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ビザの種類

2023.06.01

配信

通常、米国に入国するにはビザ免除プログラム(ESTA)を利用するか、またはそれぞれの目的にあったビザを取得する必要がある。ビザには様々な種類があり、認可されている滞在期間を越えると将来の渡米に支障をきたすため、注意する必要がある。ここでは主な短期滞在のビザの種類を紹介する。

主な非移民(短期滞在)ビザ


■ A-1・A-2(外交・公用)ビザ

国の元首・大統領、外交官等が純粋に自国政府の公務遂行のために渡米する際、実際に遂行する任務、あるいは公務が政府本来の特性を備えている場合に利用できる。

■ B-1・B-2(短期商用・観光用)ビザ

米国を源泉とする給与や金銭の受領を伴わない商用を目的として渡米する場合や観光目的の場合に申請できる。詳細は米国国務省主催のホームページ(www.ustraveldocs.com/jp_jp/jp-niv-typeb1b2.asp)を参照のこと。B-1・B-2ビザで許可されている活動範囲はビザ免除プログラムと同様なため、滞在期間が90日以下の場合はビザ免除プログラムを利用できる。ただし、ビザ免除プログラムと違い、他のステータスへの変更申請をアメリカ国内で行うことができる。

■ C(通過)ビザ

米国を通過して第三国へ旅行するために利用する。ただし、90日未満の短期旅行であればビザ免除プログラムを利用できる。

■ D(クルー)ビザ

米国に入航・着陸する船舶、飛行機の乗務員、乗組員が利用するビザである。

■ E-1・E-2(条約加盟国貿易駐在員・投資駐在員)ビザ

米国と通商航海条約を締結している国籍所有者(日本を含む)が、米国との貿易や米国内での投資を行う場合、Eビザを米国大使館、あるいは米国移民局を通して申請できる。Eビザ取得を望む企業は、在日米国大使館にて会社がE企業登録をする必要がある。E企業登録申請を行う企業の50%以上の所有権は条約加盟国(日本)の国籍所有者でなければならず、Eビザ申請者も企業の所有者と同国籍でなければならない。Eビザ申請は企業の貿易事業、あるいは投資事業の内容が規定の条件を満たしている場合のみ可能である。Eビザの延長申請の回数については特に制限がない。

■ F-1・M(学生用)ビザ

米国の大学、高校、語学学校などで就学する場合にはF-1ビザを申請する。F-1ビザの申請には、SEVIS(Student and Exchange Visitor Information System)使用のI-20を発行できる政府公認の教育機関(http://studyinthestates.dhs.gov/school-search) からフルタイムの学生として受け入れられていることが前提となり、ビザ取得のためにI-20の提出が求められる。専門学校等のプログラムに参加するためには、Mビザを申請する。

就学が終了すると新しいビザの申請手続きを行わない限り、卒業後あるいはOPT終了後60日間以内に米国を退去する必要がある。2016年以降、サイエンス、テクノロジー、エンジニアリング、数学(通称STEM:Science、Technology、Engineering、Math)の分野において学位を取得した卒業生には、OPTをさらに最長24カ月まで延長申請が可能になり、STEMの学位を持つF-1学生は合計36カ月のOPTが可能。

2008年度以降、学生ビザ保持者がOPTの労働許可証を保持している場合、10月1日就労開始のH-1Bビザへのステータス変更を期間内に申請した者の労働許可証については、自動的に更新されることになった。これにより、学生ビザ保持者はH-1Bの認可やH-1Bでの就労開始を待たず、継続して就労できるようになった。

2013年より、滞在資格の証明のためにI-94フォームが必要な場合は、https://i94.cbp.dhs.gov/I94/にて情報を取得可能だが、I-94のステータス有効期限に「D/S」と記されている事が多い。「D/S」とは“Duration of Status”の略で、就学や研修プログラム(OPT)の必要条件を充たしている限り、Fビザステータスが保持できる。I-20(もしくはDS-2019)には、プラクティカル・トレーニングや専門的トレーニングなどのプログラムの期間が明記されている。

■ H-1B(特殊技能職/専門職)ビザ

米国移民局は、2021年度より新しいH-1Bキャップ手続きに対し「事前登録制度」を導入した。以前までは毎年4月1日にキャップシーズンが開始され、雇用主は管轄の米国移民局にその年の10月1日雇用開始のH-1B申請を、短い受付期間内に申請していた。昨年より新しい手順と締め切りが導入された。H-1Bビザをスポンサーしたい雇用主は、2021年3月9日から3月25日の間に開始された米国移民局の登録手続きが必要となる。

