先代日本人の歴史を肌で感じる サンノゼ日本町へぶらり旅に出よう!

この夏はアメリカに残る三つの日本町のうちのひとつ、サンノゼ日本町を探索したい。観光地としてよりも、現在も地域で暮らす人々の生活に密着した場所として残るサンノゼ日本町には、日系アメリカ人博物館や、ローカルに愛され続ける穴場スポットがたくさんある。ベイエリアに暮らす日本人の「今」と「昔」と「これから」を繋ぐサンノゼ日本町をのんびり探索してみよう。
地域に密着した サンノゼ日本町
今日紹介する「サンノゼ日本町」は、移民文化の面影をより色濃く残し、最も地域に密着した日本町との理由で、2025年に国際協力機構(JICA)横浜の海外移住資料館での特別展示の対象に選ばれた。戦時中、強制収容で立ち退きにあい日本人は住む場所を失ったが、アメリカ人弁護士のジェームズ・ベンジャミン・ペカムが、自分名義で日本人の土地を預かり、後に成人した2世にその土地を返却した。不屈の精神により徐々に再定住が進み、1950年代から60年代にかけて日本町は最も繁栄し、その後70年代に一度衰退したが、3世の団結により今日の姿まで再生した。
私たちの歴史を学ぼう 日系アメリカ人博物館
そんな歴史を肌で感じられる「Japanese American Museum of San Jose(JAMsj)」にはぜひ足を運びたい。5thストリート沿いの落ち着いた佇まいの同博物館では、近年渡米してきた日本人が耳にする機会の少ない日系移民の生のストーリーに触れることができる。そして、先代の日本人の生き方や志(こころざし)、彼らが守り培ってきたもののおかげで今日のベイエリア日本人コミュニティーの心地よさがあることを実感する。また、親戚などから直接話を聞くことが難しい強制収容の経験なども学ぶことが出来る貴重な場所だ。ツアーを申し込み、ボランティアスタッフの解説を聞きながら展示を見て回るのもおすすめ。館内は適度な広さで心地よく、ギフトショップもあり、大人、子どもを問わず夏の課外学習にもピッタリだ。
多彩なグルメスポットを楽しもう!
「すし丸」などの日本食レストランが並ぶサンノゼ日本町で、一度は訪れたいのが韓国料理の「Omogari」だ。日本町の景色に溶け込み愛され続ける同店は、サンフランシスコ・クロニクル紙でベストコリアンレストランに選ばれる名店。本格韓国料理店でありながら、日本人もほっとする店内で、真心込めて作られた韓国の家庭料理をめしあがれ。
そして食後のデザートには、1994年に天皇陛下(当時、現上皇)が訪米時に召し上がった「集英堂」の和菓子を。毎日人だかりの絶えない創業70年以上の老舗の名物は、九州生まれの夫婦が毎日一つひとつ丁寧に手作りするお饅頭と大福。昔ながらのあんこだけでなく、ピーナツバターなどのフレーバーも楽しめる。伝統はそのままに、しなやかに時代を生きる同店の“Manju”は若い世代にも大人気だ。ほぼ毎日売れ切れになるので、ランチ前に先に購入しておくのがベスト。
年間を通して楽しいイベントが多数
サンノゼ日本町には楽しいイベントも多い。春の日系祭りや、夏のお盆祭りは例年大盛況だ。シニアセンター「友愛会」は、アイコニックな5キロマラソン「日本町ラン」や、餅つき、着付け教室など、幅広い年代に向けて文化イベントを開催している。また、センター3階には日本書籍の図書室があり、誰でも立ち寄ることができるほか、ボランティアなどを通して地域活動に参加できる場を多く提供している。吉原ファイナンシャルのマイケル吉原氏らが演奏する「千鳥バンド」は、お盆祭りはじめ、さまざまなイベントで日本の歌謡曲を聞かせてくれる。千鳥バンドは、強制収容時から戻った日本人を励ます想いで1953年に発足、のど自慢に感銘を受けたという演奏には郷愁の念が呼び起こされる。
気負わず過ごせるサンノゼ日本町へ、ふらりと遊びに出かけよう。
サンノゼ日本町 San Jose Japantown
【ウェブサイト】www.jtown.org
日本人選手が躍動する!
