2026年の全米不動産価格の上昇率は0〜5%と予測されている。マーケットに与える大きな変動はないだろう。しかし売買の取り引き件数は2025年よりも15%の増加が見込まれている。それは住宅ローンの金利引き下げ政策が購買力を上げ、売却物件の少しの増加が購入をしやすくするからだ。特に初めてのバイヤーにとっては不動産マーケットに参入する良い機会でもある。ハウジングマーケットは全米の州、地域により多くの格差があるが、ここベイエリアでは相変わらず人気の一軒家は複数のオファーが入る売り手市場の傾向にある。タウンハウス、コンドミニアムのマーケットも昨年より活発になり徐々に改善している。株主が多いこの地域では不動産価格に影響を与える株価の変動にも注目すべきだ。
購入までの流れと手順
不動産エージェントの選択
まずは信頼のできる実績と経験のあるエージェントを選ぶことが大切。今までにどういった、またどれだけの売買トランザクションを行ったかを質問するのもよい。数カ月以上付き合うことになるので、地域やコミュニティーをよく知り、気楽にコミュニケーションができ、契約終了後も家の管理・修理など、丁寧なサービスとアフターケアをしてくれる人がベストだ。エージェント個人の実績と経験が有利な契約交渉とスムーズな不動産購入につながるが、信頼できる大きなブローカー(不動産会社)は、豊富なスタッフ、顧問弁護士などのチームサポートとネットワークがあるので安心して任せられ、多くの専門情報も得られる。住宅を購入した友人・知人に紹介してもらうのもよい。
住宅ローンの申請
住宅購入を決めたら、ローンの手続き準備を同時に始めよう。銀行やローン会社のローンオフィサーからローンプログラムの内容、諸経費などの説明を受け、購入可能な金額が判明次第、ローンの仮承認書(プリアプルーバルレター)を出してもらう。この仮承認書は購入条件を良くする効果があるのでオファー提出の際に必要となる。ローンオフィサーもやはり実績と経験があり、金利など条件の良いローンを探してくれる信用できる人を選ぼう。
物件探し
購入可能な価格帯をもとに希望の条件(地域、治安、環境、学校区、交通便、日当たりなど)にあった物件を何軒か見て比較しよう。条件の優先順位があれば物件の決定がしやすい。住居、投資物件であっても将来再売却(リセール)しやすい物件を選ぶこと。物件のコンディションは改装することで価値を上げられても立地条件は変えられないため、立地条件の悪い物件を選ぶ際には購入価格を十分検討したい。くれぐれもオープンハウスで売り手エージェントのセールストークに乗せられ、早まって契約書にサインをしないこと。失敗しないためにも、買い手の立場で家を探してくれるエージェントに相談することが大切。
また、買い手はエージェントから物件の情報収集、物件内覧をリクエストする前に自分のエージェントと契約する必要がある。売り手が買い手エージェントに仲介手数料を支払わない場合の契約書には、買い手が支払うと明記されている。この契約書の仲介手数料、契約期間、内覧したい物件情報など条件を良く理解してからサインすること。
物件の購入申し込み(オファーの提出)、交渉
気に入った物件が見つかると、まず売り手からの検査報告書(ディスクロージャー:ホームインスペクション、シロアリ検査)をエージェントと内容確認してオファーの提出を決定する。売り手の検査報告がない場合は、契約手続きに入った後、買い手の費用で報告書を作成する。売買契約書には買い手の希望価格のほか必要事項(手付金、ローンの頭金と条件、契約/エスクロー期間、物件の調査機関、物件の修理、登記会社への支払いなど)をオファーとして提出するが、売り手と同意できない事項は再交渉(カウンターオファー)することになる。現実離れした買い手の価格や条件次第では売り手は交渉に応じず、オファーを拒否することもある。また、同じ物件に何人もの購入希望者がいると価格が上がるので、マーケット状況を認識しながら、オファー内容はエージェントと相談して決める。
合意事項の遂行、エスクローの開設
売り手と買い手が全事項で同意すると契約手続きに入り、買い手は住宅ローンの手続きを進め、手付け金(通常購入価格の3%、購入代金の一部に充当)を登記会社(エスクロー/タイトル会社)に預け入れる。一定期間内の条件付きで契約した場合(コンテンジェンシー・オファー:ローンの本承認、銀行/レンダーからの価格査定の承認、物件のコンディションの再確認)この一定期間内には再交渉、または契約をキャンセルする権利がある。キャンセルを正当な理由で合意期間内に行なうと手付金は返金される。契約手続きに入ってから登記日までのエスクロー期間は21日から30日が一般的だが、これも交渉可能。ローンの最終承認を確認次第、エスクロー会社で住宅ローンの契約書、諸経費の見積もり書(クロージング・ステイトメント)にサインする。エスクロー会社は売り手と買い手双方に対して中立の立場にあり、契約内容に従って事務処理、資金管理(手付け金の保管、頭金、買い手/売り手のローンの借り入れ/支払い、固定資産税/郡・市税の支払い、諸経費の支払い)と名義変更の登記手続きを行う。
契約成立、登記日(エスクローのクロージング)
登記日の前日までに、頭金とローンの入金をエスクロー会社で完了後、カウンティー・レコードオフィスで登記される。エスクロー会社から最終決算書を作成してもらい、エージェントから鍵を受け取り無事契約が成立する。
情報提供:島田文子
Coldwell Banker
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