専門職従事者(プロフェッショナル)が米国で就労するためのビザである。通常、職務内容と密接した分野の4年制大学の学位を取得していることが前提だが、十分な実務経験を積んでいれば学位と同様にみなされる場合がある。最初3年までのビザが下り、通常は最高6年まで延長可能である。永住権の申請に伴う労働許可証の申請をH1-Bビザが切れる1年前までにしておけば、6年以降でも、永住権が取得できるまでH1-Bが何度でも延長可能。現在、H1-Bビザは年間新規応募者6万5000人(プラス、米国の大学院を卒業した2万人)に発給されている。

● H-1Bポーティングに関する情報
H-1Bビザ保持者は、ポーティングとよばれる雇用主変更手続きができる。ポーティングの場合、枠の制限とは関係なく職場を移転する事が可能。新しい雇用主よりH1-B申請が済めば、許可を待たずに雇用先を移すことが可能である。H1-B保持者は、最低限、以下の条件を満たしている必要がある。

(1)合法的に入国し、最後に入国してから不法労働の経験がない。

(2)申請に法的根拠が十分ある。

(3)現在のステータス期限以内に申請する。

(4)新規の申請が行われるまで、現在の雇用主のもとで仕事を続ける。

(5)新しい職務内容が現在のものと同じ、あるいは類似している。

■ H-1C(外国籍看護師用)ビザ

H-1Cビザは外国の看護師が米国の医療サービスにおいて労働者が不足している場合に申請できるビザで長くて3年までビザが下りる。

■ H-2(一時的技能職・非技能職者)ビザ

一時的あるいは季節労働職のためのビザで、農業労働者(H-2A)用と、農業以外の技能職・非技能職(H-2B)用と分かれている。H-2Bビザは通常大学の学位を必要とする職種やハイテク関係の職種には該当しない。ビザを取得するためには、スポンサーとなる雇用主が必要である。これらのビザは通常1年下り、状況によって3年まで延長することが可能である。

■ H-3(訓練生用)ビザ

H-3ビザは母国にはなく、米国に存在する専門職者用訓練のプログラムために渡米する場合に利用され、状況によって2年まで延長することが可能である。

■ I(外国報道関係者用)ビザ

外国報道機関を代表する者のビザで、新聞社、TV局、ラジオ局等、外国籍の報道機関の社員、あるいは契約社員が申請できる。通常、1年毎しか下りないが、発給回数の上限はない。

■ J-1(交流訪問者用)ビザ

学校や企業、非営利団体が後援する公認の交流訪問プログラムに参加するために発給されるビザである。通常は、国務省に認証されたJスポンサー組織を通して申請するビザであり、それら組織はこちらを参照のこと(http://j1visa.state.gov/participants/how-to-apply/sponsor-search/)。

■ K-1(米国市民のフィアンセ用)ビザ

米国籍を持つ人と婚約し、米国で結婚後、引き続き永住を希望する場合に申請できる。フィアンセは入国後90日以内に結婚し、永住権申請を行う必要がある。ビザの延長は認められない。

■ K-3・K-4(米国市民の配偶者とその子ども用)ビザ

米国市民の外国籍の配偶者とその21歳未満の子どもはそれぞれK-3・K-4ビザで渡米し、米国で永住権申請の手続きを行い、結果がでるまで米国の滞在が可能である。K-3・K-4ビザの申請を行うためには、まず、米国市民が米国移民局を通して配偶者の永住権申請を提出する必要がある。また、配偶者がK-3ビザを取得していないと、その子どもはK-4ビザを取得することができない。K-3・K-4ビザの申請は、婚姻が成立した国での米国大使館・領事館で行う。

■ L-1(企業内派遣者用)ビザ

L-1ビザは、多国籍企業の社員が米国内の親会社、支社、系列会社、子会社へ派遣される場合に発給されるビザである。ビザ申請者は、マネージャーまたは役員、もしくは特殊な知識の持ち主のいずれかで、過去3年の内、少なくとも1年以上米国外の姉妹会社で継続勤務した経験を持っていなければならない。

更に、派遣者が米国滞在している期間、米国外で運営されている会社が存続していなければならない。

■ O(卓越技能者用)ビザ

Oビザは、科学、芸術、教育、事業、スポーツの分野において卓越した能力を持つ場合に利用されるビザである。

■ P(運動選手、芸術家、芸能人用)ビザ

Pビザは、国際的に業績を認められている個人の運動選手やチーム、文化的に珍しい芸能を披露するために芸能人、芸術家に利用されるビザである。

■ Q(国際文化交流用)ビザ

国際的文化交流のための実用訓練や雇用、または母国の歴史・文化・伝統芸能等を広める目的で利用されるビザである。育児係り(オペア)や交換留学プログラムの参加者として渡航する場合は、通常QビザかJビザが利用される。