ロサンゼルス観光とスポーツ観戦の魅力

ドジャース&レイカーズ
日本人選手を応援しよう
昨年のワールドシリーズを制し、25年ぶりのメジャーリーグ連覇を果たしたロサンゼルス・ドジャース。本拠地の「ドジャー・スタジアム」は、1962年に開場した歴史あるスタジアム。ダウンタウンに近い丘の上にあり、試合の合間にはロサンゼルスの街並みや夕焼けを楽しむこともできる。さらなる活躍が期待される大谷翔平、ワールドシリーズMVPを獲得した山本由伸、圧倒的な速球を誇る佐々木朗希。この3人を一目見ようと日本から訪れるファンも多い。球場では日本人選手の応援グッズも多数販売されており、日本語の案内や放送も用意されている。
また、NBAの名門チーム、ロサンゼルス・レイカーズもLAでのスポーツ観戦には欠かせない。日本人選手の八村塁は今季目覚ましい活躍を見せ、チームの中心選手としての地位を確立。今後も目が離せない。
リトル東京
アメリカに息づく日本文化
ドジャース観戦、レイカーズ観戦の際には、ロサンゼルス・ダウンタウンに位置する「リトル東京」に宿を取るのがおすすめ。100年以上の歴史を持つ日本人町で、和食レストラン、和菓子店、雑貨屋など、日本の空気をそのまま再現したかのような街並みが広がる。人気ラーメン店「天下一品」もでき、これぞ日本の味と評判を呼んでいる。サンフランシスコ日本町とはまた違った雰囲気のリトル東京も一度は行くべき町の一つだ。
このエリアの中心にあるのが「都ホテルロサンゼルス」。日本語対応のフロントや和のインテリア、ウォシュレット付きの客室など、日本人観光客にとって非常に安心感のあるホテルだ。また、ドジャース球場までの送迎バスも運行しており、試合観戦時の拠点としても便利。外壁には、大谷翔平選手の巨大な壁画が描かれ、記念撮影スポットとしても人気がある。そして、そのすぐ近くにはドジャースのオフィシャルショップがオープンし、ドジャース観戦を盛り上げる最高の立地となっている。またリトル東京は、世界各国の料理が味わえる「グランド・セントラル・マーケット」や、現代アート美術館「ザ・ブロード」、「ウォルト・ディズニー・コンサートホール」、「ユニオンステーション」など、魅力的なスポットも近くにあるのでLA観光の拠点に理想的。
エンタメの聖地
カルチャーや街歩きを楽しむ
ロサンゼルスといえばエンターテイメントの聖地。ダウンタウンにあるコンベンションセンターでは、毎年7月に「アニメエキスポ」が開催される。1991年にUCバークレーのアニメクラブメンバーがスタートした、世界最大規模の日本アニメ・ポップカルチャーの展示会で、4日間で40万人以上が訪れ、会場から近いリトル東京も賑わいを見せる。また、リトル東京から歩いて行ける「アーティスト・ディストリクト」は、ロサンゼルスの創造力が凝縮されたエリア。壁一面に描かれたストリートアート、個性的なカフェやブルワリーが立ち並ぶ人気スポット。観光で歩き回るにはぴったりのエリアで、「刺激的なロサンゼルス」が味わえるはず。
トーランス
日系ビジネスの中心地
ロサンゼルス空港から車で南に約20分の場所にある「トーランス」は、日本企業が多く集まるビジネスエリア。ここで出張や長期滞在を予定しているなら、「都ハイブリッドホテル」が断然おすすめだ。日本のサービスや設備を取り入れており、バスルームには温水洗浄便座付きトイレや日本のような深めの浴槽があり、広々とした客室が特徴。館内には岩盤浴やマッサージが受けられる「Spa Relaken」もあり、出張の疲れを癒せるサービスも満載だ。ホテル内にある日本食レストラン「いせしま」では、和の醍醐味を味わえる料理の数々を提供。接待や会食にも適した落ち着いた空間で、テーブル席のほか、カウンターやブースなど用途によって使い分けることができる。また、周辺には日本食レストラン、スーパー、ラーメン店なども多く、日本人にとって非常に過ごしやすい環境が整っている。また、トーランスにもドジャース日本人トリオの巨大壁画が今年3月に完成、観戦前後の巡礼に訪れてみては。
新生テイスティングルームで出会う「SAKE」の最前線 -米国宝酒造-

サンフランシスコからベイブリッジを渡り、自由な気風とグルメの活気に満ちた街、バークレーへと車を走らせる。全米から食通が集まる「ギルマン・ストリート」のほど近く、潮風と発酵の香りが混じり合う一角にある、「米国宝酒造(通称・バークレー蔵)」。1983年の創業以来、カリフォルニアの清冽な水とカルローズ米を使い、SAKEを醸し続けてきたパイオニアだ。
