医療保険以外にも生命保険や持ち物や住宅、ペットにかける保険等が存在する。アメリカでは住宅保険や自動車保険などは一般的で身近な保険という位置づけ。ここではどんなものがあるか、いくつかの例を紹介する。保障範囲や保険金の上限などは保険会社によっても違うので、詳細は専門家に相談しよう。
生命保険
生命保険は大きく「掛け捨て型」と「積み立て型」の2つに分けられる。掛け捨て型に当たるのは定期生命保険(Term Life
Insurance)で、一定期間(通常10年、20年、30年など)の保険期間内に保険金を支払う。保険料は比較的安価で、死亡時の保険金のみが支払われる単純な形式となる。一方、積み立て型は死亡保険金以外に、保険料による現金価値の蓄積があり、将来の資金計画に利用できる可能性がある。保険契約者が死亡するまで保険金を支払う終身生命保険(Whole Life Insurance)の他、自分の生活スタイルに合わせて保険料や支払い期間、受け取る保険金を自由に設定できるユニバーサル生命保険(Universal Life Insurance)、現金価値の運用に投資信託などの金融商品が使われ、運用成績によって変動する変動生命保
険(Variable Life Insurance)、アメリカの株価に連動して利息が付くインデックス連動型のインデックス連動型終身保険
(Index Universal Life Insurance)などがある。様々な選択肢の中から何を選ぶかは、年齢や目的、生活スタイル、健康状態、希望保障金額、支払い可能な保険料の金額、滞在のステータス等、様々な要素の組み合わせとなる。
住宅保険
主に建物と家財が災害などで損害を受けた時のためにかける保険。一般的な家を所有する人向けのホームオーナーズ保険(Homeowners Insurance)、マンションやアパートなど複数の住戸がある建物を所有する場合のコンドミニアム保険(Condo
Insurance)、賃貸で居住する人向けのレンターズ保険(Renters
Insurance)がある。さらに洪水保険(Flood Insurance)、地震保険(Earthquake Insurance)など災害リスクに応じたもの、第三者責任保険の一種で、高額の損害賠償請求が発生した場合など自動車や住宅などの既存の保険を補完するアンブレラ保険(Umbrella Insurance)などもある。いろいろなプランがあるが、住宅保険の基本項目の概要を6つ紹介する。
Dwelling Coverage
住宅の建物をカバーする保険。火災、窃盗、爆発、風災、水災などの被害によって生じた損害を保護する
Other Structures
住宅に付随する構造物(ガレージ、倉庫、フェンス、デッキ、プールなど)を保護する保険。
Personal Property
泥棒などに個人の私物を盗難されたときにおりる保険。火災により私物が破損した場合にも適応される。高価な美術品、銃、宝石、コレクタブルアイテムなどは査定書を入手して、その金額まで保険をかけることが可能。むろん高価になればなるほど保険代も上がることになる。
Personal Liability
個人賠償責任保険。自分の敷地内で、自分や家族の一人が他人に怪我をさせてしまった場合、もしくは物を破損してしまった場合に保険金がおりる保険。例えば、ペットの犬が郵便配達員に噛み付いて怪我をさせてしまった場合や、子どもが来客して物を壊してしまった場合などにも適応される。
Loss of Use
火事などによって家を修復している間、他の所に住まなくてはならない場合にかかる費用がおりる保険。おりる保険金額は保険加入時に決められる。自分の過失事故ではなく、隣の家から出火した場合にも適応されるので万一の時に重宝する。
Medical Pay to Others
自分や家族の一員の過失に問わず、他人がもし自分の家の中で怪我をした場合、医療費に対し保険金がおりる保険。
海外旅行者保険
日本への里帰りやアメリカ国外に旅行に行く場合は、加入済みの医療保険では十分にカバーされない場合もある。カバーされる場合でも緊急時のみと限定的な場合も多い(加入しているプランによって異なる)。海外旅行者保険は短期間でも購入することができ、加入手続きもとても簡単。主に病気や怪我をした場合に適用する保険だが、緊急搬送、事故死亡、旅行取り消しなど、項目は多岐にわたる。アメリカ国外では医療が充実していない場合もあり、行く場所によっては医療機関が近くに無かったり、ヘリコプターなどで搬送された場合には多額の費用が掛かる。24時間対応の通訳サービスが含まれているプランもあり、病状を説明する時などは安心だ。
ペット保険
日本に比べ高額なアメリカの医療費、当然ペットの医療費も高額になるため、ペットを飼っている人は加入を検討するのがベター。大手ペットショップ店などは会員制サービス内に検診等が組み込まれている場合もあるため、比較検討するのも選択肢の一つだ。