■ R(宗教家用)ビザ

過去2年間以上の経歴のある宗教家が、米国の提携する宗教団体をスポンサーとして、米国での宗教分野における短期雇用を行うときに利用されるビザである。ビザは長くて5年間下りる。

雇用ベースの永住権の申請


永住権申請中、Form I-485(永住者への変更手続き)、またはFormDS-230/DS-260(米国大使館を通して永住権申請手続き)の申請を予定している、あるいは既に提出した人は、米国から出国する前に移民弁護士と確認を取るべき。ただし、有効なHまたはLビザの滞在資格を保持されている方は、該当しない。I-485の提出後にアメリカを出入国するには、米国移民局が発行する仮出入国許可証(Advance Parole Travel Document)を取得していなければならない。仮出入局許可証を取得せずに出国してしまうと、永住権申請の取消原因となるだけではなく、米国に戻ってくることが難しくなる可能性がある。

■ EB-1(第一優先)プライオリティー・ワーカー
*いずれも労働許可証は不要。

(1)「卓越した能力の持ち主」:芸術、科学、教育、ビジネス、スポーツの分野で国際的賞賛に値する卓越した能力の持ち主。

(2)「優秀な大学教授・研究者」:特定の学術分野で国際的賞賛に値する場合。

(3)「米国赴任する多国籍企業の管理職またはマネージャー」:米国外で過去3年間のうち最低1年間は、その企業の管理職またはマネージャーとして雇用され、同企業の米国支店、提携企業または子会社で、同様な職務の雇用を約束されている場合。

■ EB-2(第二優先)高等な学位を持つ専門職従事者、あるいは秀でた能力の持ち主
*通常、労働許可証が必要。

(1)「高等な学位を持つ専門職」:大学院での修士号、博士号などの学位やロー・スクール、メディカル・スクール等、大学卒業後に高等学位を取得した者。または、最低5年間の専門職の実務経験の持ち主。

(2)「芸術、科学、ビジネスの分野で秀でた能力の持ち主」:芸術と科学、ビジネスの特定の専門分野で国内での賞賛に値する場合。

■ EB-3(第三優先)専門職従事者、熟練・非熟練労働者
*すべて労働許可証が必要。

(1)「専門職従事者」(高等な学位は必要ない):大学または専門学校での学位を保持し、実務経験も5年以内の場合を対象。

(2)「熟練労働者(技能者)」:通常、大学の学位は必要ないが、少なくとも2年の研修あるいは実務経験が必要な職種。

(3)「非熟練労働者」

上記の(1)、(2)のカテゴリーに属さないような職業で、一般に2年以内の研修期間を必要とする場合を対象。

■ EB-4(第四優先)特別移民

(1)著名な宗教団体に属する労働者

(2)外国免許を持つ医師・看護師で、米国の長期滞在者

(3)長期間米国政府の職員であった外国人労働者

(4)国際団体の元役員や元職員で一定期間以上の米国滞在者

■ EB-5(第五優先)投資家

通常、米国で新規の事業に180万ドル以上の投資を行い、最低10人の米国労働者に雇用機会を与える必要がある。投資場所が過疎地の場合、また市街地でも失業率が全国平均の150%を超える場合は、90万ドルでも認められることもある。

*この他に米国市民の最近親者、米国市民や永住権保持者の優先家族として、あるいは移民多様化ビザ抽選プログラムを通して永住権の申請をすることもできる。

永住権の保持


永住権を取得するということは、米国を永住地と見なすことを意味する。従って、永住権保持者が米国を永住地と見なしていないと米国移民局が判断した場合、永住権を失う可能性がある。通常、永住権保持者が米国を1年以上離れると、永住権を放棄したと見なされ再入国が難しくなる。また、毎年便宜的に一時滞在するだけでは永住権を保持することはできない。永住権を保持し続けるには、米国で永住する「意志(Intent)」の表明が必要となる。その証明のために米国の住所の保持、米国の税金申告書等の証拠の提示を求められる。米国を1年以上離れる必要がある場合は、出国前に「再入国許可証」https://www.uscis.gov/i-131を米国移民局に申請する必要がある。

*この記事は、一般のビザ取得の内容を説明するために提供されたものであり、個々の件に対する法的アドバイスではない。特定の状況における問題は、専門の弁護士に相談されることをお勧めする。

情報提供:翠(みどり)法律事務所 永野綾子弁護士
www.midorilaw.com


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