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アメリカの医療のしくみ

2023.05.18

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アメリカの医療のしくみはとても複雑。いざという時に慌てないよう、その基本を理解しておこう。

医療保険  


保険の給付内容は保険会社とプランにより大きく変わる。PPO、HMO、Kaiserなどのオプションにより受診できる施設が決まるが、PPOだと選択肢が広がる。契約は新規加入を除き年末に翌年の加入保険を決め、年が変わればリセットされる。海外旅行者保険の場合にはサービスセンターに連絡してドクターを紹介してもらおう。キャッシュレス提携病院だと受診時の自己負担もない。

ドクター受診  


保険に加入したらプライマリーケア担当医を決めておく。ネットワーク内の受診だと節約できるので、保険会社のウェブサイトでチェックしよう。初診時には書類の記入があるので少し早めに病院に到着すること。ドクターによる診察時に検査や処方薬の説明がある。帰りに受付で再診の有無、検査結果の受け取り方などを確認しておこう。一方、テレヘルスと呼ばれるオンライン診療を利用すれば、ビデオチャットを通じて遠隔地のドクターの診療も可能だ。処方薬や検査オーダーの受け取りもできる。通院の時間が取れない時、体調がすぐれず受診が難しい時、病気をうつされることが不安な時などに便利だ。

検査  


簡易検査はオフィス内で行うが、X線検査や血液検査は一般に院外施設で行なわれる。コロナウイルス蔓延の状況で、血液検査などは事前の予約が必要(オンラインで可能)。単純X線は予約なしで行えるが、超音波検査やマンモグラムなどは予約が必要だ。CTやMRIなどの費用は驚くほど高額なため事前に保険会社の承諾が必要で、日本ほど容易には受けられない。

薬  


カリフォルニアでは処方箋は全てオンラインで薬局にオーダーされる。薬の受け取りに便利な薬局を事前に決めておき、診察の際に医師オフィス側に伝えておく。所定の時間になったら薬局を訪れ、「Pharmacy」のカウンターで名前と生年月日を告げ、保険証を提示する。薬を受け取り、飲み方や副作用について薬剤師に説明してもらう。薬を内服しても症状が改善しない時や副作用が疑われる場合はドクターに連絡し指示を仰ごう。利用可能な薬のリストは保険により異なり、必ずしも希望薬を受け取ることはできない。継続して内服する薬の場合にリフィルという便利なしくみがあるが、その場合も定期的な受診は必要だ。一方、アメリカは市販薬が充実しており、急病時に備え、鎮痛解熱剤や風邪薬、胃薬などよく使う薬を手元に置いておくと良い。なお、医師オフィスや病院、検査施設、薬局などはすべて別会計だ。自己負担が発生した場合、後日各施設から請求書が送られてくる。保険会社からのEOB(給付説明書)で請求内容を確認しよう。

急病時の対応

 
急に具合が悪くなったら、平日オフィス時間内であれば担当医に連絡して対応を仰ぐ。夜間や週末の急病時には Urgent Careが便利だ。予め最寄りの施設を決めておこう。命に関わる病気が疑われる場合には躊躇せずERを受診すること。救急車が必要であれば911に電話する。

病気の予防  


成人病の予防のため、健康的な食生活と定期的な運動を心掛けよう。ベイエリアでは特に乾燥肌、ドライアイ、紫外線などに注意したい。病気の早期発見のため、健康診断を積極的に受けよう。ベイエリアには日本式の人間ドックを提供するいくつかの施設がある。サービスの内容についてはウェブサイトで事前に確認しよう。マンモグラムは40歳から、大腸がん、前立腺がん検診は50歳から推奨される。大人の予防接種の多くは薬局で受けることができ、オンラインで予約が可能。適応を考慮した上で積極的に受けておこう。

情報提供:こばやしクリニック
www.kobayashi-naika.com

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