ローカルニュース毎日配信!

オークランドの街が熱狂 サッカー日本代表、メキシコに引き分け

2025.09.08

配信

 世界ランキング17位のサッカー男子日本代表が7日、米カリフォルニア州オークランド・コロシアムでメキシコ代表(同13位)と国際親善試合を行い、満員となる約4万5千人の観衆が見守る中、0対0で引き分けた。 
 試合は前半から互いに素早いパス回しで日本が試合を支配。メキシコは鋭いカウンターを繰り出したが、いずれもゴールネットを揺らすには至らず、主将アルバレスが負傷退場、後半にもモンテスが退場処分となるなど苦しい展開。それでも堅守で日本の攻撃をしのいだ。日本は中盤でのボール回収から攻撃、またパスを回しながらチャンスを伺ったが、南野のボレーが枠を外れるなど最後の局面で精度を欠いた。

 後半45分、FW上田綺世がキーパーと1対1になるも、メキシコDFに背後からスライディングを受け、DFセザール・モンテスは退場に

 日本代表の森保一監督は「結果は残念だが、選手たちの意欲と集中力は評価できる」と述べ、開催地のオークランドについて「練習場や滞在先ホテル、大学関係者を含め、多くの人々の協力に感謝したい」と謝意を表した。試合前にはメキシコ代表を率いるアギーレ監督を「世界的にも尊敬する指導者」と評しており、国際親善試合らしいリスペクトが両指揮官から示された。一方、アギーレ監督は「われわれが日本より優れていたとは言えない」と率直に振り返り、今後に向けて課題を整理する考えを示した。


森保一監督は「来年のワールドカップ本大会でどれだけチームを仕上げられるかを考えて、選手起用や戦術的なことも実践した」と試合後の会見で語った

 試合後に久保建英は、弊誌記者のインタビューに対し「ヨーロッパと日本の環境は違うが、日本代表で戦えることはとても光栄」と回答、「今日の試合は引き分けたが、たくさんのチャンスを作り、勝てる試合だった」と流暢なスペイン語で続けた。日本の報道陣に対しては、「引き分けた分際でなに言ってんだって話ですけど、僕らの方が今日の相手より強いと思う」と強気な発言。「ただ、東京オリンピックのようにグループリーグで勝っても、大事な試合で敗れることもあるので気をつけないといけない」と続けた。また今後の試合に向けては、「アメリカ戦、ブラジル戦、パラグアイ戦、いろんな国とどう戦えるか。この相手にやれたらワールドカップでも多くの国とやれると思う。特に10月のブラジル戦がどうなるか興味が湧いてきた」と前向きなコメントをした。また、元野球場というスタジアムについては、「スタジアムがサッカーっていう感じではなく、あんまり入りが良くなかった」と語った。

 前半に惜しいシュートを放つなど、先発起用に応えた、MF久保建英

 会場周辺は試合開始前から熱気に包まれた。主催者が企画した「フットボール・フィエスタ」には飲食の屋台や音楽ステージが並び、メキシコ系住民を中心に老若男女が集った。国旗やユニホームを身にまとい、マリアッチやクンビアのリズムに合わせて歌い踊る姿が目立った。「仲間と一緒に応援できて故郷を思い出した」と話すメキシコ系移民や、SNSで応援の様子を発信する若者など、地域の多様性を映す光景が広がった。


チケットは売り切れ、試合会場には4万5278人の観客が詰めかけた。試合後は、森保ジャパンとのドローにブーイングも

  ベイエリア在住の日本人も、「まさかオークランドで代表戦を見られるとは思わなかった」と声を弾ませ、両国のサポーターが交流する場面も見られた。飲食店などの地元経済への効果を期待する商店主の声もあり、イベントはスポーツの枠を超えて地域活性化の契機ともなった。オークランド市の関係者は「国際的なスポーツイベントを通じ、オークランドの多様性と活力を示せた」と強調し、今後も同様の催しを誘致する姿勢を示した。
 試合後、自宅に戻る観客が押し寄せ、会場最寄りのバート駅までの通路は一時身動きが取れなくなるほど混乱した状況に陥ったが、両国サポーターは国際交流を深め、共有した時間を重視する声が多く、スポーツを通じたコミュニティーの結束が浮き彫りとなった。オークランドの街が示した熱狂と共生の風景は、ワールドカップ本大会を見据える日本代表にとっても貴重な経験となった。


アメリカ各地や日本からも多くの日本サポーターが詰めかけ、熱い応援を繰り広げた


メキシコの決定機を防ぐなど、安定した守備を見せたGK鈴木彩艶


見事なターンで相手DFを置き去りにするなど、攻守に渡って活躍したFW/MF 三苫薫


試合翌日にチーム事情により代表離脱の発表となったMF堂安律はDFラインにもどるな守備でも奮闘した。前半のループシュートが入っていればという惜しいシーンも演出


 アギーレ監督率いるメキシコ代表。スター選手であるFWラウル・ヒメネスやFWサンチャゴ・ヒメネスは不発に。後半投入されたFWイルビング・ロサーノがひとり気を吐いた

この記事に関連する記事

一覧ページにもどる

share with ups!

新規会員登録

ベイエリアの求人・仕事情報・お知らせ・募集・不動産・個人売買情報はBaySpo!
無料で会員登録をすると、bayspo.comをもっと便利にお使いいただけます。

新規会員登録をする

サクッと読める!
BaySpoとeじゃんデジタル版をチェック!