずりこまれたように涙、パニック、不安、動悸がはじまる。そのときの記憶が波のように一度におしよせて、自分でコントロールするのが難しくなります。

 時間をかけてトラウマを処理していくことで、その症状は少しずつおさまります。そのプロセスも人それぞれですが、向き合えるようになったら、それから少しずつ安全を確認しながらプロセスしていくことは大切でしょう。それも始められるまでに長い時間がかかるかもしれません。まわりが押し付けるのでなく、本人に準備ができたときに、本人が主体となって初めて進められるプロセスです。


寺尾 明希子(てらお あきこ)心理療法士

カリフォルニア州公認心理療法士、臨床ソーシャルワーカー。サンフランシスコ大学で心理学の学士号、心理学の修士号、社会福祉保健学の修士号を取得。現在はサンフランシスコ、ベイエリアで、対面とオンラインの両方で心理セラピーとコンサルテーションを提供。専門は、うつ、不安、人間関係の問題、摂食障害。家族機能不全から発生するさまざまな症状を扱う。また、問題を抱える人の家族向けのコンサルテーションも行う。

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