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セラピーってどんな感じ? -寺尾先生-

2026.02.18

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セラピーってどんな感じ?

 長いソファに横たわる患者と、ノートを持ったセラピスト。そんな様子を描いた絵を見たことはありませんか? 心理セラピー(サイコセラピー)というと、そのような光景を思い浮かべる方は多いかと思います。もしかして、特に年齢がいった方々のほうが多いかもしれません。

 実際のセラピー現場は、それとはだいぶ違います。というのも、長椅子をセラピーに使う一人サイコロジー(心理学)と異なり、セラピストと患者との人間関係の構築のなかで治療を行う二人サイコロジーが発達し、よく使われているからです。

 一人サイコロジーは、19世紀の終わりにフロイトによって提唱されました。フロイトはオーストリアの精神科医。ヒステリーの治療からはじめ、無意識を探る自由連想を用います。自由連想によって無意識を解明する精神分析の創始者です。精神分析では、治療者が患者に関わることはありません。治療者という「真っ白なキャンバス」に患者が連想することを描き、それを治療者が分析するという感じです。

 その後、いくつか違うバージョンがつくられていきます。その過程で始まったのが二人サイコロジー。カール・ユングをはじめとする対人関係心理学者がはじめました。二人サイコロジーでは、治療者も人間として患者にかかわります。患者と治療者に人間関係が生まれ、二人の相互関係を通じて治療をしていきます。患者は治療者に自分の葛藤を投影し、治療者は自分の経験によって反投影します。投影を読み解くことで、過去のトラウマ、経験、考えなどを理解することもできます。

 このような患者と治療者のダイアログによって葛藤を解明し、感情、考え、そして行動を変える目的のセラピーが今は主流になりました。ピュアな精神分析家もいますが、今では少数派といえるでしょう。

 セラピストと働くということは、自分を理解するお手伝いのプロのパートナーを手にいれること。自分への大きなギフトといえます。


寺尾 明希子(てらお あきこ)心理療法士

カリフォルニア州公認心理療法士、臨床ソーシャルワーカー。サンフランシスコ大学で心理学の学士号、心理学の修士号、社会福祉保健学の修士号を取得。現在はサンフランシスコ、ベイエリアで、対面とオンラインの両方で心理セラピーとコンサルテーションを提供。専門は、うつ、不安、人間関係の問題、摂食障害。家族機能不全から発生するさまざまな症状を扱う。また、問題を抱える人の家族向けのコンサルテーションも行う。

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