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【資産】アメリカ居住者が知っておきたい日本帰国の際の「Exit.

2026.07.15

配信

【資産】アメリカ居住者が知っておきたい
日本帰国の際の「Exit Tax」について



 日本へご帰国の際に、アメリカの永住権や国籍をアメリカ政府に返還する人がいらっしゃいます。

 アメリカ永住権やアメリカ国籍を離脱する理由はさまざまですが、多くみられるケースの一つに離婚があげられます。アメリカ人の配偶者と結婚して、アメリカ永住権やアメリカ国籍を取得したが、離婚とともに返却をするという場合です。そのほか、会社の帰任によって日本へご帰国なさる駐在員や、アメリカ永住権やアメリカ国籍を取得したのち、日本へ帰国するためにアメリカ政府へ返還するというケースもあります。アメリカ国籍を手放す、またはアメリカ永住権を手放すということは、とても重要な出来事です。ただ単に確定申告の義務から逃れるという理由だけではなく、より重大な意味があります。

 かなり多くの人がこの手続きを移民局へなさいますが、気をつけなければいけないのは、Expatriation Tax(Exit Tax)という税金がかかる可能性があるということです。

Expatriation Taxについて

 アメリカ国籍に加え、グリーンカード保持者で過去15年間のうち8年以上アメリカの税法上の居住者(Long-term Resident)は、Covered Expatriateに該当した場合にExit Taxの対象となります。Covered Expatriateに該当する場合は、次の通りです。

離脱日前5年間の平均年間純所得税額が、2026年の基準額である21万1000ドルを超える(離脱する年によって基準額が異なります)

自身の全世界における純資産が海外移住または居住終了の日の時点で200万ドル以上ある

 離脱日前5年間について、連邦税法上必要な確定申告および国際情報申告等の義務を遵守しており、そのことをForm 8854上で証明できることが必要です。Long-term Residentがグリーンカードを正式に放棄した場合は、Exit Taxの税額が実際に発生するかどうかにかかわらず、原則としてForm 8854の提出が必要です。Form 8854を適切に提出し、過去5年間の税務コンプライアンスを証明できない場合、それ自体がCovered Expatriateに該当する原因となる可能性があります。この書類を提出しなかった場合の罰金がとても高額なので、ご注意ください。罰金は、1万ドルになります。

 Exit Taxの対象になる要件に、過去5年の平均所得税額が21万1000ドル以上とありますが、たとえ奥様だけがグリーンカードを手放すとしても、夫婦合算で申告している場合は夫婦合算での所得税額が対象になります。そのため、グリーンカードを手放すということが分かった時点で、夫婦別に確定申告をすることは一つの対策でもあります。

 アメリカ政府による全世界における財産の申告による個人情報の把握のための情報開示であるFATCA(外国口座税務コンプライアンス法)やFBAR(外国金融口座報告)についても注意が必要です。アメリカ国外にある財産が、1万ドル以上の場合は、アメリカ政府に毎年報告しなければいけません。過去5年間の確定申告を必ず提出していなければいけないので、この時点でFBARやFATCAの申告がすべてなされているかを確認する必要があります。申告されていなかった場合は、修正申告などですべて申告がきちんとなされているかを見直しをする必要があります。グリーンカードの返納前にFBAR・FATCAの整理も必要です。

 401(k)がある場合は納税が延期されますので、最大限に401(k)に財産を入れておくというのは良い考えです。401(k)は、その資産を引き出した場合に課税対象になります。401(k)、IRA、Roth IRAの受取時期もExit Taxと合わせて検討することが重要です。

FBAR、FATCAについて

 前述したFBAR、FATCAですが、たとえ日本へご帰国になっても、グリーンカードを保有なさっている場合は全世界の財産をアメリカ政府に報告し、全世界の所得に対してアメリカ政府に確定申告する必要があります。

 行わなかった場合の罰金回避の条件として、申告をしていなかったのが故意ではない(Taxpayers must certify that conduct was not willful.)ということが挙げられますが、IRSが監査を始めた場合には罰金回避が難しくなりますので、監査の対象になる前に早めに申告をする必要があります。(If the IRS has initiated a civil examination of taxpayer's returns for any taxable year, regardless of whether the examination relates to undisclosed foreign financial assets, it will make difficult to abate penalties.)

 過去の申告書をすべて申告済み、納税済みにして、コンプライアンスしているということを証明する必要があります。また、ソーシャルセキュリティ番号が必要です。FBARにおいて、もしも口座間で移動がある場合は、年末の残高で問題ありません。年末の残高が5万ドル以上であれば、FATCAが必要になります。

 Exit Taxだけではなく、日本帰国後の日米双方の税務まで含めて計画することが重要です。

尾崎 真由美
尾崎真由美会計事務所
【電話】877-827-1010
【Eメール】info@1040ca.com
【ウェブサイト】1040CA.com

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