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【相続】日本とアメリカの 遺産相続について

2024.07.17

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【相続】日本とアメリカの 遺産相続について



日本の場合、被相続人がお亡くなりになると自動的に遺産相続の効力が発生し、法定相続人や受遺者は、直ちに遺産に対する権利を取得することになります。これに対し、アメリカの遺産相続では、プロベイト手続きが取られており、相続財産はいったん裁判所の指定した財産管理人や遺言執行者が管理することになります。財産管理人や遺言執行者は、裁判所の監督の下で、相続債務や未払い税金の支払いを行い、残った財産を相続人や受遺者に分配することになります。アメリカで行われるプロベイトは、通常1年から1年半ほどかかりますが、その間法定相続人や受遺者は遺産を使えません。  

アメリカの場合、遺産税の基礎控除額が約20億円と極めて大きいので、アメリカの財産についてはほとんどのケースでは遺産税はかかりません。しかし、被相続人か相続人の一部が日本で居住している場合や、日本に財産がある場合、全世界の遺産に対して日本の税務署に対する相続税の支払義務が発生する可能性があります。日本の相続税の基礎控除額は、3000万円+法定相続人の数×600万円ですので、多くのケースで相続財産が基礎控除の金額を上回ることになります。上記のように、アメリカでプロベイト手続きが取られ、アメリカの資産が凍結されている場合には、アメリカにある相続財産の中から日本の相続税を支払うこともできませんので、相続税の支払いが困難になってしまうことも考えられます。  

プロベイト手続きにおいては、プロベイト期間中に資産が凍結され、遺産を使用できなくなるということだけでなく、プロベイト手続きに要する弁護士費用が数百万円から1000万円近くかかってしまうことも多くあるというデメリットも生じます。アメリカの場合、弁護士費用が極めて高額となっていますので、注意が必要です。  

このように、時間と費用のかかるプロベイト手続きは、できるだけ回避したいと思われます。そこで多くのアメリカ人は、プロベイト手続きを回避するため、リビングトラストという生前信託を利用し、生きている間に自分の所有する全ての財産に対して信託設定をする方法を利用しています。信託設定をしても、生きている間は自由に財産を使用したり処分したりすることができます。アメリカに相続財産を有する日本人についても、リビングトラストの設定は極めて重要といえます。リビングトラストを検討されている場合は、ぜひ栗林総合法律事務所にお問い合わせください。

代表弁護士
栗林 勉
【電話】+81-3-5357-1750
【メール】info@kslaw.jp
【ウェブサイト】www.kslaw.jp

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