「あらばしり」の衝撃と18年の歳月が紡ぐ琥珀の雫
昨年、単なる「工場」から、訪れる者が酒の鼓動を肌で感じる「SAKEの舞台」へとリニューアルを果たしたバークレー蔵。新しくなったテイスティングルームに足を踏み入れれば、工場の無機質なイメージを覆す、和モダンな洗練と温もりが同居する空間が広がっている。このテイスティングルームが真に特別なのは、ここでしか出会えない「一期一会」の体験が用意されているから。特に注目したいのが、不定期で開催される、バークレー産の純米や純米大吟醸「あらばしり」の試飲会。あらばしりとは、酒を搾る工程で最初に出る、最もフレッシュで勢いのある部分のこと。加熱処理を一切行わない「生」の状態で提供されるその一杯は、口に含んだ瞬間に弾けるようなプチプチの喉越しと、米の旨みがダイレクトに響く。「まさに、ここでしか味わえない一杯」だ。「あらばしり」は、酵母がまだ息づいている圧倒的な生命力に満ちている。
また、時の流れが育んだ芸術品にも出会える。それが「バークレー蔵 秘蔵古酒18年」。カリフォルニアの地で18年もの歳月を眠り続けたこの酒は、透明感を脱ぎ捨て、美しい琥珀色へと昇華している。熟したドライフルーツやナッツを思わせる複雑な香りと、ベルベットのように滑らかな舌触り。新酒の躍動感と古酒の円熟味、定期的に試飲会を開催しているので、同社のインスタを要チェック。
土壌から醸す究極のテロワール「然土」降臨
この春、日本の酒愛好家ですら喉から手が出るほど欲しがる「至高の一本」が、ここバークレーで解禁された。兵庫県にある宝酒造の「白壁蔵」がつくり上げた限定流通酒、「然土」である。「良い酒は良い土から生まれる」という信念のもと、土壌作りから徹底的にこだわり抜いた酒米を使用している。自然の摂理に逆らわず、土地の力を最大限に引き出したその味わいは、まさに「土の記憶」を飲むかのよう。日本では限られた場所でしか目にすることのできないこの希少なボトルが、なんとここバークレーのテイスティングルームで試飲でき、さらにその場で購入も可能だというのだ。カリフォルニアの空気の中で、日本の究極のテロワールを味わう。これこそが、国境を越えたSAKEの進化の証と言えるだろう。
スパークリングの革新
秋への期待
ラインアップの進化はこれだけにとどまらない。ショップの棚を彩るのは、最新トレンドを反映した新商品の数々だ。今、爆発的な人気を予感させるのが「澪(MIO)にごりスパークリング」。あの「澪」の爽快感はそのままに、にごり酒特有のコクとシルキーな口当たりが加わった。さらに、カジュアルに本格的な香りを愉しめる「HANA スパークリング酒」の缶タイプも登場し、ピクニックやビーチといったカリフォルニアらしいライフスタイルに寄り添う。
同社マーケティング部のハインゼン淑子さんがこっそり教えてくれた。「この秋には、さらに驚きがありますよ。あの『MU|WA』シリーズから、待望の新商品が出る予定なんです」 。バーボン樽熟成の純米酒という革新的なスタイルで世を驚かせた「MU|WA」が、次はどのような驚きを届けてくれるのか。期待に胸が膨らまないはずがない。
新しくなったギフトショップ
テイスティングの前には、併設された「酒ミュージアム」へ足を運びたい。日本から運ばれた年代物の道具が並ぶ空間は、まるで時が止まったかのよう。五感を使って「酒が生まれるプロセス」を学ぶ体験は、その後に飲む一杯をより一層深く、特別なものに変えてくれる。
旅の締めくくりには、新設されたギフトショップへ。ここでしか手に入らない、小粋なデザインのTシャツやグッズも充実している。先ほど感動したばかりの「然土」以外にも同社の製品を購入できる。
今、バークレー蔵から発信されているのは、伝統を尊びながらも、既存の枠組みを軽やかに飛び越える、全く新しいSAKEのカルチャーだ。週末の午後、ふらりとバークレーへ。杉玉が揺れる玄関をくぐり、その進化の目撃者になってみてはいかがだろうか。
米国宝酒造
【住所】 708 Addison St., Berkeley, CA 94710
【ウェブサイト】www.takarasake.com
【テイスティングルーム予約】www.takarasake.com/visit-us/sake-tasting-room
【テイスティングルーム営業日時】
毎週水曜日から金曜日(12:00pm〜5:00pm)/土・日曜日(12:00pm〜6:00pm)